白斑が母乳を与えている時期に!原因や対処方法は?

母乳育児をしているお母さんたちは、おっぱいにトラブルを生じる方が多く、白斑もトラブルのうちの一つです。

白斑は、乳首にできる白いおできのようなもので、放っておくと大きくなり、乳腺炎になってしまうこともあります。乳腺炎が悪化して細菌に感染してしまうと、全身に症状が現れ、命に関わる病気を発症することもあるのです。

白斑の正体と原因は一体何なのでしょうか。また、白斑ができたとき、どのように対処すればよいのでしょう。

白斑は乳栓が詰まってできる

乳房

産後のお母さんの乳房には、たくさんの乳腺が張りめぐされており、乳頭(乳首)の出口につながっています。母乳が固まった「乳栓」が出口付近で詰まってしまうと、白い粒があるように見えます。これが白斑です。

出来たばかりでは小さいですが、放っておくとどんどん白い粒が大きくなることもあります。乳腺の一部を塞いでいるだけだった乳栓がしだいに大きくなり、完全に乳栓を詰まらせてしまうのです。

乳頭に白斑ができる原因は?

白斑

白斑のできやすさは、体質的な問題と生活習慣の問題が考えられています。

分泌される母乳が多い

白斑を経験するのは、たくさん母乳が出る方に多いと言われます。母乳が多いと、授乳後に飲み残しが溜まり、母乳が固まりやすいからです。

乳腺が細い

赤ちゃんは一生懸命乳首を吸ってくれますが、乳腺が細いとやはり母乳が出にくいので、乳腺に母乳が残り、固まりやすいからです。

体が冷えやすい

全身が冷えている方は、母乳が固まりやすいです。脂肪は温度によって性質が変わります。体温が低いと、母乳に含まれる脂肪が乳腺に沈着しやすいので、白斑になりやすいと考えられています。

脂質や糖質の多い食生活

体は食べたものでできているとよく言われますが、その通りです。脂質が多い食物ばかり摂っていると、血液中の中性脂肪が多くなり、血液がドロドロになってしまいます。脳や筋肉のエネルギーになる糖質も、摂りすぎた分はインスリンによって中性脂肪に変えられ、貯蔵されます。

血液中の脂肪が多いと、母乳に含まれる脂肪も増えるため、乳腺が詰まりやすくなります。現代人の食生活は、脂質が多くなりがちと言われているので、知らないうちに摂りすぎているかもしれません。

ストレスを溜めやすい

ストレスが溜まってくると、自立神経のバランスが乱れ、血行が悪くなったり、体が冷えやすくなります。血行が悪くなれば乳腺も詰まりやすくなり、体が冷えれば母乳が固まりやすくもなります。ストレスによって、白斑ができやすい状況ができあがってしまうのです。

育児が始まることで幸せは大きくなりますが、同時に体や心の負担も大きくなります。お母さんなら誰でもストレスはつきものですから、一番厄介な問題と言えるかもしれません。

白斑を放っておくとどうなる?

授乳

白斑を放っておくと、どうなるのでしょうか?

急性うっ滞性乳腺炎を引き起こしてしまう

白斑が小さいうちは、一見大した問題ではないように見えます。しかし、乳栓が出口を塞いでいるので、母乳が長時間溜まることで乳腺が炎症を引き起こすこともあります。これを急性うっ滞性乳腺炎といいます。

急性うっ滞性乳腺炎になると、乳栓の詰まった部分、つまり白斑の周辺が赤く腫れます。乳房の一部分、または全体的にかたくなり、押すと痛みます。ブラジャーや服に擦れて痛むこともあります。病院で早めに手当てをすることが必要です。

手当てをしないと全身に症状が出る

急性うっ滞性乳腺炎になると、うっ滞した母乳に細菌が入り、繁殖しやすい状態が続きます。乳栓が細菌に感染すると、やがて高熱や悪寒、震えなど全身に症状が現れます。乳房は激しく痛みます。急性化膿性乳腺炎といいます。

急性化膿性乳腺炎によって血液中に病原体が入り、同時に免疫力が低下していると、「敗血症」という命に関わる病気になります。そのため、急性化膿性乳腺炎の症状が現れたら、すぐに病院でみてもらう必要があります。抗生物質を内服しなくてはならないので、授乳は中止する場合が多いです。

授乳は赤ちゃんが免疫を獲得する上でとても重要なので、授乳できないという事態は避けたいものです。

白斑ができた時の対処法

授乳

上記を読んで恐ろしく感じてしまったお母さんもいるかもしれませんが、安心してください。白斑は油断してはいけない症状ではありますが、きちんと対処していれば、上記のような状態には進みません。

絶対にやってはいけないこと

白斑ができると確かに気になりますが、指でつねったり、先の鋭い物でつついたりしてはいけません。乳頭にできた傷から細菌が入り、炎症を起こしやすくなります。また、あとで授乳する時にとても痛みます。白斑のある部位はできるだけいじらないように気をつけてください。

しっかり授乳する

赤ちゃんがおっぱいを吸うことで、あっけなく乳栓が取れ、白斑がなくなったという方もいます。白斑ができたら、今までと同じように、もしくはもっとたくさん赤ちゃんに吸ってもらうようにしてください。

授乳の方法も重要です。なるべく両方の乳房を吸ってもらい、授乳する角度がいつも同じにならないように気をつけます。添い寝での授乳は、起き上がらなくて良い点では楽ですが、同じ部位の乳腺から母乳を吸うことになるので、いつも残ってしまう母乳が固まり、乳栓となりやすいです。

体を温める

入浴で体を温めると血流が良くなり、温まった母乳の流れが良くなります。乳栓がまだ小さければ、取れることが多いでしょう。

半身浴は体を冷やしやすいので、40~42℃の湯に肩まで浸かります。入浴して数分では深部体温は上がっていません。額に汗が滲むと体が温まっている証拠です。就寝2時間前くらいの入浴は、副交感神経のはたらきを高め、睡眠の質を向上させる効果もあると言われています。

ただし、体調に気をつけて入浴してください。乳房が張って痛いときは、温めると母乳の分泌が促進され、余計に痛くなるので注意してください。また、赤く腫れている方は温めずに医師に診てもらい、指示に従ってください。

食生活を改善する

脂質や糖質を摂りすぎないように気をつけましょう。たんぱく質を摂るために肉や魚は食べなければなりませんが、脂身の多い部位は避けます。たとえば、牛や豚のロース、魚卵などです。

お菓子やジュースには糖質がたくさん含まれるので、適度な量に抑えてください。糖質は、パンやご飯を食べていれば摂取できます。

とはいえ、あまりに神経質に考えるとストレスになりますから、上記を頭の片隅に置いて、食べたいものを選ぶよう心がけることが大切です。

ストレスを発散する

運動している時間は思考にとらわれずに済むので、精神的に安定できるでしょう。適度な疲れでよく眠れるようになるので、体の疲れが溜まりにくくなります。他には、読書、瞑想、音楽を聴くなど、効果的なストレス解消法は人により異なります。

部屋を少し暗くしたり、静かな環境を作ったり、ご自身が集中できるよう工夫してみてください。

まとめ

母乳育児中に起こる白斑は、放っておくと恐ろしい病気につながるので、侮れる症状ではありません。しかし、早めに対処することで、病院にはかからずに済むこともあります。

白斑の原因は、体質による原因と、生活習慣による原因が考えられています。白斑ができやすいとお悩みの方は、生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。ストレスの増えない範囲で、食事やリラックス法など工夫してみると、改善されるかもしれません。

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