舌癌の症状を知ろう!原因や治療法、予防法も紹介!

舌癌は早期発見や早期治療を行う事が特に重要になる癌です。その理由の一つは舌が多くの機能を持っているという点で、早ければ早いほど舌へのダメージが少なくてすみ、嚥下や構音に関する後遺症が小さくてすみます。

もう一つの理由は、舌癌が他の癌と比べてリンパに転移しやすいという点です。

首のリンパ節が近いため、リンパに転移してしまうと非常に重い症状につながってしまう恐れがあります。

舌癌とは

舌

舌は外側三分の二くらいが動く部分で、奥の三分の一は根っこの部分になっています。舌癌は舌の外側部分(動く三分の二程度の部分)にできるものです。そのため、目で見える部分にできる癌であると言えます。

舌は筋肉でできた器官で、嚥下機能と構音機能、味覚の三つの働きを持っています。口の中と同様の粘膜で覆われており、舌の上面は舌乳頭という突起に覆われています。

ここに癌ができるものが舌癌です。舌癌は前述の通り見える部分にできるため、医師であれば触ったり見たりすれば比較的簡単に診断する事が可能です。ただ、最初はちょっとした口内炎のような症状しかないため医療機関の受診までに時間がかかる可能性がある点は注意すべきといえるでしょう。

粘膜にできる癌は粘膜内に染み出して行きます。さらに口腔は首やあごの下にあるリンパ節に近いので、リンパ節に転移しやすい傾向があります。舌癌になかなか気が付かず、病院を受診した時には既にリンパ節に転移している場合も多いといわれています。

また、場合によっては舌を切除しなくてはならず、予後の会話や食事に悪影響を及ぼす場合があります。そのため少しでも早く治療を開始する事が重要です。

進行度によって生存率が大きく異なり、5年生存率は53~82%と幅のある数値が示されています。年齢に関係なく幅広い年代で起こりうる癌ですが、60歳以上で発症した場合、やや予後が悪い傾向があります。また、周囲への湿潤がなく2cm以下の小さな癌の場合は予後が良いと言われています。

舌癌の治療

健康な舌

舌癌の治療は、通常の癌と同様に手術か抗癌剤による化学療法です。また、両者を組み合わせて治療を行う場合もあります。舌の切除は手術後の生活の質に大きく関わるため、基本的にはできるだけ舌を温存するような治療方法を選択します。

手術

舌部分切除術

癌がまだ浅い場合や小さい場合は、癌のある部分だけを切除して癌を摘出します。舌の先端の方であれば日帰り手術もできる程度の手術です。切除してしまうため舌の変形はありますが、食事や会話には支障ありません。

舌半切除術

舌の中心近くまで癌が広がってしまっている場合は、癌のある側の半分くらいを摘出します。多くの場合は欠損した部分を再建します。この場合も食事や会話への影響はそれほどなく、舌が半分あれば味覚にも後遺症は残りません。

舌亜全摘出術

広がってしまった場合は舌を半分まで摘出する必要があります。この場合も再建手術を行いますが、大きく切り取ってしまっている分やはり食事や会話に影響が出ます。味覚にはあまり障害が残らない事が多いようですが、嚥下が難しくなります。

舌全摘出術

できるだけ半分でも舌を残す治療を行いますが、癌の広がりがより重度な場合は舌を摘出するしか無い場合があります。会話や食事への影響があり、飲み込みが非常に難しくなります。味覚は多少残ります。

頸部郭清術

舌癌は頸部のリンパ節に転移している事が多いので、リンパ節やその周りの静脈などをきれいにする治療が行われます。まだリンパ節に転移がなくても、予防的に行われる事があります。

治療成績の向上が見込める治療です。

放射線治療

外照射

放射線を外がわから舌に当てる治療方法です。手術ではないので舌の形をそのまま残す事ができますが、口腔内に放射線があたることで痛みや口内炎、味覚障害が出る場合があります。また、顎部分などにも放射線があたるので骨髄炎などに注意する必要があります。

組織内照射

舌の悪い部分にだけ放射線を当てる方法です。健康な部位に放射線が当たるのをできるだけ避け、後遺症が少ないという特徴がありますがどこの病院でも受けられる治療ではないというデメリットがあります。

動脈内化学療法

抗癌剤により癌細胞を攻撃する方法です。これだけで舌癌を治療するのではなく、他の治療と併用する事がほとんどです。体内に薬を入れる事や、健康な部分まで影響を受けるため後遺症はありますが、手術を回避して舌を残すには適した方法です。

舌癌の初期症状

下のサイドに注意

舌癌の初期症状には以下のようなものがあります。舌癌は舌の真ん中やそれより奥にできる事はあまりなく、舌の両脇、下面に出来る事が多いので、その周辺を特に念入りにチェックしてみましょう。

