口の中のできものの原因とは?痛くないのはどんな病気?

口の中にできものができた事は、誰でも一度はあるのではないかと思います。とにかく痛くて食べるのもつらいといった口内炎は良く見られるものですが、実は痛みも特にないような口内炎が大きな病気のサインである事もあるので注意が必要です。

中には人に感染する恐れがあるものもあるので、あやしいと思う症状があったらすぐに病院にかかりましょう。

口の中に何があるか

口

口は大きく分けると消化管の入口であり、歯と口腔粘膜と呼ばれる粘膜で覆われています。口の天井部分にあたる硬口蓋の前方部分は硬くなっており、後ろはややすべすべしたやわらかい組織になっています。

さらに、口の中に広がっている粘膜はピンク色をしているのが健康な状態です。湿っているのが良い状態ですが、加齢により唾液の分泌量は減少するので、乾きやすくなっていきます。口の中は雑菌も多いため、特に乾燥がひどいと不潔な状態になりやすくなってしまいます。

口の中にできものができる原因

口女性

口の中のできものは口内炎である場合が非常に多いと言われています。ただ、口内炎だから軽く見てもよいという訳ではないので注意しましょう。

口内炎

アフタ性口内炎

5mm程度の灰白色斑(白っぽい点)ができ、口内炎の境界がはっきりわかるのが特徴です。口を噛んでしまった場合や疲れた時にできるのはこのアフタ口内炎で、口内炎患者の中で最も多い症状です。炎症を起こしていますが、2週間程度で完治します。うがい薬などを使うと痛みが和らぎ早く治ります。

アレルギー性口内炎

アレルギー物質を食べた時に口の中の粘膜に触れて炎症が起こるケースです。果物や野菜、そばなどの食物や、歯の治療に用いられる金属、抗生剤や鎮痛剤などの薬品が原因となるバイアがあります。花粉症と似たような他症状が出る事があります。

口の中にただれや白い口内炎、水ぶくれができる症状で、アレルゲンが触れた所全体に症状が出るため広範囲にわたる事が多くなります。

ウイルス性口内炎

ヘルペスウイルスに感染して起こる口内炎です。子供に多い症状ですが、大人にも感染します。口内炎だけでなく、全身に発熱や倦怠感などの症状が出ます。飲み食いがしづらくなり、話す事も困難になってしまう程重症化する場合があります。

基本的に入院治療が最も良い方法で、点滴による栄養補給を行いながら炎症を抑え、抗ウイルス薬による治療を行います。

カタル性口内炎

刺激によって起こる口内炎です。粘膜が炎症を起こして赤く腫れ、口の中に熱さを感じる事があります。さらに味覚が鈍ったり食欲が低下する事もあるので、早めに治療が必要です。

基本的に物理的刺激が原因なので、原因となっている刺激を取り除く必要があります。痛みはいわゆる口内炎の痛みという程ひどくありません。

カンジダ性口内炎

カンジダというカビの一種が口の中で増殖して発症します。白っぽい苔状のできものが口全体にできるのが特徴です。白い部分が剥がれると炎症を起こし、出血を伴います。カンジダ菌は口内の常在菌なので普段は発症しませんが、体が弱っている状態や糖尿病の患者さんの場合発症しやすくなります。また、入れ歯が不潔でカビが発生して起こる場合もあります。

抗真菌剤により治療が行われますが、糖尿病などの基礎疾患のある方の場合そちらを先に治療する必要があります。

ニコチン性口内炎

喫煙による口内炎には、白い潰瘍ができるタイプと小唾液腺が赤く腫れるタイプの2種類があります。自覚症状はあまりない場合が多いものの、炎症部分が痛んだり食事がしにくくなる事があります。

喫煙の際に出る煙は、非常に高温で乾燥しているため口の中が乾燥し、口内炎が出来やすくなります。また、乾燥して弱った粘膜に有害物質が触れる事で症状が重くなります。禁煙する事が一番の治療法です。

口内炎の原因

疲れ・ストレス

疲れがたまっている場合やストレスが溜まった状態だと、口の中の細菌(常在菌)のバランスが崩れ、口内炎ができやすくなります。

乾燥

粘膜は普段湿潤環境にあるため、乾燥すると機能が弱ってしまいます。また、外からの刺激がダイレクトに伝わりやすくなるので粘膜が傷つきやすくなり、口内炎の原因となります。

不潔

口の中に雑菌が多いと刺激となり炎症を起こしやすくなります。口の中は清潔を心がけるようにしましょう。また、虫歯は口の中に細菌がいる状態を保つ事になってしまうので早めに治療するようにしましょう。虫歯が欠けてしまうと大きな刺激となり、舌の癌の原因になる場合もあります。

金属アレルギー

前述の通り虫歯は早く治療する必要がありますが、金属アレルギーの方の場合詰めた金属がアレルギー性口内炎を引き起こす場合があります。金属アレルギーが心配な亜愛はセラミックの詰め物にした方がよいでしょう。

喫煙

喫煙により体内のビタミンを使ってしまうため、ビタミン不足を引き起こし口内炎が出来やすくなります。また、ニコチン性口内炎の項で述べた通り、煙そのものがダメージを与えるため注意しましょう。

