「しもやけ」は冬の肌トラブルです。手足の指などが赤くなって、かゆくて痛くてイライラしますよね。でも、「しもやけなんて、昔の肌トラブルでしょ」という人も少なくありません。しもやけを発症している本人も「しもやけなんて放っておけば、そのうち治る」と考えていることが多いようです。
しもやけは、こじらせると治りにくくなります。放置して悪化すると、手足を切断する可能性もあります。早めに治療することが大事です。
しもやけの原因と症状、治し方と予防法についてお伝えしますね。
しもやけの原因と症状
「しもやけ」は「霜焼け」「霜腫れ(しもばれ)」「霜朽ち」「雪焼け」とも呼ばれます。医学用語では「凍瘡(とうそう)」です。
しもやけは、手足の指先や耳たぶ・鼻先・頬に発症しやすい肌トラブルです。原因は血行障害です。寒くなると身体の末端部分の血行が悪くなって炎症が起きる皮膚の病気です。病院の皮膚科では「血管障害に伴う皮膚病の1種」と分類されます。
冬の初めから春の初め頃に多く発症し、春になって気温が上がってくると治ります。
[しもやけの原因は血行障害]
しもやけは、寒さや冷えによって身体の末端部分(手足の指先や外気に露出している鼻先・耳たぶ・頬の高い部分)の血液の流れが悪くなることが原因で発症します。血流が悪くなった部分の細胞は傷ついて炎症を起こします。この炎症がしもやけです。
①1日の平均気温が低く、昼夜の温度差が大きい
冬は1日の平均気温が低い上に、昼夜の気温差が激しくなります。皮膚表面の温度が下がり、末端の血管の拡張・収縮がスムーズにできなくなります。血流が悪くなり、炎症が起きます。
②冷え性の人はしもやけになりやすい
冷え性(冷え症)の人や体が冷えやすい人は血行障害を起こしやすいので、寒くなるとしもやけを発症しやすくなります。冷え性・冷えやすいのは体質や遺伝が関係しています。
③濡れたままにしておくと、しもやけになりやすい
冬場に手足を濡れたままにしておくと、水分が蒸発する時に皮膚表面から気化熱を奪います。皮膚表面の温度がさらに低くなり、血管が収縮して血行が悪くなります。
寒い時には靴下の重ね履きをしたり手袋をしたりして、手足が蒸れて湿っぽくなります。湿っぽいままにしておくと、皮膚表面温度が低下して血流が悪くなります。冬場に流行するブーツも足先が蒸れるので、しもやけが発症しやすくなります。
④足先を締め付けると血行が悪くなる
先が細く尖っているハイヒールなどは足先を締め付けます。血流が滞り、炎症が起きやすくなります。
[しもやけになりやすい人]
しもやけを起こしやすいのは、大人よりも子供、男性よりも女性です。汗をかきやすい人・水仕事が多い人・冷え性の人・長時間細い靴を履く人も、しもやけになりやすいと言えます。
普段素足でいることの多い人や、入浴する時に湯舟につからずシャワーだけで済ませる人もしもやけが起きやすくなります。ビタミンEが不足すると血行が悪くなるため、しもやけが起こりやすくなります。
子供や赤ちゃんはしもやけを起こしやすい
子供や赤ちゃんはしもやけを起こしやすいものです。大人よりも寒暖の差に敏感に反応するためです。特に赤ちゃんがしもやけになりやすい理由は、赤ちゃんは素足でいることが多いからです。素足で過ごすことは、赤ちゃんが正常な発育をするために大事です。でも、気温の低下に敏感に反応して、血流障害を起こしやすくなります。
[しもやけの症状]
しもやけの症状は、大きく2つに分けられます。①手の指先・足先・鼻先・耳たぶの先など身体の末端の部分に赤紫の発疹が生じるようなタイプと②手の指や足全体が腫れるタイプです。
しもやけの2種類の症状
①の手の指先・足先・鼻先・耳たぶの先など末端の部分に赤紫の発疹が生じるような症状は、赤ちゃんや子供によく発症します。かゆみと痛みを伴います。
②の手の指・足・鼻・耳たぶ・頬の高い部分が全体的に赤く腫れてふくらむ症状は、青年期から成人の女性によく発症します。時には、太ももや臀部にも発症します。手足の指が赤黒くなります。かゆみや痛みが激しくて眠れないこともあります。
しもやけは温めるとかゆくなる
しもやけは温度が高い暖かい場所では、かゆみが強くなります。かゆくて疼きます。手足などしもやけが起きている部分が温まると、急に血管が拡張して血液が流れやすくなります。これが神経を刺激して、強いかゆみが生じて疼きます。炬燵(こたつ)に入ったり、寝る時に湯たんぽや電気毛布で足先を温めたりすると、とてつもなくかゆくなります。
気温の低い寒い場所では、しもやけの痛みが強くなります。じんじん疼くような痛みです。
しもやけが重症化すると大変!
