足の指が痛い原因は?可能性のある病気と炎症を紹介!

身体中で足の裏ほど酷使されている場所はありません。

体重を常にかけ、寝る時と椅子に座る時以外は何かと踏ん張っているのです。その指は歩行や疾走するのに微妙な体重移動を強いられます。平たんな道を淡々と歩くだけならまだましですが、女性ならヒールで長時間過ごしたりするわけですから痛みも発生します。

日常生活から出てくる足の指が痛い症状から、内科的な病因が足の指に影響するものまで、原因は多岐に渡ります。今回は様々な足の指の痛みについてご説明しましょう。

足指の痛みは骨が原因かも?

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足の指には、その人の生き方が刻まれます。

デスクワーク、歩き続ける人、履物、全てが習慣となって足の指に現れてくるのです。日常生活が骨に影響したケースをまとめました。

外反母指・内反母指

足の付け根の関節の横にある靱帯が、伸びたり縮んだりしながら靴からの圧迫を受けて関節が変形したものです。親指が小指の方向に曲がってしまうものを外反母趾、小指が親指の方向に曲がってしまったものを内反母趾といいます。

方向こそ違いますが、原理は同じです。この角度が大きいほど痛みも強く、悪化すると歩行はおろか立つことさえ困難になります。損傷は4段階に分けて評価され、それによって治療法も検討されます。

  1. 可逆期・・・自力や他力で曲がった指を動かすことが可能な状態です。初期なので、痛  みもまだきつくありません。
  2. 拘縮期・・・炎症を起こして靱帯が固まり、自力でも他力でも曲がった指を動かせなくなります。この段階になると、靴を履いて歩くことに相当な痛みが出ます。
  3. 悪期・・・・外反、内反が自然に進行します。ここまでくると歩いて痛むというより、立つこと自体に痛みが出ます。
  4. 終末期・・・曲がった指が他の足の指に重なって脱臼する状態。

初めのうちはインソールを靴に入れて調整しますが、悪化すると手術にもなります。原因はハイヒールや遺伝といわれ、女性に限らず子供や男性でも発症します。

種子骨炎

足の親指の裏側が痛い症状です。耳慣れない、この種子骨という骨ですが、足の親指の裏に左右2個づつあります。腱の滑りを助けたり、体重が足の先端にかかるとき、クッションの働きをします。つま先立ちをして踏ん張る場所にあります。

ランニングや競技などによって種子骨に過度の負荷がかかったり、靴のサイズが合わなかったりするのが原因と言われています。炎症を繰り返して悪化し、種子骨への血行が乏しくなって骨萎縮を起こすと骨壊死を起こしてしまうので注意が必要です。

対策としては足底板療法があります。患部の容態に合わせて靴の底の衝撃保護、吸収板を作成します。個人差が大きいので、専門的に測定できる病院や店を選びましょう。

市販でも種子骨専用に保護サポーターがたくさん見受けられます。しかし、試着もできない購入方法は危険です。足にしっくりこないのに、買ったから、もったいないからと使用すると血行障害を強めてしまったり、役にたたなかったりします。

中足骨頭痛

足指の付け根、つま先立ちをして体重のかかるところが中足骨です。5本それぞれについています。ここは体重移動の時に足が最後まで地面についているので、体重が集中してかかる場所といっていいでしょう。

その人差し指と中指の中足骨が痛み初め、足底の方から見て分かるくらい赤くなります。レントゲン所見は問題なく、しかし痛みがなかなか治らない。これが中足骨頭痛といわれる症状です。

原因は大きく分けて二つ考えられます。一つは偏平足、外反母趾などの身体的な理由です。本来なら体重移動の際に、体重が親指から小指にかけて均等に負担が分散されるべきところを足底アーチがない、あるいはゆがんでいて機能しません。その負担は第二中足骨と第三中足骨にかかってしまいます。

もう一つの原因は履き慣れない靴を長時間履いたり、底の硬い靴を長時間履いても発症します。理由は、靴によって一時的に偏平足や外反母趾のような状態になるからです。この場合は原因となる靴を履かなければ痛みは解消します。

偏平足や外反母趾が原因となる場合は、足底のアーチを保持するような足底板を病院で用意してもらって使用します。市販のものより、自分の症状にしっかり合ったものが安心です。人によっては第二中足骨頭痛という場合もあるからです。

日常ありがちな足の指の痛み

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これといって病的な理由もないのに、ものすごく痛い足の指の症状をご説明します。誰もがなったり、ならなかったりする痛みですが、それだけに厄介です。

巻き爪

読んで字のごとく、指の肉に爪が巻き込んでいく症状の名称です。猛烈な痛みが出るものと、そうでもない巻き爪と二種類あります。

ここでは痛みの強いタイプの巻き爪についてご説明しましょう。陥入爪(かんにゅうそう)といいます。普通に伸びてきた爪の、両脇の先だけが肉に食い込んできます。赤く腫れて、更に食い込みがきつくなってきます。出血しやすい肉芽も出現して、化膿しやすくなってきます。ここまでくると、痛くて靴など履けません。

根元から巻き爪で先まで巻いたケースは、あまり痛みがないので矯正可能ですが、陥入爪はそもそもが普通の爪なのです。どこから巻くかというと、爪のほんの先です。それが、どうしても頑固に固まって食い込んできます。

