最近では、分煙や禁煙などが広まり、タバコを吸う人にとっては肩身の狭い世の中になりましたね。職場でも、タバコを吸う時は喫煙所、となっているところが多いでしょうから、堂々とタバコを吸える環境は減りつつあると言えます。
また、男性だけでなく女性でも愛煙家はいます。しかし、男性がタバコを吸う姿に比べて、女性がタバコを吸う姿は敬遠されがちですよね。男女でこうも差があるのは不公平な気もしますが、体に悪いことや、女性は子供を産むこと、または女性に対するイメージなど様々な理由が集まって、女性にとってタバコを吸いにくい環境になっていることも確かです。
では、タバコを吸う女性は世間からどう見られているのか、また恋愛での影響など、気になる情報をまとめてご紹介します。
喫煙率について
タバコというと男性が多く吸っているイメージですが、実際のところどうなのでしょうか?
また近年では禁煙や分煙が積極的に行われ、タバコを吸う人にとっては過ごしにくい環境です。喫煙率の推移からまずは見ていきましょう。
減少傾向にある喫煙率
厚生労働省の調査によれば、日本の喫煙率は昭和40年から推移を追っていくと男性では昭和40年に80%近かったものが、平成28年では20%近くにまで減っています。
女性は横ばいですが、全年齢ではおよそ10%と、かなり低い水準のようですね。男性はタバコを吸うイメージがあり、女性にはあまりないのもうなずけます。全体的な割合として、やはり女性の喫煙者は少ないのですね。
女性の喫煙率は低め
タバコは健康被害以外に美容にも悪いですから、やはり積極的に手を出す女性はいないようですね。また、女性の場合は恋愛面でデメリットになると考えている人が多いようです。
具体的には、喫煙が子供に悪影響を与えることや、相手が喫煙を嫌がる、健康志向の人が多いなどが理由として挙げられています。
タバコを吸う人の心理は?
健康によくない影響を与えるタバコですが、わざわざ吸う人の心理はどのようなものなのでしょうか?ストレス発散やダイエット、彼氏や友達が吸っていたから、とういうような、周りに流されて吸い始める人も少なくないようです。
また、テレビや映画で芸能人がかっこよくタバコを吸っているのを見て憧れたり、好きな芸能人と同じ銘柄のタバコを吸いたい、という心理も働くのではないでしょうか。しかし、喫煙には大きなリスクが伴いますから、興味本位で始めるのは避けた方がよいでしょう。
喫煙のリスク
タバコは、昔はかっこいいイメージがありましたし、気持ちが落ち着いたり、苛立ちを押さえてくれたり、毎日の楽しみになったりと、様々な理由で吸っている人がいます。
しかし、近年ではタバコが人体に及ぼす害の大きさが話題になり、喫煙者数はかなり減っているようですね。
健康被害
タバコが体によくないことは周知の事実ですが、健康面での具体的な害について見ていきましょう。
多量の化学物質
タバコには、実に4,000以上もの化学物質が含まれていると言われます。中でも、発がん性物質は50種類以上ですから、これだけでも健康に悪い理由が分かりますね。
たとえば、アセトンはペンキ除去剤に含まれていますし、アリの殺虫剤に含まれるヒ素、車のバッテリーに含まれるカドミウムや、排気ガスに含まれる一酸化炭素など、効いただけで具合が悪くなりそうなものばかりです。
依存性
とは言え、タバコは1度始めるとなかなかやめられない、中毒性のあるもので、中には依存症になってしまう人もいるほどです。では、タバコを止めることができない理由についてお話しましょう。
ドーパミンによる快楽効果
なぜなら、タバコに含まれる成分の1つ、ニコチンには強い中毒性があるからです。ニコチンが体内に入ると、脳にあるニコチン受容体と結合して、ドーパミンが分泌されます。
そのたえ、タバコを吸うことで快感を得ることができるのです。タバコを吸うと気分が落ち着いたりほっとしたりするのはこのためです。
ニコチン切れによる禁断症状
しかし、こうしたニコチンの効果は30分ほどしか持ちません。ニコチンが切れると、ほっとしてリラックスしていた心は非常にイライラして落ち着きがなくなります。
こうした症状を離脱症状(禁断症状)と言われるものが起きます。こうなると、禁断症状を沈めるために一刻も早くタバコを吸いたくなる、というわけです。この状態になるとニコチン中毒になり、まるでコカインやヘロインのように、やめることが非常に困難になるのです。