しもやけになった患部は熱を持っている感覚があります。しもやけが進行すると、ただれたり水疱(水ぶくれ)ができたりします。水疱が潰れてジュクジュク化膿することもあります。痒みと痛みが激しいので熟睡できず、睡眠不足になります。足が痛くて、歩行困難になる可能性もあります。
かゆみが強いので、爪でひっかいて皮膚に傷つけると、傷口から細菌感染を起こす可能性もあります。
ひびやあかぎれが起きる
しもやけになると、肌が乾燥します。皮膚がカサカサに乾燥して硬くなり、皮膚表面に亀裂が入ります。これが、「ひび」です。水仕事などする時や入浴時に洗剤や水に刺激されて、とても痛みます。ひびは踵(かかと)・手指・手の甲に多く発症します。
「あかぎれ」は「ひび」が悪化したものです。皮膚の亀裂が深く大きくなり、出血や腫れを生じます。痛みもさらに激しくなります。
悪化すると、手足切断の可能性も
しもやけが重症化すると、手足の指を切断する可能性があります。しもやけがなかなか治らない場合は、早めに皮膚科の医師の診療を受けることをオススメします。
凍傷
しもやけは皮膚表面の血管障害ですが、皮膚の奥の組織や筋肉や骨まで血流が障害された状態を「凍傷」と言います。長時間低温状態に置かれると、筋肉や骨まで血流が滞り壊死状態に陥ります。雪山で遭難し、長く雪の中にいると凍傷を起こします。
「凍傷」になると、壊死した手足を切断する可能性が高くなります。「凍傷」はしもやけが重症化した状態とも言えます。
しもやけの治し方
しもやけを軽視して放置するのはNGです。「毎年の季節行事」などと言ってかゆみや痛みを我慢している人が多いのですが、ひっかいた傷口やひび・あかぎれから二次感染が起きる可能性が大きいので、早めに対処することが大事です。
しもやけの治療方法は、医師による治療・市販薬による治療・自分でする治し方の3つです。
[皮膚科の医師の治療を受ける]
「たかがしもやけ」と思わず、総合病院の皮膚科や皮膚科専門病院の医師の治療を受けるのが、重症化を防ぐ最善の方法です。保険が適用できるので、比較的安価で効果が高い方法と言えます。
病院で処方される薬
ビタミンE剤(ユベラ錠)や血管拡張剤(カルナクリン錠)とともに、ビタミンE配合やヘパリン類似物質配合の軟膏(ユベラ軟膏・ヒルドイド)を処方します。炎症を抑えるためにはステロイド外用薬、かゆみに対処するためには抗ヒスタミン剤配合の軟膏を処方します。かき傷が化膿している場合はゲンタシン軟膏など抗生物質配合の外用薬を処方します。
ステロイド外用薬には、軟膏・クリーム・ローションなどのタイプがあります。自分に合うタイプを選ぶとともに、医師の指示に従って使用することが大事です。
患者さんの症状に応じて薬を処方しますから、効果が大きくなります。
ビタミンEは末梢の血管の血流を改善する
ビタミンEは末梢血管を流れる血液の量を多くする効果があります。サプリメントでも食品でも摂取できます。
ただし、ビタミンEは脂溶性ビタミンなので、余分なビタミンEが尿と一緒に体外に排出されることはありません。過剰摂取になる可能性があるので、ビタミンE剤は医師の指示に従って服用します。食事からビタミンEを摂取する場合は、過剰摂取の心配はほとんどありません。
[しもやけ治療の市販薬]
なかなか病院へ行く暇がない人は、しもやけが発症したらすぐに市販薬で治療します。市販薬を購入する時は、薬剤師に相談することをオススメします。
市販薬で改善効果がない場合は、早めに皮膚科を受診します。
よく購入される市販薬
しもやけの市販薬としてよく購入されているのは、ユースキンA(ユースキン)・オロナインH軟膏(大塚製薬)・ベルクリーンS軟膏(クラシエ)・ユベラリッチ(エーザイ)などです。
オロナインH軟膏は殺菌効果の高いグルコン酸ヘキシジンが配合されています。家族全員の皮膚トラブルの常備薬です。
ユースキンAはビタミンE・ビタミンC・ヒアルロン酸Na・グリチルレチン酸が配合されています。しもやけ・ひび・あかぎれに効くボディクリームです。
ベルクリーンS軟膏は血行を良くするトウガラシチンキにかゆみや痛みを抑える成分が配合されています。しもやけ・ひび・あかぎれに効く軟膏です。
漢方薬系の紫雲膏(クラシエ)も人気があるようです。
