妊婦の牛乳の摂取量の目安は?その他に気をつける成分も紹介!

妊娠中の食生活はお腹の赤ちゃんにそのまま影響を与えるので、いろいろと気を使う方が多いと思います。妊娠前には普通に食べていたものが、実は赤ちゃんにとっては良くないものだった…といったケースもあり得ます。

昔から“妊娠中に牛乳を飲むと産まれてくる子が牛乳アレルギーになる”と言われてきましたが、実際はどうなのでしょうか?ここでは3大アレルゲン(牛乳・卵・大豆)の1つである牛乳との付き合い方を紹介しておりますので、参考にしてみてください。

妊娠中、注意が必要な食品とは?

妊婦お腹モノクロ

厚生労働省のホームページ(「妊産婦のための食生活指針 」「妊娠中と産後の食事について」)にある情報を中心に、妊婦さんが食べるのに注意が必要とされる食品をご紹介したいと思います。

生ハム、ナチュラルチーズ(非加熱)、スモークサーモン

妊娠中は、非妊娠時よりもリステリア菌(食中毒菌)に感染しやすくなります。また、胎盤を通してお腹の赤ちゃんにも感染してしまい、流産や早産・死産となる場合があります。

リステリア菌は、食品を介して感染する食中毒菌で、塩分にも強く、冷蔵庫でも増殖します。リステリア食中毒の主な原因食品は、生ハム、ナチュラルチーズ(加熱殺菌していないもの)、スモークサーモン、肉や魚のパテ、野菜サラダです。

感染を防ぐためには、保存していたものはしっかり加熱し、生の肉や魚を触ったらよく洗い、野菜もよく洗う。調理器具はこまめに洗い清潔にしておくことが大切です。

大型の魚

魚介類は微量の水銀を含んでいます。食物連鎖により大型の魚(クジラ・イルカを含む)は小さい魚よりも多くの水銀を取り込むことになります。

妊婦さんの体に水銀が取り込まれ、ある一定以上になった時にお腹の赤ちゃんに影響を与える可能性があると報告されています。目安よりもとても多く食べ続けた場合に限りますが、例えば音を聞いた場合の反応が 1/1,000 秒以下のレベ ルで遅れるようになるようなもので、あるとしても将来の社会生活に支障があるような 重篤なものではないとされています。

魚介類には良質なたんぱく質やEPA、DHAなど、健康的な食生活を送るために欠かせない優れた栄養素が含まれています。すべての魚に注意が必要なわけではなく、食物連鎖の上位にいる大型の魚が主となりますので、種類や量に注意して上手に取り入れていけると良いですね。詳しくは、妊婦がお寿司を食べる時の注意点を紹介!食べてもいいネタは?を読んでおきましょう。

レバー・うなぎ・ほたるいか(生)

ビタミンAの過剰摂取により先天奇形のリスクが高くなることが報告されており、上限量は1日3,000μgREとされています。

特に妊娠を希望する方や妊娠3か月以内の妊婦さんはレバー(特に鶏肉・豚肉・あんこう・うなぎのレバー)やうなぎの蒲焼・生のほたるいかなどのビタミンAを多く含む食品やビタミンAを含む栄養機能食品・サプリメントなどの継続的な大量摂取を避けることが大切とされています。

アルコールの摂取

アルコールの常用により、知能障害・発育障害を伴う胎児性アルコール症候群になるリスクが高くなるとされています。

特に、1 日に純アルコール(エタノール換算)60ml 以上の摂取(ビールでは中瓶約 2.5 本(1250ml)、清酒では約 2 合(400ml)、ウイスキーではダブル約 2.5 杯(150ml)、ワインではグラス約 4 杯(500ml))で高頻度の発症が認められているようですが、可能であれば禁酒するのが望ましいと思います

授乳中に飲むアルコールについても、母乳によって赤ちゃんへ運ばれますので注意が必要です。

塩分の過剰摂取

塩分を多くとりすぎると胎児の成長阻害や流産、早産を引き起こす妊娠高血圧症候群の原因となります。妊娠中の塩分は一日に10g以下(小さじ2杯程度)とするのが良いとされています。

