筋違いの治し方は?すぐ出来る対処方法を知ろう!症状や原因、他の炎症との違いは?

朝起きたら、首が廻らない。ちょっと動かしただけで、飛び上がるほど痛い!振り向いたとたん、クシャミしたとたん、あくびが出たとたん、首に激痛が走る!

これは、全部「首の筋違い」です。起きた時に首が張って、動かせないのは「寝違え」と言いますが、筋違いも寝違えも、首に炎症が生じている状態に違いはありません。

「たかが筋違い」ですが、とても不愉快な痛みです。グキッと激痛が走るので、思うように動けません。日常生活にも支障が出ますよね。自動車の運転や自転車の走行が不自由になり、思わぬ事故を起こすことがあります。

しかも、筋違いが起きるのは、首だけではありません。背中や腰でも起こります。時には足にも起こります。

「たかが筋違い、されど筋違い」です。軽く見ていると、面倒なことになることがあります。筋違いの原因と対処法、予防法について、お伝えしますね。

筋違いは、突然起こる

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筋違いは、ある日突然、だれにでも起こります。呼ばれて振り向いたとたんにグキッ、クシャミをしただけでピキッ、うがいの水を吐き出したとたんにアイテテテテ・・・という具合です。

朝、起きた時に首から肩・背中にかけて張ったような感じがあり、首を自由に動かせないことがあります。無理に動かすと、激痛が走ります。これを寝違えといいます。「昨夜寝る時までは何でもなかったのに、朝になったら寝違えていた」ということが多いようです。

[筋違いとは・・・]

筋違いは、「筋挫傷」といいます。筋肉と骨をつなぐ腱(けん)が、外部から圧力や衝撃を受けたり、無理に延ばされたりして、炎症を起こした状態です。炎症が起きるので、鈍痛や激痛、腫れが生じます。ひどい時は、組織に断裂が生じることもあります。

寝違えは「突発頚項痛(けいこうつう)」といいます。眠っている間に無理な姿勢を取ったり、不自然な動かし方をしたりすると、首や肩の筋肉や関節に負担がかかりすぎて、筋違いを起こします。

睡眠中に起きる筋違いを「寝違え」、昼間起きる場合は単に「筋違い」と言います。しかし、外部から無理な圧力や衝撃を受けたために頚部に炎症が起きることに違いはないのです。

[筋違いの症状]

筋違いも寝違いも、同じ頚部の炎症ですから、基本的には症状も同じです。

朝起きた時に、首が強張って動かしにくくなります。急に横を向いたり、振り向いたりすると、激痛が走ります。注意して首を動かさないようにしても鈍痛があります。首をゆっくり動かすようにすると、痛みが少ないのですが、大きく動かすと痛みが強くなります。そのため、横や後ろを見る時は、上体ごと動かすようになります。上を向くのが辛くなります。

寝違えを起こすと、腰や大腿部にも痛みが生じることがあります。

筋違いは、首だけでなく腰や背中ににも起こります。急に前屈みになったり、上体をひねったりした時に、腰や背中に激痛が起きて動けなくなることがあります。

足に筋違いが起きる場合もあります。運動不足の人が急に運動した時に、太腿やふくらはぎに起こりやすいようです。

[筋違いと紛らわしい症状]

筋違いと紛らわしい症状の病気があります。

➀ギックリ背中とギックリ腰

「ギックリ背中」「ギックリ腰」は、背中や腰の筋違いと症状がよく似ています。

ギックリ背中は背中の筋肉の筋線維や筋膜に微細な断裂が生じたため、激痛が発します。ギックリ腰は椎間板ヘルニアや腰椎捻挫によって激痛が起こります。

ギックリ背中もギックリ腰も、筋違いと同じように、日が経つにつれて痛みが薄らぎます。再発しやすいこともよく似ています。

②むち打ち症

むち打ち症は、頚部に過度な衝撃が加わり、可動範囲を超えて首が動いたために、筋肉と骨に損傷や断裂が起きた状態です。「頚部捻挫」「頚部挫傷」「外傷性頚部症候群」と言います。