しこり

舌癌の初期症状は、ちいさなしこりであると言われています。舌がんでできるしこりは硬いものであるという特徴があり、痛みはあまりありません。

口内炎と似たような症状ですが、口内炎はそれほど長い間継続しません。2週間を超えても改善しないしこりがある場合はやや注意が必要、1ヶ月以上同じ場合は要注意です。

色、質感の変化

舌の一部に赤っぽい部分や白っぽい部分ができる症状があります。白っぽい部分が盛り上がっており、平たくぼこっと出ているような症状がある場合は注意しましょう。

また、舌の感触がざらざらしてくる、しろい斑点が出来るなどの症状も初期症状として示されています。

出血

やや症状が進んだ場合など、粘膜にただれが起こり、潰瘍が出来て来る場合があります。口の中にただれがある場合や、出血している場合には注意しましょう。

冷たいものや温かいものを口にした時に染みる感じがする事もあります。

しびれ・うごかしづらい

癌が広がり舌の神経を侵す事で、舌に痺れを感じる事があります。痺れや麻痺感がある場合は注意が必要です。また、痺れが出る事により喋べりづらさを感じたり、食事の際に飲み込みにくさを感じる事があります。

味覚障害

上記と同様に、癌が進行して舌表面にある味蕾がダメージを受けると味覚障害が起こります。

全体的に味覚が鈍くなるだけでなく、ある味だけを感じなくなるなど様々なパターンがあります。

他の病気との違い

口内炎を舌癌かもしれないと思ってしまうケースが多いですが、最も大きな違いは「口内炎は2週間程度で治る」という事です。また、舌癌はあまり痛みなどの症状がありません。神経が侵される場合もあるので、進行してもあまり痛みを感じないのです。

また、口内炎はくっきりとした円形である事が多いというのも見分ける目安といえるでしょう。対して癌の場合は輪郭がはっきりせず、形もいびつです。

もう一つ舌癌と見分けづらいのが白板症です。白板症は、何の病気でもない白っぽい粘膜がある事を指すものです。白板症自体は大きく変化するものではなく特に問題ない場合も多いものですが、癌の場合は白っぽい部分の周りが赤くただれてきます。

癌を予防する生活習慣

ホラータバスコ

舌がんのリスクは様々な生活習慣で大きく変わります。

飲酒や喫煙

舌に慢性的な刺激がある事が舌癌のリスクになると考えられています。現状、直接の因果関係が明らかにされているわけではありませんが、飲酒や喫煙により口の中に刺激があたり続ける事が非常によくないと考えられています。

一日に10本以上煙草を吸う方や、葉巻やパイプなど刺激の強いものを好む方、強いお酒が好きな方は特に注意が必要です。

刺激物

上記と同様に、舌に刺激を与えないようにするためにはあまりにも熱いものやあまりにも辛いものはおすすめできません。辛いものは体に悪い事ばかりではありませんが、舌にとっては刺激物であり、食べ続けているうちに麻痺してより辛いものが欲しくなってしまいます。適量に控えるようにしましょう。

歯の治療を行う

定期的な歯科検診は舌癌にとっても重要です。歯科は口腔の専門家なので、おかしい点がないかチェックしてもらう事ができ、また、虫歯や合わない義歯、噛み合わせの問題なども舌への刺激となるので、虫歯などは早めに治すように心がけて下さい。

また、欠けた歯やばねなど尖ったものが口の中にあるのもよくありません。

口の中を清潔に

舌に刺激を与えないようにというとハブラシなどは大丈夫かなと気になってしまいますが、ハブラシや舌ブラシ程度の刺激であれば問題はないようです。

それよりも、口の中を清潔にしておく事が重要です。

免疫力を高める

癌全般に関する予防策として、免疫を高めるというものがあります。適切な運動、適切な体重の維持を心がけ、塩分を控えたバランスの良い食生活をおくる事が大切です。

食事は和食中心にした方が免疫には良いとされている他、以下の食品に有効性が認められています。

にんにく

アリシンと言われる成分が殺菌作用や免疫力を高める力を持ち、癌抑制の効果が期待されています。ビタミンB1と合わせて食べるとより吸収がよくなります。

きのこ

きのこにふくまれるβグルカンは、癌細胞の増加を抑制する効果があります。どんなきのこでも効果的ですが、特に舞茸がおすすめです。まいたけから出る黒い汁こそが癌組織の縮小や抑制に効果があるので、できれば洗わずに食べた方が良いでしょう。

海藻

食物繊維やフコダインが含まれています。フコダインには体のなかのいらないものをくっつけて外に出す力があり、癌の抑制にも効果があると考えられています。

キャベツ

イソチオシアネートという成分が含まれています。乳癌、肺癌など様々ながんを予防する効果があると言われる注目成分ですが、加熱するとなくなってしまいます。生野菜で取り入れるようにしましょう。

まとめ

舌癌は見つけやすいものですが、あまり痛みなどがないので気が付きづらく、早く気が付かないと首のリンパへの転移もあるなどの恐ろしい病気です。定期的に口の中をチェックするのが良いですが、自分ではなかなか難しいので定期的な歯科検診が重要といえるでしょう。

また、刺激物は全体的に舌に悪影響を及ぼします。煙草や強いアルコールなどはできるだけ控えるようにしましょう。また、口の中でどこかが舌にぶつかっているような場合も問題があるので、歯科医院で調整してもらうよう心がけて下さい。

  
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