市販のステロイド外用薬は1週間が目途
市販薬でもステロイド外用薬があります。しかし、ステロイド外用薬は副作用があるので、薬剤師によく相談する必要があります。
市販のステロイド外用薬は、皮膚科で処方されるほど強いものではありません。しかし、1週間使用しても改善する効果が見られない場合は、使用を中止して皮膚科の医師に相談します。
病院で処方してもらうステロイド外用薬の使用は2週間が目途(めど)です。2週間してもしもやけの症状が改善しない場合は、処方した医師に相談します。
[自分で血行を良くする]
しもやけの原因は末端の血管の血流が悪くなることですから、治療法の基本は血行を良くすることです。薬剤で血行を良くする方法もありますが、入浴やマッサージなど日常生活の中で対処することができます。
①お湯と水に交互につける
昔から行われているしもやけの対策法です。40℃程度のお湯と5℃程度の水にしもやけの部分を交互につけます。しもやけ部分がしっかり温まるまでお湯につけ、その後、冷えきるまで水につけます。これを5回繰り返します。お湯で始めて、お湯で終わるようにします。
お風呂に入った時に行うならば、最後はバスタブでお湯につかって全身をよく温めます。全身の血液循環を良くします。
お風呂に入らなくても、洗面器2つあればできます。
終わったら、水分が残らないようによく拭き取ります。
しもやけ部分をお湯で温めるだけでもOK
お湯と水に交互につけると、刺激されて痛みやかゆみが強くなる可能性があります。「お湯と水に交互につけるのは荒療治」と言って嫌う人も少なくありません。水と交互につけなくても、お湯でしもやけ部分を温めるだけでも血流を良くすることができます。
足のしもやけには足湯が効きます。特に、重炭酸湯には血流を良くする効果があります。「重炭酸湯」は重曹とクエン酸を成分とする入浴剤です。手のしもやけも重炭酸湯につけて、血流を良くします。
②食事でビタミンEとビタミンCを摂る
前述したようにビタミンEには末端の血管(毛細血管)の血流を良くする効果があります。ビタミンEが活発に働くためには、ビタミンCが必要です。また、ビタミンEは脂溶性ビタミンなので、油とともに摂ると効果的です。炒め物や揚げ物ですね。食事で摂取する場合は、ビタミンEの過剰摂取の心配はほとんどありません。
ビタミンEを多く含む食物
ビタミンEは、アーモンド・アンコウの肝・イクラ・筋子・イワシ・アユ・タラコなどに豊富に含まれています。ウナギの蒲焼にもビタミンEが含まれています。忙しい朝は、バナナとアーモンドとフレッシュオレンジジュースの食事が、オススメです。
ビタミンCを多く含む食物
ビタミンCは、柑橘類(オレンジ・レモン・グレープフルーツ・ミカン・柚子など)・イチゴ・柿・アセロラ・ピーマンに豊富に含まれています。
③マッサージ
血流を良くするためには、マッサージが効果があります。
お風呂に入った時、バスタブのお湯にゆったりつかりながら手足のしもやけ部分を優しくマッサージします。強くこすったり揉んだりすると、毛細血管を傷めて炎症が悪化する可能性があります。
アロマオイルでマッサージ
しもやけ部分の皮膚は乾燥しているので、オイルマッサージも効果があります。マッサージオイルのベースはキャリアオイル(希釈用オイル)という植物油です。キャリアオイルに精油(アロマオイル)を濃度1%以下になるように混ぜて、マッサージオイルを作ります。
カモミールやラベンダーのアロマオイルにはリラックス効果がありますから、しもやけのかゆみや痛みでイライラしている人にはオススメです。
[即効性のあるしもやけ治療法]
「あれ、しもやけかな?」と思ったら、すぐに実行したい即効性の治療対策があります。重症化する前の早期のしもやけには、即効があります。
①湿布をする
肩こり・腰痛・筋肉痛の時に貼る湿布を、手足などのしもやけ部分に貼ります。湿布は大きいので、しもやけ部分に合わせて適当な大きさに切って貼ります。湿布を貼った上から靴下を履いて、はがれないようにします。
湿布薬には鎮痛薬が配合されているので、しもやけのかゆみや痛みを緩和します。血流を良くする成分が血行を促進します。
即効性があるので、早期のしもやけなら1晩で治るケースもあります。