頚部の痛みにともなって、頭痛や吐き気、めまい、全身の倦怠感が生じます。医師による治療が必要です。

③肉離れ

急に運動すると、筋肉が強力に収縮し、筋線維や筋膜に部分的な断裂が生じます。これを「肉離れ」といいます。筋違いと同様に、太腿やふくらはぎに起きます。

普通、足を動かすことはできますが、疼痛が激しいと動かせなくなります。重症になると、血腫ができることもあります。医師による治療が必要です。

④くも膜下出血

首や肩、背中が痛むだけでなく、頭痛がすることがあります。頭痛や吐き気がある時は要注意です。くも膜下出血の可能性があります。頭痛をともなう筋違いや寝違えは、すぐに医師に相談することをオススメします。

くも膜下出血については、くも膜下出血の前兆をチェック!頭痛に要注意?を参考にしてください!

筋違いの原因

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筋違いの原因は、急に無理な動きをしたり、枕が合わなかったりするだけではありません。

1, 長時間、同じ姿勢でいる

自分では普通に動いたつもりでも、首や肩、背中に過度な負担がかかることがあります。

常に同じ姿勢をしていると、一定の筋肉しか使わなくなります。同じ筋肉ばかり使うので、疲労が溜まりやすくなります。全身の筋肉のバランスが悪くなり、常に首に負担がかかるようになります。そのため、ちょっと急に動いたりすると、首に過度な負担がかかってしまうのです。一日中座ってパソコンなどいじっている人は、寝違えや筋違いを起こしやすくなります。

また、長時間、同じ姿勢でいると、血行が悪くなり、首の筋肉が縮んで強張ってしまい、筋違いを起こしやすくなります。

2, 過労と睡眠不足により内臓が疲労する

過労や睡眠不足が続くと、内臓も疲労してしまいます。特に肝臓が疲労して弱ると、肩や背中の筋肉が強張り、身体を動かすと、首に負担がかかるようになります。筋違いが起きやすくなります。

睡眠中に寝返りをうつこともスムーズにできなくなり、寝違えてしまいます。

3, 睡眠中に無理な姿勢を続ける

睡眠中に、無理な姿勢をすると、腋下神経(腋の下にある神経)が圧迫され、血行が悪くなります。腋下神経は首につながっています。そのため、腋下神経が血行不良で痺れたりすると、首に痛みが出るのです。

睡眠中に無理な姿勢をとる原因は、1つは枕が合わないことです。枕が合わないと、寝ている首の傾斜が無理な姿勢をとらせてしまうのです。もう1つは、過剰なアルコール摂取です。ベロベロに酔っていると、不自然な姿勢でねてしまうことが、よくあります。

4, ストレスを溜める

ストレスが溜まると、常に緊張状態になります。自律神経系が乱れ、交感神経(緊張・興奮)と副交感神経(緩和・安静)の交替がスムーズにいきません。神経が興奮し、血流が悪くなります。首・肩・背中の筋肉が緊張して強張ります。寝ている時も歯ぎしりなどして、顎や首に負担をかけ続けます。そのため、ちょっとした動きで、筋違いが起きやすくなります。

首だけでなく、背中・腰・足にも、筋違いが起きるようになります。

5, 身体を冷やして、血行を悪くする

身体が冷えていると、血行が悪くなります。血液の流れが悪いと、酸素や栄養分が身体のあちこちに十分行き渡らなくなり、いろいろな障害を生じます。首から肩・背中にかけての筋肉が緊張して強張り、急に動くと負担が大きくなって、首に筋違いが起こります。背中・腰・足にも筋違いが起きやすくなります。

冷房のかけすぎ、冷たい飲み物の取りすぎなどは、身体を冷やします。

6, 運動不足

運動不足になると、筋肉が強張り、血行が滞ります。このような状態で急に動くと、筋肉と皮膚が引っ張られて、筋違いが起こりやすくなります。特に、背中や腰が筋違いしやすくなります。「久しぶりにゴルフに行ったら、背中がピキッと痛くなった」など、よくありますよね。