タバコは嗜好品といえど、発がん性物質を含んでいて体に街を及ぼす上、はまり込むと抜け出すのが難しい、非常に怖いものでもあるのですね。
病気になりやすい
妊娠や恋愛面でのリスクだけでなく、病気のリスクも高いです。
歯周病
タバコによって歯が黄色くなるだけでなく、ニコチンを原因として歯周病になりやすくなります。そのうえ、ニコチンが原因の歯周病は痛みがないため、気付かない内に進行してしまうこともあるようです。
がん
胃がんや膵臓がん、肝臓がん、肺がん、咽喉頭がんなど、様々ながんのリスクもあがります。特に肺がん、咽喉頭がんはタバコを吸わないことで防げるとも言われていますから、タバコヲすうことはリスクでしかないのです。
慢性閉塞性肺疾患
この病気は、喫煙者の20%が発症すると言われています。気管支が炎症を起こすことにより、咳や痰がでやすくなるほか、気管支が細くなり、息切れを感じやすくなるというリスクもあります。
虚血性心疾患
主に狭心症と心筋梗塞のことを言いますが、狭心症は胸部を締め付けられるような症状が出ますし、心筋梗塞では胸部の激しい痛みや吐き気、呼吸困難などを引きおこします。
喫煙によって動脈硬化が引きおこされ、こうした疾患にかかりやすいのです。これは大きなリスクだと言えます。
妊娠への影響
タバコが妊婦によくないことは知られています。生理不順を招いたり、月経困難症などを引きおこし、妊娠しにくい原因になりますし、老化現象を起こし、閉経が早まるとも言われていますよ。
つまり、子供を望むなら、喫煙はおすすめできないということです。また、仮に妊娠できたとしても、タバコは中毒性がありますから、すっぱりやめられない可能性もあります。
そうした場合、お腹の子供に悪影響を与える可能性もあります。タバコは血管を収縮させるため、胎盤から胎児へ十分な影響が行き渡らず、早産や死産、破水や低体重出生児など、生まれてくる時に大きな弊害を及ぼすのです。
美容への悪影響も
また、タバコはがんや寿命を縮めたりする他に、美容にも悪影響を及ぼすと言われています。
喫煙者特有の顔をスモーカーフェイスと言いますが、目尻や口周りにシワができ、唇は乾燥してカサカサ、歯や歯茎の色が悪くなり、口臭もきつくなります。
そのため、タバコを吸っていない人に比べると、同じ年齢でもずいぶん老けて見えると言われているのです。女性ならば、いつまでもキレイで若々しい肌でいたいものですよね。そういった意味でも、大きなリスクがあると言えます。
口臭は男女問わず嫌なものですが、やはり女性としては、エチケットには気を配りたいものですよね。実年齢より老けて見えたり、歯茎が薄汚れたようになってしまう状態は避けたいものです。いつまでも若々しく、美しくいたいなら、タバコは控えるべきでしょう。
副流煙による健康被害も
タバコには、喫煙者本人が吸い込む「主流煙」と、タバコの先から上がる煙「副流煙」があります。そして、副流煙の方がより大きな健康被害をもたらすと言われているのです。
つまり、タバコを吸っている本人よりも、副流煙を吸ってしまう周りの人の方が害を受けるということですね。これは非常に理不尽ですよね。受動喫煙とは、副流煙を自分の意志と無関係に吸ってしまうことを言います。
喫煙者の周りにいると、否応なしに受動喫煙することになってしまいますから、これは許されざることです。
喫煙女性はモテない?
健康街や美容への影響ももちろんですが、喫煙には他にもリスクがあります。男ウケが悪いのではないか?ということですね。
特に若い内は恋愛も楽しみたい物ですから、男ウケが悪くなるのは大きなリスクです。
髪に匂いが付く
タバコを吸っているとどうしても匂いが髪についてしまいます。タバコを吸わない人やタバコが嫌いな人にとっては、吸っていない時でも漂ってくるタバコの匂いを嫌がるのではないでしょうか。
また、せっかく着飾ってデートに出掛けても、髪や服からタバコの匂いがしてきたら残念ですよね。タバコをたくさん吸えば吸うほど、髪や服に匂いがついてしまうリスクは高くなります。
キスの時匂う
漂ってくる以上に嫌がられるのが、キスをする時にニオうことです。せっかくいい雰囲気になっても、いざキスをしたらタバコの匂うが・・・となると、もう雰囲気はぶち壊しですよね。
女性として気になるのは、喫煙女性に男性が抱く印象ではないでしょうか?