湿布は何でもOK
湿布はサロンパスでもロキソニンでも何でもかまいません。辛子系の湿布は患部を温めて血行を促進する効果があります。スプレー式の消炎鎮痛剤(エアーサロンパスなど)でもOKです。
②キンカンを塗る
「キンカン」は虫刺されのかゆみ止めや肩こりに効く塗り薬です。お風呂上りに、しもやけ部分にキンカンを塗ります。手足の患部をよく温めて血行を良くしてから、塗ります。キンカンをたっぷり塗って乾かします。よく乾いたら、またキンカンを塗ります。これを2~3回繰り返します。
早期のしもやけならば即効で、1晩で治ることもあります。
③縄跳びをする
しもやけの原因は血行障害ですから、血流を良くすれば症状が改善できます。血流を改善するには運動が効果的です。特に縄跳びは足先の血行を良くするので、足指やかかとのしもやけには即効性があります。
湿布もキンカンもない時は、縄跳びがオススメです。10~20分程度縄跳びすればOKです。
[しもやけを繰り返す人は皮膚科に相談する]
毎年必ずしもやけになる人や市販薬やマッサージでなかなか改善できない人は、総合病院の皮膚科か皮膚科専門病院(医院)の医師に相談する必要があります。
しもやけ(凍瘡)は重症化すると、手足の切断という可能性もある怖い皮膚疾患です。痛みやかゆみが酷くなる前に、医師に相談することをオススメします。
静脈循環障害
しもやけ予防の対策を行っても、しもやけを繰り返し発症する人は「静脈循環障害」の可能性があります。静脈循環障害は先天性の障害で、血管の血液の循環が良好ではありません。しもやけに似た血管障害症状を起こします。医師による診断・治療が必要です。
しもやけの予防策
しもやけの痛みやかゆみはストレスになります。イライラして日常生活に支障を生じます。しもやけは何よりも予防の対策が大事です。しもやけの予防対策のポイントは、身体を冷やさないことと身体の末端部分の血行を良くすることです。身体の末端の血行が悪くならないように気をつけて生活します。
[身体を冷やさない]
しもやけの予防法の基本は身体を冷やさないことです。特に手足の先など末端部分を冷やさないようにします。
①冬季の外出は防寒用のジャケット・コートで温かくする
寒い時季に外出する時はジャケットゃコートを着用して、体温を下げないようにします。ただし、屋内や乗物内は暖房が効いているので、汗をかくことがあります。こまめに脱いだり着たりして、温度を調整します。かいた汗はよく拭きます。
②冬季の外出は防寒具を着ける
寒い戸外に出る時は、手袋や耳当てなどの防寒具で手の先や耳たぶを冷やさないようにします。インフルエンザや風邪の予防対策のマスクは、鼻先が冷えるのを防ぎます。
③家の中でも靴下を履く
冬季は家の中でも靴下を履いて、足先を冷やさないようにします。フローリングの床は足が冷えるので、靴下を履いて温かくします。
靴下の重ね履きは要注意・指靴下がオススメ
靴下の重ね履きは汗をかいて足が蒸れ、かえって足を冷やします。靴下で締め付けると血流も悪くなります。5本指の靴下(指靴下)は、蒸れを防ぎ足指を開かせます。5本指の指ソックスを履いた上に普通の靴下を重ね履きします。
汗をかいた靴下はすぐに取り換える
汗をかいた靴下はこまめに取り換えます。新しい靴下を履く前に、よく汗を拭きます。
④足を締め付ける靴は履かない
足にきつい細い靴やヒールの高い靴を長時間履かないようにします。ブーツも足が蒸れるので、よく拭いて足を乾かすようにします。
⑤水に濡れた手足はよく拭いて乾かす
洗濯や風呂場の掃除など水仕事をした後は、タオルで手足をよく拭いて乾かします。手足が濡れたままになっていると、冷えて血流が悪くなります。
⑥一年を通じてバスタブの湯につかる
一年を通じてシャワーだけで済ませず、バスタブの湯にゆっくりつかって全身を温めます。お風呂で体を温めると、全身の血液の循環が良くなります。
[基礎代謝を上げる]
しもやけになりやすい人は、日常の体温が低いようです。最近は、平熱が36℃以下という体温の低い女性が増えています。体温が高くなると、基礎代謝も上がります。基礎代謝が高いと、体温も上がります。基礎代謝が上がると、新陳代謝も良くなります。基礎代謝を上げることが、しもやけの予防対策になります。