7, 食生活が乱れ、内臓が疲労している

食事が不規則だったり、無理なダイエットをしたり、栄養バランスが悪かったりすると、内臓疲労が起こります。喫煙や大量の飲酒も内臓の負担を大きくします。特にアルコール類の飲み過ぎは、肝臓を疲労させます。

内臓が疲労すると、首から肩・背中の筋肉が緊張して強張り、ちょっとした動作で筋違いが起こります。

筋違いの対処方法と予防方法

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筋違いは、たいていの場合、時間が経つにつれて痛みが和らぎ、少しずつ首や背中なども動くようになります。自然に治ってしまうことが多いのです。

ですから、筋違いが起きても、慌てて医者に診てもらう必要はありません。でも、少しでも早く治したい時は、きちんと対処することをオススメします。

筋違いは、首や背中に炎症が生じている状態ですから、治療法は「冷やす」ことが基本になります。腰痛などは「温めると良い」と言われるので、筋違いが起きた時も、温めることがありますが、NGです。筋違いが起きた時に温めると、炎症が広がって悪化します。

筋違いは再発しやすく、何度も繰り返すことがよくあります。ただし、頻繁に筋違いが起きる場合は、内臓疾患の可能性があるので、医師に相談することをオススメします。

[筋違いが起きた直後は・・・]

➀ アイシング

筋違いが起きて、ちょっと動いただけでも激しい痛みがある時は、とにかく炎症を抑えます。氷(アイスパック)やアイスノン、冷水などで、首や背中、筋違いの起きた部分を冷やし続けます。冷やすことで炎症の広がりを防ぎ、炎症を鎮めます。

市販の湿布薬は、氷やアイスノンほど冷やす力が強くありません。でも、鎮痛剤が入っているので、激痛を和らげるには役に立ちます。

② マッサージはNG

マッサージは血行を良くするので、炎症を悪化させたり、広げたりします。寝違えた時など、つい首を揉みたくなりますが、かえって痛みが激しくなります。背中や腰の筋違いが起きた時も、マッサージは厳禁です。

血行を良くしてはいけないので、筋違いを起こした部分を温めることも、この段階ではNGです。温めるのは、炎症が収まり、痛みが薄らいでからです。

③ 鎮痛剤を服用する

炎症が強くなると、プロスタグランジン(PG)という成分が生じます。プロスタグランジンは痛みを増強するので、いっそう痛くなります。非ステロイド性鎮痛剤を服用すると、PGの生成を抑えることができます。

筋違いした部位には炎症が起きていますから、早めに非ステロイド性鎮痛剤を服用すると、PGの生成を抑えて、痛みが強くなるのを防ぐことができます。アイシングでも効き目がない時、試すことをオススメします。

[筋違いの痛みが少し和らいだら・・・]

➀ 軽いストレッチをして、血行を良くする

炎症がある時に血行を良くすると、炎症が拡大・悪化しますから、NGです。できるだけ安静にすることが大事です。

アイシングして炎症が収まり、痛みが薄れたら、少しずつ強張っている筋肉をほぐすようにします。

首の筋違い・寝違えの場合は、首を上下に向けたり、左右に曲げたりします。それから、左右に廻すようにします。首を動かす時は、ゆっくりと行い、痛みが強くなったら、無理せずにやめます。

寝違えの場合は腋下神経の血行が滞っているので、腕のストレッチをして血の流れを良くします。腕を後ろに引き上げたり、後ろに廻したりします。痛みが強い時は、中止します。

背中や腰の筋違いの場合は、軽く上体を動かし、旋回するようにします。屈伸運動は、筋肉と皮膚が伸びるので、痛みが出ることがあります。痛みが強ければ、無理せずにやめます。

② 温湿布に切り替える

アイシングして炎症が収まったら、温湿布に切り替えて、血行を良くするようにします。温湿布でも、ホットタオルでも、ホカロンでも、かまいません。

首の筋違いの場合も、首だけでなく、肩から背中にかけても温めるようにします。

冷やしてから温めると、血行がさらに良くなります。血行を良くすると、筋肉の強張りがほぐれやすくなります。

[筋違いを予防するには・・・]