血豆

明らかに血が溜まったような色のできものは、血豆の可能性が高いと言えます。

ストレスにより口の中を噛んでいる、歯並びや歯の治療により口の中に引っかかるなどの物理的な刺激や、胃腸が悪くビタミンの吸収が悪い等の原因が考えられます。また、口内炎に細菌が入る事で炎症が強くなり、血豆に発展するパターンもあります。

血豆については、口の中に血豆が出来る5つの原因とは?病気の可能性についてを読んでおきましょう。

病気による血豆

・再生不良性貧血

血液中に存在する赤血球、白血球、血小板などすべての成分が減少する病気です。非常に出血しやすくなるため、口の中に覚えのない血豆が出来る事があります。

・突発性血小板減少性紫斑症

免疫の異常が起こり血小板が減少する病気です。再生不良性貧血と同様に出血しやすくなるので、ちょっとした事で血豆ができやすくなります。

・血腫

血腫は、出血の結果一カ所に血液が溜まり、こぶになったものを指します。悪性の血腫の場合、がん細胞の根源になるので切除します。見た目で良性か悪性を判断するのは難しいので、原因不明の血豆は一度病院で見てもらった方が良いでしょう。

粘液嚢胞

口の粘膜の下には、唾液を分泌する小唾液腺があります。小唾液腺からの唾液分泌がうまくいかなくなると、腺から唾液が出て行かずに口の周辺組織の中に唾液が溜まり、袋場になってしまいます。

血豆のように見えますが、中に唾液が溜まっているので見た目には水ぶくれのように見えます。痛みはありませんが、繰り返しできるものなので、嚢法と原因となっている唾液腺を手術やレーザーで取り除く必要があります。

その他の原因によるできもの

口内炎の内、他の病気がもともとの原因となっているものなどもあります。

乳頭腫

良性の腫瘍で、皮膚や粘膜の表面が盛り上がって白いぼこぼこしたできものができます。痛みや赤みなどはありませんが、まれにがん化する事があるので切除を受ける事をすすめられる事もあります。

一パピローマウイルスとの関連が指摘されており、ウイルスを原因とする場合は感染の恐れがあるので医師の診断をあおいでください。

ベーチェット病

患者さんが非常に多いアフタ性口内炎の中で、ベーチェット病を原因としている場合があります。

ベーチェット病は慢性再発性の全身疾患で、難病に指定されています。

フィステル

歯茎にできものがある場合、口内炎ではなく歯茎の病気の可能性があります。フィステルは歯の根っこに膿みが溜まり、膿みの出口ができもののように見える症状の事を指します。

痛みはありませんが、放置すると歯の神経に悪影響があり、膿みが体を巡ると心臓にもよくないので、歯科で適切な治療を受ける必要があります。

骨隆起

歯茎にできものがあり、触ってもぶよぶよした感覚がない場合、骨の塊である可能性があります。歯ぎしりをする方に多いものです。

基本的に痛みはありませんが、歯茎が薄くなっているので強く触ると痛みを感じます。放置しても問題はありませんが、入れ歯の場合には骨と入れ歯がぶつかってしまうんので削る事があります。

唾石症

唾液腺に結石が出来る喉の病気です。唾液の排出管に入り込んだ異物や細菌にカルシウムが沈着して石になります。つばを飲み込む時に痛みやつっぱった感じが症状として現れます。

口腔がん

口の中にできる癌で、盛り上がったような塊やしこりを伴う潰瘍(えぐれているような症状)が特徴的です。白っぽいという点はアフタ性口内炎と似ていますが、癌の場合痛みがありません。

口内炎と間違えて見逃されてしまう事は良くあるので、注意したい病気です。首のリンパの腫れがある場合や、いつまでたっても治らない口内炎がある場合は医療機関を受診してください。

口の中のできものの予防

ハブラシ

口内炎は生活習慣の改善により予防できます。

生活習慣

口内炎の予防のためには、口の中を常に清潔に保つ事が大切です。また、粘膜は硬いものなどで傷つきやすいの注意しましょう。粘膜の健康を保つ為には、以下のような食材が効果的です。

食材

ビタミンA

肉類やチーズに多く含まれます。皮膚や粘膜の正常保持や資格の正常化などに役立ちます。脂溶性ビタミンなので、油と一緒に摂取する事で効率よく体内に取り込む事ができます。

βカロチン

体内でビタミンAに変換される栄養素で、ビタミンAとしての役割に加え活性酸素を押さえて動脈硬化や心筋梗塞を予防します。かぼちゃやにんじんなどの緑黄色野菜に含まれる栄養素です。

ビタミンB群

糖質をエネルギーに変換するビタミンです。蛋白質からのエネルギー生成に大きく関わり、不足すると口内炎が出来やすくなります。レバーやうなぎ、バナナ、牛乳、たまご、ピーナッツなどを摂取するとよいでしょう。

また、これらの栄養素を効率よく吸収する為には胃腸の健康を保つ事も大切です。

まとめ

生活習慣やストレス、喫煙など、普段の生活の中に口内炎のリスクは非常にたくさんあるといえるでしょう。また、ビタミン不足も大きな理由なので、ビタミンを積極的にとり粘膜を丈夫に保つように心がけましょう。

口の中を清潔に保つ事はどの口内炎に対しても予防になりますが、それでも口の中は完全にきれいとはいえないので、血豆やできものを見つけても決してつぶさないよう気をつけて下さい。

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