妊娠全期を通して、女性のからだは大きく変化します。体重も増え、乳房は妊娠前より2カップほど大きくなり、腹囲も30センチ前後増加します。
普段は臓器がすっぽり収まっているだけの骨盤は赤ちゃんをしっかり支え、出産の際には広がって赤ちゃんが外に出やすくしてあげます。女性のからだは赤ちゃんをおなかの中で40週にわたり育て、出産できるようによくできているのです。
ここでは、女性の骨盤の作りや出産における変化、出産後のメンテナンスの仕方などをご紹介します。
女性の骨盤のつくりはどうなっているの?
女性の骨盤は男性の骨盤とはつくりが違います。骨盤はいろんな骨が組み合わさり、下半身と上半身とを繋ぐ役割も担う、からだの中心部です。
女性の骨盤は、初潮を迎えたあとに、骨の結合部分が変化し、赤ちゃんが産まれやすいように丸みをおび、空間を作ります。男性の骨盤とは全く違う作りになっているのです。
出産が近くなると、卵巣から「リラキシン」という女性ホルモンが分泌され、赤ちゃんが産道をより通りやすいように骨盤を広げます。
女性の骨盤は「骨」であるのに、伸縮できるようになっているのですね。
出産で骨盤が歪むとどのような変化があるの?
女性の骨盤は、赤ちゃんが産道を通りやすいように、大きく開きます。出産後はママのからだの様々な箇所に負担やダメージがあります。
骨盤が開くことで、骨盤は歪み、左右均等でなくなります。そうすると、骨盤内に収まり、支えられている臓器は下垂します。これにより、腰周り、おなか、下半身のたるみを引き起こします。
また、骨盤が歪んでいるため、姿勢を悪くし、血行不良や代謝不全から頭痛や肌荒れや冷えなど様々な不調を訴える原因になります。
歪んだ骨盤を整える方法はあるの?
骨盤のゆがみは、からだの様々な不調を訴えるだけでなく、下半身のたるみや、姿勢の悪さなどプロポーションにも大きな影響を与えることがわかっています。
出産後のママのからだの変化は、赤ちゃんを産んだ証であり、決しては恥ずかしいものではありません。
しかし、骨盤に関しては、外見的なものだけではなく、からだの内側から変化し、それによる不調の訴えがあるのは喜ばしくないものです。一度、歪んだ骨盤を整えることが出来るのなら、外見的にも、内面的にもメリットが多いのでぜひ、チャレンジしたいものですね。
ここでは歪んだ骨盤を整える方法をご紹介します。
インナーマッスルを鍛えましょう
骨盤の底には「骨盤底筋群」というからだの各箇所を支える筋肉の集まりがあります。
骨盤が歪むと、骨盤底筋群も衰え、歪みがひどくなりプロポーションも崩れてしまいます。骨盤底筋群が衰えると、外見の変化だけでなく、骨盤がゆがみ,頭痛や肩こり、尿漏れなどのからだのトラブルの原因となります。
インナーマッスルを鍛える方法はいろいろありますが、子育て中のママでも少しの時間で、手軽にできるトレーニングの方法をご紹介します。
・片方ずつの手のひらと、膝を床について行うトレーニングです。
- 肩幅で両手・両膝を床につき、四つん這いになります。背中が丸くなったり、沈んだりしないように気をつけましょう。
- そのままの姿勢で左右逆の手のひらと膝を床から離し、ピンと伸ばします。背中をまっすぐ伸ばし、あげた手と足は背中と同じ高さになるように、平行に伸ばします。このとき、おなかにしっかりと力を入れて、体勢がぐらついたりしないようにするのがポイントです。
- そのままの姿勢で4秒キープし、ゆっくり手足を元の場所に戻し四つん這いの姿勢になります。
- 2の時とは反対の手足を、同じように背中と平行になるように上げ、4秒キープします。
これを一日に5セットしましょう。時間が十分にとれない時は、2回にわけて行っても構いません。おやすみ前や、朝起きたとき、お布団の上で行うと、支点となる、手のひらや膝が痛くならず、規則的に継続しやすいと思います。
・立った姿勢で腰をゆっくり回しましょう。