➀ 長時間、同じ姿勢を続けないようにする

パソコンやスマホを使用する時は、長時間、同じ姿勢で使い続けないようにします。

パソコン作業は休憩をはさむようにして、休憩時には軽いストレッチをしてください。首を曲げたり、廻したり、腕を廻したり、肩甲骨を動かしたりすると、効果的です。

スマホに熱中すると、「ストレートネック」になります。ストレートネックは、筋違いや寝違えを起こしやすくなります。時々、スマホを置いて、ストレッチすることをオススメします。

ストレートネックとは、首が真っすぐに歪んでいる状態です。正常な首は、頚椎の前湾角度が30~40度ですが、ストレートネックでは、頚椎の前湾角度が30度以下になります。

② 身体を冷やさないようにして、血行を良くする

特に首・肩・背中を冷やさないようにします。暑い時でもシャワーを浴びるだけにせず、ぬるめのお湯に入るようにします。寝る前に、ぬるめのお風呂にゆっくり入ると、筋肉がほぐれて、寝違えを防ぐことができます。ストレス解消にもなります。

③ 過労・睡眠不足・ストレス過多にならないようにする

過労・睡眠不足は、内臓疲労を招き、首や背中の筋肉が強張ります。また、ストレス過多は自律神経を失調させるので、筋肉が緊張して強張ります。

休憩と休日は定期的にとるようにしてください。良質な睡眠をたっぷりとるようにします。

良質な睡眠を十分とるためには、自分に合った枕をすることが大事です。枕が合わないと無理な姿勢で眠ることになり、寝違えを起こしやすくなります。

ストレス解消は難しいことですが、カラオケなどで大声を出したり、おいしい物を食べたりして、できるだけ軽減するようにしてください。

④ 日頃からストレッチなどして、運動不足を解消する

運動不足になると、筋肉が強張ってしまい、筋違いを起こしやすくなります。日常的に、軽いストレッチをして、筋肉をほぐすようにします。また、運動不足になると、血行も悪くなり、身体が冷えてしまいます。毎日、通勤・通学時に1駅分歩くようにしたり、早朝にスロージョギングをしたりすると、血行が良くなりますよ。

⑤ バランスの良い食事を規則正しくとる

バランスの良い食事を規則正しくとることで、内臓疲労を防ぐことができます。また、タバコやアルコール類の摂取を控えるようにして、肝臓が疲れないようにしてください。

まとめ 筋違いは身体のSOSかもしれません

筋違いや寝違えは、だれにでも突然起こります。激痛が走るので、身体が自由に動かせません。でも、しばらく我慢すると、痛みも収まり、筋肉もほぐれてきます。自然に治ってしまうので、「たかが筋違い」と軽く見ることが多いようです。

でも、筋違いは、再発しやすく、何回もくり返し起きることがあります。それは、筋違いの原因が日常の生活習慣にあるからです。長時間同じ姿勢を続けて、筋肉に過度な負担をかけたり、睡眠不足や過労、ストレス過多などで内臓や自律神経系の働きを乱したりすると、筋違いが起きやすくなります。

筋違いを起こすことで、身体はSOSを発しているのです。痛みは、身体の悲鳴です。痛みがあると、私達は安静にして痛みが収まるのを待ちます。痛みのおかげで、無理をしないですむのです。筋違いが起きたら、「あれ?何か身体が無理をしているのかな?」と考えてください。

筋違いが起きたら、とにかく冷やして安静にすることです。痛みが少し収まったら、軽くストレッチをしたり、温めたりして血行を良くします。

筋違いは再発しやすいので、生活習慣を見直して、再発を防ぎます。注意しているのに、筋違いがくり返し起きる時は、何か内臓に問題があるのかもしれません。頻繁に筋違いが起きるようならば、お医者さんに相談することをオススメします。

  
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