日本食でよく使う醤油や味噌・顆粒だしなどは塩分が多く含まれますので、意識して控える必要があります。減塩の調味料を使用したり、自然の素材からダシをとったり、お酢やレモンを上手に取り入れ塩分控えめの食事を心がけましょう。また、カリウムを含む野菜や果物・豆類をとって、塩分を体外に排泄しやすくすると良いですね。

その他、生肉や加熱の不十分な肉よるトキソプラズマへの初感染(水頭症や脈絡網膜炎という目の病気を起こす可能性あり)も注意が必要とされています。

妊娠中に牛乳は飲んでも大丈夫なの?

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現在、乳製品の摂取量と赤ちゃんのアレルギー発症との因果関係はないとされていますので、牛乳については安心して飲んでいただいて問題ありません。

牛乳といえば、まずカルシウムが思い浮かびますが、たんぱく質・脂質・炭水化物・ミネラル・ビタミンがバランスよく含まれているので積極的に取り入れていければ良いですね。

ただ、妊婦さん自身や家族・産まれてくる赤ちゃんの兄弟姉妹がアレルギー体質の場合、自己判断せずかかりつけの先生に相談することが必要です!

1日にどのくらい飲んでもいいの?

牛乳200mlの中にはカルシウムが227mg入っております。妊婦さんが必要な1日のカルシウム量は900mgとされているので、200~300mg飲めば、約1/3を摂取することとなります。

多く飲みたい方でも1日400mg程度にしておくのが望ましいかと思います。牛乳はカロリーが高く、太りそう。。。と思っている方も多いと思いますが、牛乳200mlのカロリーは約138kcalです。そのうち乳脂肪は70kcal程度にすぎませんので、普段の生活でもすぐ消費できる程度です。

妊娠中はカルシウム摂取が大切です!

液体ホワイト

厚生労働省が作成した「妊産婦のための食生活指針」に“牛乳・乳製品などの多様な食品を組み合わせてカルシウムを十分に!”とあるよう、妊娠中のカルシウム摂取は大切となります。

カルシウム不足になると、妊婦さん自身の骨や歯に蓄積されたカルシウムを溶かして赤ちゃんに運ばれていきます。そのため骨密度が低くなることにより骨がもろくなり、更年期以降“骨粗しょう症”になる可能性があります。

また、カルシウムが不足するとイライラ・肩こり・腰痛を起こしやすいと言われています。牛乳・乳製品の他にカルシウムを多く含む大豆・大豆製品」「緑黄色野菜」「小魚」「海藻、乾物」も上手に取り入れていけると良いですね。

1日に必要なカルシウムの量は?

非妊娠時の推奨量600mgに対し、1.5倍の900mgを摂るのが良いとされています。ただし、過剰摂取上限の2300mgを超えてしまわないよう注意しましょう。

カルシウムの摂取が過剰になった場合には、皮膚のかゆみや吐き気、便秘などを引き起こす「高カルシウム血症」や鉄・亜鉛・マグネシウムといったミネラルの吸収阻害を引き起こすことが考えられます。

まとめ

ヨーグルト

食生活で大切なことは「バランス」です!バランスよく様々な種類の食品をまんべんなく食べることが大切です。心配し過ぎたために偏った食生活を送ってしまうことの方が良くない結果を招くこともあります。牛乳を含む乳製品には妊婦中に欠かせないカルシウムの他、ビタミンA(目の健康維持や皮膚・粘膜の免疫力の向上)やビタミンB2(脂質の代謝・老化防止)をはじめ多くのビタミンやミネラル(体の機能を調整する栄養素)が含まれますので上手に取り入れていけると良いですね。

また、インターネットや本・噂などで様々な情報を受けるなか、不安や心配が増えたり、神経質になりすぎてストレスになってしまっては良くありません。情報やアドバイスは参考程度に受け止め、心にゆとりを持って妊娠中の生活や毎日の食事を楽しむことが妊婦さんやお腹の赤ちゃんの健康にもつながるのではないでしょうか!

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