おたふく風邪は大人でもなる!症状や似ている病気を紹介!

子供の病気と思われがちがおたふく風邪ですが、大人にも感染する病気です。子供さんの看病をしていて自分が罹ってしまう場合もあるようです。

また、子供の頃にかかった経験がなく、ワクチン接種もしていない方が大人になって初めておたふく風邪にかかってしまったという場合、抗体を持っていないため重症化しやすく、生殖機能に関する合併症などを引き起こす事があります。

名前の雰囲気からは想像のつかない非常に危険な病気です。都会では時期に関係なく流行すると言われるおたふく風邪について、予防対策をしっかり取っておきましょう!

おたふく風邪はなぜ起こるか

寝ている子

おたふく風邪とは流行性耳下腺炎の事を指し、ムンプスウイルスというウイルスに感染する事で発症します。ムンプスウイルスは飛沫感染や接触感染で広がり、大体2.3週間の潜伏期間を経て高熱が出て、耳の下、頬の後ろ側、あごの下(これらはまとめて耳下腺部と呼ばれる部分です)の部分が腫れて痛むという症状が現れます。この腫れと発熱やそれに伴う頭痛、腹痛が主な症状です。

また、感染しても症状が出ない人(不顕性感染)が感染者の2~3割程度みられ、特に1歳以下の乳幼児の場合は症状が出ない割合が高いと言われています。

これといって有効な治療法があるわけではないので、ワクチンによって予防する事が第一です。罹ってしまった場合は、発熱や痛みに対しての対処をしつつ安静にしているのがよいでしょう。

子供の頃の方が罹りやすい病気で、また、子供の頃にワクチンを接種している事が多いはずなのですが、近年は大人でも罹る場合があるようです。

大人のおたふく風邪の危険性

親子

大人と子供での症状の違い

大人も子供も、基本的な症状は変わりません。頬あたりや耳の下、あごにかけて腫れる症状が出たり、しこりが出来る場合もあります。軽い首の痛みや、頭痛が出る場合もあります。

大人の場合によく見られる症状が発熱です。高熱が出やすく、人によっては40度を超える高熱が出る場合があります。大人の方が重篤な状態になりやすいのは、ウイルスを攻撃しようとする力が子供時代より強まっているためですが、この高熱により合併症を引き起こす場合があるため注意が必要です。

合併症について

大人のおたふく風邪の場合、40度の高熱が続く場合があり、これが長引くと前述の通り合併症を引き起こす可能性があります。

・睾丸炎、卵巣炎

おたふく風邪の合併症は生殖機能に関するものが多く見られ、症状が重い場合は生殖機能を失う場合があります。男性の場合は25%が睾丸炎を、女性の場合は7%が卵巣炎を、15~30%が乳腺炎を起こすというデータがあります。睾丸炎は片側で起こる事が多いのですが、まれに両側で症状が出る場合があり、この場合は子供を産む事が出来なくなる可能性があるので気をつけましょう。

卵巣炎が不妊につながる事はありませんが、妊娠中の方が罹った場合自然流産を引き起こす事があります。また、妊婦さんがおたふく風邪に罹った場合も重症化しやすいと言われています。

・その他臓器に関する合併症

生殖機能以外の合併症では、腎炎、肝炎、髄膜脳炎が上げられます。いずれも発熱、倦怠感を始め意識障害やけいれん発作にもつながる可能性があり、生命に危険を及ぼす症状です。

・ムンプス難聴

また、ムンプスウイルスが内耳に感染した場合、難聴が起こる場合があります。この症状はムンプス難聴と呼ばれ、大体おたふく風邪に罹った人1000人に1人に症状が出ると言われています。

ほとんどが片耳にのみ起こり、耳鳴りやめまいを伴う事があります。また、頬に腫れが出ない不顕性感染でも起こりうる病気です。

難聴は完治が非常に難しく、症状が出てから時間が経つ程その可能性はどんどん低くなります。おたふく風邪かも?と思ったら耳の聞こえ方にも気を配るべきでしょう。

おたふく風邪に似た病気

クエスチョンマーク

おたふく風邪は耳下腺がウイルスに感染して起こる病気のため、耳下腺で起きた他の病気との見分けがつきづらい場合があります。

おたふく風邪と同様に耳下腺が腫れる症状が出る病気についてまとめました。

反復性耳下腺炎

反復性耳下腺炎は耳下腺や顎下腺が繰り返し腫れる病気です。大体1年位の間隔で腫れるといわれています。おたふく風邪は一度罹ったら抗体ができるため、何度も罹る事はありません。毎年おたふく風邪に罹っているような気がする、という場合はこちらの病気を疑った方が良いでしょう。

現時点ではっきりとした理由は分かっていませんが、先天的に耳下腺に異常があったり、アレルギー、虫歯、疲労によって起こる場合もあります。こちらの場合、他の人に感染する可能性はありません。

化膿性耳下腺炎

他と同じく耳下腺で起きる炎症ですが、こちらは口の中の細菌による感染、自己免疫性疾患が原因です。症状は反復性耳下腺炎、おたふく風邪と同様に耳下腺の腫れと痛みですが、こちらの場合膿んでいるので、腫れた部分を抑えると口の中から膿が出るという特徴があります。

治療は抗生物質の投与が主なもので、軽い場合は投薬のみでよくなります。重症の場合は切開による排膿を行います。

こちらの場合も、他の人に感染はしません。

大人のおたふく風邪の対策

寝てる人

おたふく風邪に罹ってしまった場合ですが、ムンプスウイルスそのものに効く薬はないので安静にしているしかありません。

また、腫れている部分は冷やすとよいとされ、特に睾丸炎を伴う場合は冷やす必要があります。

発熱がある場合水分をたくさん採る事は大切ですが、噛む時に痛みを感じる場合があるので、硬いものは控えた方が無難です。また、唾液の分泌を促す事はあまりよくないので、酸っぱいもの等は控えましょう。

また、ムンプスウイルスは人から人に感染します。他人に感染しないよう注意が必要です。

おたふく風邪の予防

注射

おたふく風邪の予防は、ワクチンによるものが最も有効です。現在ワクチンの抗体獲得率は90%前後と言われており、ワクチンを接種しても10%程度の方には抗体ができませんが、それでも接種しなかった人と比べると症状が軽くなったり合併症を防ぐ事につながります。

また、感染してからワクチンを接種しても意味がないので、できれば早めの対策をしたい所です。

ただ、既におたふく風邪の抗体を持っている場合もあります。不顕性感染を起こした場合、腫れたり熱が出たりという症状が出ないまま抗体だけを獲得する事になるので、おたふく風邪に罹った記憶はなくても知らないうちに抗体を持っているという場合もあります。

抗体のある人がワクチンを接種しても特に問題はありませんが、事前に抗体の有無を調べる事ができるので一度調べてみるのもよいかもしれません。

まとめ

おたふく風邪はたびたび流行を繰り返す病気のためあまり珍しくなく、そのため風邪と同じように放っておけば治る病気と思われがちですが、合併症や難聴など、日常生活に支障をきたすような症状が出る可能性もある危険な病気です。ワクチンでの予防が非常に有効なので、一度ご自身が予防接種を受けているかどうかご確認する事をお勧め致します。もしまだ罹っていない場合はワクチンの接種を検討してみて下さい!

また、全ての病気に共通の対策として普段から良質の睡眠、食事など基本的なライフスタイルを整え免疫力を高める事が重要です。生活習慣の改善により、万が一罹ってしまった場合も症状を少なく抑える事ができるので、日頃から気をつけましょう。

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