- まっすぐ立ち、足は肩幅にひろげます。
- 骨盤底筋群に意識がいくように、骨盤を支えるように手を腰にあてます。
- ゆっくりと時間をかけて腰を回します。イメージとしては浮き輪の内側をなぞる感じです。
- ゆっくりと右周り5回、左周り5回を3セットしましょう。歯磨きをしながら、TVを見ながらでも簡単にできるトレーニング方法です。
この他にも、手軽にできるトレーニング方法がたくさんあります。
上の写真のように背筋を伸ばし片足でフラフラしないように立つ。仰向けに寝て、両手は下に伸ばし、手のひらを床につけてからだを支え、おしりをお上下に上げ下げする運動など、家事や子育てをしながら簡単にできるものが多くあります。
常に、インナーマッスルを意識しながら動作を行うことが効果的です。
整骨院や整体での骨盤矯正
最近では様々な整骨院や整体で骨盤矯正ができます。
骨盤は産後は柔らかくなっており、矯正しやすいといわれています。しかし、出産でからだへのダメージも大きいため、からだをしっかり休めてからがおすすめです。目安としては産後1か月検診で異常がみられなければ、取り組んでみましょう。
料金は場所によって様々なようです。保険のきく整骨院では、比較的安価で骨盤矯正ができるところもあります。事前に、電話やネットで調べて比較しておくといいですね。
料金がかかることなので、回数を重ねてケアするのは大変ですが、骨盤が柔らかく、整えやすいとされている6ヶ月間は定期的に通いたいものです。
骨盤ベルトを利用しましょう
骨盤を締めるグッズは様々なものが販売されています。
最近では骨盤ベルトが使いやすく、人気があるようです。値段もデザインも素材も様々なので出産前にお気に入りの骨盤ベルトを見つけて、購入しておきましょう。
骨盤ベルトの代わりに、さらしを利用して骨盤を締めても効果があります。
ベルトやさらしで骨盤を締めるのは出産ご1時間も経過すれば利用可能です。体調に異常がなければ、すぐに骨盤を締めることをオススメします。
姿勢を正しくしましょう
常日頃から、姿勢が悪くならないように意識しましょう。
立つ、座る、寝るなどの日常動作も、左右のバランスや、姿勢の崩れを少し意識することで美しい姿勢をキープすることができます。
からだの中心をきゅっと引き伸ばす感じで、立つとき、座るときは足底をしっかり地面につけ、お尻の穴を頭の先にきゅっと引き上げるようなイメージで姿勢をキープしましょう。
左右のどちらかに体重をかけたり、足を組んだりしないように心掛けましょう。
骨盤の歪みを直すメリット
骨盤の歪みが引き起こす、からだの様々な不調や、見た目の変化をセルフケアで改善するには、その原因を直すことが一番ですね。
骨盤をきちんと整えることで、内蔵が正しい位置に戻り、ズレが引き起こすしていた、血行不良や新陳代謝不全からくる、頭痛、肩こりなどの症状を軽減することができます。
また、見た目にも、歪みから内蔵が下垂し、たるんでしまう腰周りや下半身が、骨盤が整うことで下がった臓器を押し上げ、腰周りや下半身をスッキリさせ、ダイエットやとトレーニングの効果が出やすくなります。
まとめ
女性のからだは、妊娠・出産により大きなダメージをうけます。十分、休息できればいいのですが、子育てや家事など、自分自身をゆっくり労わる時間がありません。
赤ちゃんのお世話となると、ついつい自分のことは後回しになってしまいますね。しかし、一日の中で、上手に時間をやりくりし、5分だけでも自分時間を作りましょう。
そうすることで、自分と向き合え、メンタル的なことだけでなく、からだの声も気がつくことができます。
毎日、毎日、家族のために忙しいママですが、少しの時間と、意識の持ち方でセルフケアできれば嬉しいですね。
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