基礎代謝とは
「基礎代謝」とは、生存を続けて行くために必要最低限の機能を維持するために必要なエネルギー代謝です。ヒトは何もしないで横になっているだけでも、心臓が動いて血液を循環させたり、肺が働いて呼吸したりしています。ただ生きて行くために必要なエネルギー代謝です。
①有酸素運動をする
基礎代謝を上げる方法として、ウオーキングやスロージョギングなど有酸素運動が効果的です。正しい姿勢で歩くようにします。
②軽いストレッチ運動をする
お風呂上りに軽いストレッチ運動をすることも、効果があります。お風呂上りのストレッチは全身の血行を良くする効果もあります。
座りっぱなしの事務仕事やパソコン作業をする時は、時々軽いストレッチをして血液循環を促します。手足の先を動かしたり、マッサージしたりするのも効果的です。
③暖房や冷房を調節する
暖房に頼りすぎたり冷房で冷やしすぎたりすると、身体は自分で体温を調節する機能が低下します。基礎代謝が低下します。暖房は、22℃前後に設定するのがオススメです。
[生活習慣を改善する]
睡眠不足・運動不足・ストレス過多にならないように生活習慣を改善します。睡眠不足や運動不足は基礎代謝を低下させ、体温を下げます。規則正しい生活をするように日常の習慣に気をつけることが、しもやけの予防法になります。
栄養バランスの良い食事をする
しもやけになってからビタミンEやビタミンCを摂取するよりも、日常的にビタミンE・Cを摂るようにして末端の血行を良くしておきます。
タンパク質・脂質・糖質(炭水化物)・ビタミン・ミネラル・食物繊維を日常の食事でバランス良く摂取します。よく噛んで腹八分目に食べるようにします。体温が上がりやすくなります。
[しもやけに似た病気]
前述した「静脈循環障害」のように、しもやけと間違える疾患があります。市販薬や自分でする治療法・対策法で治らない時は、医師に相談する必要があります。医師は皮膚症状や血液検査によって診断します。
膠原病
膠原病の中には、寒冷刺激によって手指の先が白くなったり凍瘡様紅斑(しもやけのような赤い発疹)が起きるものがあります。
レイノー病
レイノー病は寒冷刺激や精神的緊張により、手足の末端の血管の血流が悪くなります。手足の先が白や紫色に変色し、しもやけと同じようなしびれや痛みが生じます。
クリオグロブリン血症
体温の低下により血液が固まり、末端の血管を詰まらせて血管炎を起こします。しもやけのような紫色の斑点ができ、関節痛と筋力低下が生じます。
糖尿病・動脈硬化症
糖尿病や動脈硬化症で末端の血管の血流が滞ると、しもやけに似た症状を発します。
まとめ しもやけは血流を良くすれば治る
しもやけは「血管の血行障害による皮膚病の1種」です。寒さや冷えによって手足の先・耳たぶ・鼻先など身体の末端部の血流が悪くなり、皮膚に炎症が起きる疾患です。しもやけの治療法も予防法も、基本は身体の末端部まで血行を良くすることです。
身体を冷えや寒さから護り、しもやけを発症している患部を温めます。しもやけの患部をお湯につけて温めるだけでも効果的ですが、水とお湯に交互につけると血行を促進します。手足のしもやけ部分を優しくマッサージするのも、効果的です。ビタミンEには末端の血管を流れる血液の量を多くする働きがあります。食事でビタミンEを摂るようにします。ビタミンE配合の軟膏を患部に塗ります。しもやけに効く軟膏は、薬局でも買えます。
肩こりや筋肉痛に効く湿布を患部に貼ったりキンカンを塗ったりする治療法は、初期のしもやけには即効性があります。縄跳びは足の血行を良くして、即効のしもやけ治療になります。
しもやけは重症化すると治りにくく、手足を切断する可能性があります。しもやけがなかなか治らない場合は、皮膚科の医師の治療を受けます。医師は症状に応じてステロイド剤や抗生物質配合の外用薬やビタミンE・血管拡張剤などの内服薬を処方します。
しもやけを繰り返し発症する場合やなかなか治らない場合は、静脈循環障害・糖尿病・動脈硬化症・膠原病などの疾患が潜んでいる可能性があります。しもやけを軽く見ないで、早めに医師に相談することが大事です。
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