マイナビウーマンの調査によれば、実に30%以上もの男性が、タバコを吸う女性に対してよい印象を持っていないことがわかりました。
付き合えないという声も
喫煙女性に抱く印象には、ストレスがたまってそうというものや、不健康そう、タバコに依存しているというイメージを抱く人がいました。がっかりするという声は30.4%にも上ります。やはり男性よりも女性の喫煙者の方が印象は悪くなるようですね。
喫煙している女性と付き合えるかどうかという質問に対し、付き合えると答えたのは41%に留まったのに対し、付き合えないと答えた人は58%にも上ったのです。多くの男性が女性に喫煙してほしくないと感じていることが分かりますね。
受動喫煙などの心配も
特に、匂いや受動喫煙について気にしている人がいることに注目です。タバコは嗜好品ですから個人の自由とも言えますが、周りにも害を与えるものですから、自分が吸いたいから吸う、とは言い張るのは難しいでしょう。
まして付き合った相手が喫煙していない場合、こうした些細なことで関係が上手くいかなくなることも考えられます。自分さえよければいいと割り切って考えないようにしましょう。
マイナビウーマンの調査結果について詳しく読みたいと言う人は、以下のリンクから確認してみてくださいね。
結婚生活にも影響が
たとえば、奥さんが妊娠した時や、子供が産まれた時に禁煙を迫られることは多いでしょう。特に妊娠中は、子供への影響に母親は敏感になるものです。また、子供が産まれたあとも、タバコを吸う人は1人だけベランダや庭に出されたり、場合によっては子供に嫌がられたりするかも知れません。
旦那さんや奥さん、どちらかがタバコを吸わない場合には、どうしても喫煙者の立場は弱くなります。家族間に壁ができてしまうきっかけにもなりますから、きっちりタバコをやめるか、やめられないのだとしたら、家族に迷惑をかけない心遣いが必要になります。
喫煙女性が気をつけるべき点
これは女性に限らず喫煙者全般に言えますが、喫煙をするにもルールは必要です。タバコはし好品とは言え、きちんと喫煙マナーを守って吸いましょう。
吸わない人のそばでは喫煙を控える
周り中喫煙者ならば気にすることはありませんが、タバコを吸わない人がいる場合には喫煙を控えましょう。
気にしない人もいますが、タバコの匂いが嫌いな人もいますし、受動喫煙のリスクもありますから、自分のそばでは吸ってほしくないと言う人がいるのは確かです。
食事時は避ける
また、レストランや食事中など、食べ物を食べる場面では吸わないというのも大切なマナーです。タバコの匂いで食事をおいしく楽しめなくなる人もいます。
自分は大丈夫だからと決めつけず、嫌な思いをしている人がいることを想像できる心の余裕を持ちましょう。
思いやりの心を持つ
タバコを頻繁に吸うと、匂いが染みついたり歯が黄色くなったりします。見た目にも健康的ではありませんし、匂いが嫌、と言う人もいますから、適度な本数に抑えることが必要です。
また、歩きタバコは危険なのでやめましょう。本人はそれほど意識していなくても、身長の低い子供が近くにいた場合、タバコの火が子供の顔のそばに行ってしまう危険性があります。子供連れの母親にとっても木が木ではありませんし、トラブルになってからでは遅いですから、日頃から思いやりを持って行動することが大切です。
マナーを守る
また、歩きタバコやポイ捨て、受動喫煙など、周りの迷惑を顧みない行為は避けましょう。外出する時には携帯灰皿を忘れないことも大切ですね。喫煙者に対する悪いイメージはマナーの悪さからきてもいます。最低限のマナーは守って喫煙することが大切です。
喫煙は恋愛面でもあまり好まれない傾向にあることが分かりましたが、やはり注目したいのはリスクの多さです。
喫煙するためには
たとえば子供が産まれたり、健康面を考えて喫煙を思い立っても、自分1人でやめることは難しいと言われています。もちろん、タバコを吸い始めてすぐだったり、もともとそれほど吸っていなかったりすれば、すぐにやめられるかも知れません。
しかし、タバコには依存症がありますから、やめられると思っても実際にはなかかなか上手くいかないこともあるのです。では、禁煙法についてご紹介しましょう。
生活パターンを変える
タバコを吸う人は、食後や仕事中の休憩時間など、生活リズムに喫煙が組み込まれています。まずはそれを変えることが必要なのです。
食後にタバコを吸っている人なら、食後にフルーツを食べる習慣を付けたり、いつまでも席にいないで、さっさと立つという習慣を付けましょう。
また、コーヒーやアルコールを避けたり、喫煙のきっかけになるストレスを溜めない努力をしましょう。
環境の改善
喫煙するということは、ライフスタイルが変わるということでもあります。仕事仲間と、喫煙所で雑談したり、タバコ休憩に行ったりする習慣がなくなりますし、飲食店などで喫煙席を選ぶこともなくなるでしょう。タバコをやめることで付き合いが減ることもありますね。
