中絶の後遺症は?精神的負担と身体的負担について

母体を守るためや、やむを得ない事情や望まない妊娠などで、人工中絶を行う場合があります。身体はもちろんですが、精神的にもダメージを負う人も多いです。中絶方法や、手術後どのような後遺症があるのかご説明しましょう。

人工中絶について

手術

まず人工中絶とはどのように行うのかご説明しましょう。

中絶とは赤ちゃんがまだ小さい時期に人工的に流産をさせる方法です。日本では法律で中絶手術を受けられる時期が決まっています。

妊娠6週までは子宮口が固いので行いにくい為、また10週以降は赤ちゃんが大きくなってしまう為、ママの身体へのリスクが大きいです。やむを得ない事情としても中絶手術を行うのならば、決断は早くしましょう。

妊娠初期

妊娠初期に行う方法は機器で子宮口を開き、麻酔で処置した後に胎児と胎盤などを器具で掻き出す手段と、吸引器で吸い出す手段があります。胎児の大きさによってお医者さまが判断されます。基本的に日帰り手術です。

妊娠中期に行う中絶手術はママの身体にも大きな負担となりますので、できるかぎり避けたい時期です。しかし、やむを得ない事情もありますので、そうなった場合はお医者さまと相談し慎重に進めてください。

妊娠中期

中期に行う方法は胎児も大きくなってきているため、初期のような方法はできません。分娩に近い手段になります。診察後に検査等を受けてから手術日が決まります。手術の1~2日前から細い棒を子宮口にいれて、人工的に広げ、当日に誘発剤などを投与して陣痛をおこし、流産させる方法です。2~3日入院することになりますが、病院によって違いますので、確認しておきましょう。

尚、無痛中絶手術という入院が不要な手術を行っている病院もあります。

妊娠後期

12週以降になると「人工死産」という死産届を、役所に提出しないといけません。埋葬許可→火葬→霊園という、一般的に亡くなった人と同じような手続きが必要となります。(戸籍には表記されません)

このような段階がありますので、判断が遅れたり、お医者さまを探したり、いろんな事情で話合いに時間をとられたりもしますので、生理が遅れていると思ったらすぐに受診しましょう。妊娠初期・中期ともに中絶同意書が必要です。

また、22週を超えてしまうと中絶は出来なくなりますので、出産をするということになります。

中絶の後遺症は?

器具

では、どういった後遺症が起きうるかを紹介します。

身体的な後遺症

身体への後遺症といっても軽いものから重いものがあります。体内に宿った生命を人口的に処置するのですから、何もないということはありません。どういった症状があるのかご説明しましょう。

軽いといわれる症状では

・じんじんした慢性腹痛

・微熱が続くこと、吐き気、微量の出血

などがあります。数日~1週間ほどで落ち着きますが、その間は激しい運動などはせず、ゆっくりできる環境を整えましょう。出血がだらだらと続いたり、微熱がおさまらないならお医者さまへ相談しましょう。

中期以降の中絶手術では

・子宮に傷がつく

・多量の出血や薬による影響

・感染症

などが重い症状としてあげられています。

もちろん頻繁にあるわけではないですが、通常ならば10か月かけて自然に、身体が出産の準備をして慣れていくものを、中期以降の中絶手術では強制的に子宮口を開いて行うため、身体にも激しい痛み、出血を伴うことを認識しましょう。

精神的な後遺症

よく耳にするとおもいますが、PTSDという「心的外傷後ストレス障害」という症状があります。とても大きなショックな出来事があり、それが元で精神的な負担でさまざまな障害を起こすことをいいます。そういう症状は中絶後にもあります。

たとえば、生きていることへの無力感、感情をコントロール出来なくなったり、攻撃的になったり、悪夢にうなされたり、逆に不眠などの症状があります。

中絶をされた女性は自分自身を責めたり、負い目を感じたりと深く心に傷を負い気分がふさぎがちになります。そういう状態が長く続きとうつ病を発症したりもします。気分が落ち込んだり、食欲不振や、明日にむかう気力なども失って辛い日を送ることになります。

精神的な不安を多く抱えることで、パニック障害を引き起こす例も報告されています。急に起こる動機や、めまい、ふるえや死んでしまいそうな不安感など、辛い思いをされている人も多くおられます。

体内の処置をするわけですから、見た目にはわかりません。わからないので身内であっても労わってくれない時もあるかもしれません。体調が悪いときや、精神的に辛いときも、自分だけで思いを抱え込まずに、親しい人に伝えることで、気持ちだけでも楽になることもあります。

後遺症への対処方法は?

ラベンダー

手術後、下腹部が痛みますがそれは子宮が元に戻ろうとしているのです。出血を止める為などで、子宮収縮剤が投与され子宮の動きが急激になります。その為、うずくような痛みが続きます。手術が上手くいかなかったのでは?と心配になるかと思いますが、リラックスできる状態で休むようにしましょう。眠れないほど症状がひどい時は手術をした病院で相談し、受診するとお薬を処方してもらえるでしょう。

手術で出血をしたため、貧血気味でめまいがするという症状もよくあります。安静にして鉄分などがふくまれる食物と新鮮なフルーツをとり、血液をつくりだすために必要な栄養をとりましょう。

中絶手術後に気をつけたい重要な事に感染症があります。子宮内が傷ついていますので、細菌感染しやすくなっています。ナプキンをこまめに変えたり、トイレの後など洗浄綿で消毒するようにしましょう。

手術後1週間くらいは入浴は控えましょう。シャワーはかまいませんが子宮内が落ち着いたと判断できる頃(出血が止まった頃)までは我慢しましょう。自分で判断せずお医者さまに確認しましょう。不妊症や、子宮外妊娠の原因のひとつは中絶手術後の感染症といわれています。あくまでも原因のひとつですが、手術後もきちんとお医者さまの指示にしたがいましょう。

大きなストレスに悩んでいる人には、良いと思われる方法でも一気に勧めるのは負担になりますので、少しづつ軽減していくようにしましょう。リラックスできる時間を多くとったり、気分転換に出かけたりもいいでしょう。時間はかかりますが、少しづつで構いません。自身で安らげるよう心を休めるようにしていきましょう。

そして信頼できる人に話すなどして、辛い思いを心に貯めないようにすると気持ちが楽になっていくでしょう。もし思いを話す相手がいない場合は、心理カウンセラーなどに伝えてみるのもいいでしょう。

そうならない為に気をつけること

避妊の方法で、アフターピルというものもあります。性行為後72時間以内に服用しないといけないのですが、避妊効果が期待できる薬です。しかし婦人科で受診後でなければ入手できません。自費での取り扱いになるので、金額は1~2万円弱くらいです。

妊娠はある程度は自身でコントロールができるものです。妊娠を望まないならば、日ごろから避妊の意識を持ってパートナーにも伝えておきましょう。

女性だけの問題のように考えがちですが、ともに生活していくなら男性にも同じように考えてほしいものです。中絶手術のリスクなど分かってもらえるように、お話できたらいいですね。

まとめ

妊娠中絶手術は遅くなればなるほど、母体の危険度が増してしまいます。やむを得ず決断したのならば、早くお医者さまを受信し、相談しましょう。

そして手術を行うことになったら、お医者さまの指示に従い、無理のないように過ごしましょう。そして、辛い思いをすることが無いように、日ごろからパートナーと話し合っておきましょう。

  
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