意外にも喫煙行動は、人間関係にもかかわってくるのです。しかし、そういったしがらみを捨ててでも喫煙をする価値はあります。
タバコを吸える環境に身を置いていては、いつまで経っても喫煙できません。周りでおいしそうにタバコを吸っている人を見たら心が揺らいでしまうでしょう。
ですから、タバコやライラーなどの喫煙器具を捨て、喫煙者の輪に入らないようにしたり、喫煙所はもちろん、居酒屋などのタバコを吸えるスポットに近づかないことが重要です。もちろん、タバコやさんや自販機なども遠ざけましょう。
タバコの代わりになるものを見つける
ただ吸いたいのを我慢しているだけでは、辛くてなかなか続きませんよね。水や氷を口に含んだり、歯を磨いたり、ガムを噛んだりと、気を紛らわせることをすることで喫煙成功に向けて頑張りましょう。
効果的な禁煙のやり方
タバコの絶ち方にも、スパッと潔くやめる方法と、徐々に本数を減らしていく方法があります。いきなり絶つのは辛いから、少しずつ減らそう、というのは決して悪いことはではありません。しかし、4か月後、半年後の禁煙率で見ると、すっぱり辞めた方が効果的だと言えます。
「すぐ禁煙.jp」では、イギリスの面白い研究結果を紹介していました。禁煙と同時にスパッとタバコをやめた人は、4か月後も約半数にあたる49%の人が禁煙に成功していました。一方、徐々に本数を減らす方法では、4か月後に禁煙できていた人は39.2%と、10%近い開きがあったのです。
また半年後では、スパッとタバコを断った人では22%、徐々に減らした人では15.5%の人しか禁煙を継続できていないという結果が出たのです。
つまり、効果的に辞めるならスパッと辞めた方がよいですが、半年経つと禁煙成功者の数は半数近くに落ち込むということですね。
禁煙サポートアイテムを活用する
世の中には、禁煙をサポートする薬が存在します。禁煙補助薬といって、「ニコチン製剤」と「ニコチンを含まない薬」の2種類があります。
ニコチン製剤
ニコチン製剤は、口の粘膜や皮膚からニコチンを少しずつ吸収することで、ニコチン切れを示す離脱症状を軽減します。禁煙初期の失敗要因にはニコチン切れによる離脱症状もありますから、これを軽減出来るだけでも大きなサポートになりますよ。
ちなみに、ニコチン製剤にも2種類あり、ニコチンガムとニコチンパッチという貼り薬があります。ニコチンパッチは医師の処方が必要な場合もありますが、薬局で買えるものもありますし、ニコチンガムなら薬局で買えるので手軽に手に入れることができます。
ニコチンを含まない薬
ニコチンを含まない薬には、ニコチン切れの離脱症状を軽減する他、タバコ自体をおいしいと感じにくくしてくれる作用があります。タバコをおいしく感じなくなれば、我慢しなくても禁煙できるので心強い薬ですが、こちらは医師の処方が必要になるので医療機関を受診してください。
喫煙外来を受診する
喫煙者が禁煙するのはなかなか大変ですし、依存症になってしまうと、自分の意志だけでやめることは非常に困難です。そんな人は、禁煙外来を利用する方法もあります。禁煙外来では、自力での禁煙が難しい場合にサポートをしてくれます。
どこか特別な医療機関に行く必要はなく、総合病院や外科、内科、循環器科や心療内科、婦人科など、様々な科で受け付けています。禁煙をしたいけれど上手くいかない、という人は、1度相談してみるとよいでしょう。
成功のカギは理解者を得ること
禁煙は、1人ではなかなか成功しません。周りに流されやすい性格の人ほど、より難しくなるでしょう。ついつい吸ってしまった、ということになりがちです。また、禁煙は意志の強さだけだと思われがちですが、依存症の人は、意志の強さだけではどうにもできません。
喫煙外来は心強い存在ですが、周りに理解者がいなければ、なかなか治療に踏み切ることもできませんよね。まずは自分が禁煙について理解し、よき理解者を得ることが、禁煙成功への足がかりとなるのです。
まとめ
いかがだったでしょうか?タバコが体に悪いということは以前から言われていましたが、美容や子供への影響などを考えると、なかなか手を出しにくいですよね。そうしたこともあり、女性は男性よりも喫煙率が低いのでしょう。
また、恋愛においても、男性は女性の喫煙をよく思わない傾向が強いようです。もちろん、人によってはまったく構わないとか、自分が吸っているからOKという場合もあるでしょうが、タバコで印象が悪くなるのはもったいないですよね。
学生時代に、周りが吸っていたから何となく始めた人や、ストレス解消やダイエット目的で始めた人もいるでしょう。しかし最近では、テレビドラマや映画での喫煙シーンが劇的に少なくなりましたよね。
やはり喫煙には、それだけリスクがあり、広まるのを抑えたいという考えがあるのでしょう。タバコを吸う人は、そうしたリスクや周りに及ぼす影響も考え、配慮の心を忘れずにいたいものですね。