もともと健康な爪がいつから巻き始めるのか、原因となるきっかけはいくつかあります。一番、多いのは深爪です。爪の下の肉が露出するまで切ってしまい、その角度が内側に入ってしまい、そこから徐々に刺さって食い込んでいくケースです。炎症を起こして爪の色が変わってブカブカする「ひょうそ」にでもなれば激痛になります。病院で爪を抜くか、炎症部分を切除するしかありません。

それでも再発率は高くて、健康な爪になるまで苦労させられる症状です。病院でこまめに爪切りケアをしてもらう方法が一番です。

巻爪は、巻き爪の治し方とは?自分で治療する方法と病院での治療法を紹介!を参考にして下さい。

しもやけ

地域によって無縁の場所もあるかもしれませんが、暖房設備の整った現代でも寒冷地のしもやけは大きな悩みです。

しもやけの症状で特徴的なのは、痛みと痒みが同時にくることです。痛いだけならまだしも、痒みがくるので引っかいて患部を悪化させてしまいます。腫れや赤みを伴い、患部の皮膚が硬くなります。しもやけ自体は身体の末端や皮膚の薄いところにできます。血行が悪くなるとすぐに血行不良になる部分にできます。

足の指に関しては、腫れて曲げ伸ばしができなくなり、靴を履いて歩けば痛みが強くなります。冷えると痛いのに温めると痒いという、どうすればいいか分からない症状です。こじれると痛痒くて辛いので、予防に徹するしかありません。

冷えと湿度にご注意ください。寒いからといって厚着は禁物です。血行を妨げる可能性があるからです。靴下の重ね履きは靴の中の圧力を高めてしまって、血管を圧迫します。あったか素材の靴下も発汗性の高いものは避けましょう。通気性の良い素材の靴下で、汗ばんだら履き替えてください。

温冷足浴もお勧めです。40度くらいのお湯とお水をくるぶしまで交互に漬けて、末端の血行を促進させます。この方法は高齢の方にも心臓に負担のかからないので安心です。

それでも、しもやけができてしまったら早めに市販のクリーム薬を塗ってみましょう。悪化して化膿したり、腫れた患部の色が紫や白になったり、歩くのも困難になったら皮膚科へ行ってください。

詳しくは、しもやけの症状とは?原因や治療法、予防方法を紹介!を読んでおきましょう。

魚の目

初めはザラザラと皮膚が硬くなって、何だか気になるな?と思っているうちに角質化が進み、中央に芯ができて奥に沈み、やがて神経を圧迫します。

これもだんだん大きくなって、靴の圧力や体重をかけると強烈な痛みを出します。病院でレーザーで削っても、なかなか奥の芯まで届きません。ごっそりと掘るように切除しても、再発する可能性の高いものです。

ほとんどがサイズの合わない靴による摩擦から始まります。第2指の裏側を中心に、どの指にもできます。ついつい、剃刀で削ってしまいがちですが、素人療法は危険です。

立って刺さるような激痛が、本当に魚の目かどうか怪しいからです。ウイルス性のイボであれば、傷をつけることで広がる恐れがあるからです。

意外な治療法として、お灸があります。評判のいい鍼灸師を探して受診してみましょう。尋常性有疣といって昔からの治療法があります。魚の目にモグサを同じところに100個、すえます。数日すると、魚の目が奥から芯ごと盛り上がってきます。そこをまた、同じようにすえます。

すると、芯ごと、ポロリと取れるのです。切る訳ではありませんし、魚の目は熱を感知しませんので熱くもありません。

詳しくは、魚の目が痛い時の対処方法!歩けない時はどうするん?を参考にして下さい。

病気がもたらす足指の痛み

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内科的なものが原因で発症する足の指の痛みについては、更に注意が必要です。

関節リウマチ

関節の自覚症状になる前に、身体のちょっとした異変から始まります。食欲不振、身体がだるくて熱っぽい、朝起きたら手がこわばる、などです。

遺伝性の病気として知られ、圧倒的に女性に多い病気です。血液検査で初期でも分かるので、心当たりのある方はすすんで検査を受けましょう。早期発見なら、昔のように不治の病ではありません。

関節の症状としては、小さな関節にほてりに似た腫れと痛みが生じます。それは関節の滑膜が破壊されていくのに伴い、血流が悪くなって痛みが出てきます。それによって筋肉も不自然に引っ張られてしまうので筋肉も痛みます。

これが長期間にわたり、あちこちに出現して全身に至ります。リウマチ、とはラテン語で「流れる」という意味で患部の流動性を指します。結果的には全身の関節が対象にはなりますが、最も日常生活を阻むのは足指の痛みです。

足指は体重が常にかかるので、靴を工夫して痛みを緩和するのが一般的です。足底の圧を分散する靴は、病院でも取り扱っているので相談された方が安心です。特殊な靴を選ぶことで変形を予防することが重要ですが、それでも進行した場合に手術が検討されます。

リウマチについては、リウマチの初期症状をチェックしよう!指のしびれに要注意!を参考にして下さい。

痛風発作

痛風というとシニアの男性に多いイメージがありますが、実際は二十歳以上の男性に多い病気です。突然、足の指が炎症を起こして激痛が走ります。発作、という表現はけっして大げさではないくらいの激痛で、「耐えがたい痛み」と経験者は語ります。

それが少しづつ治まって1週間から10日で、ほぼ消滅します。そして約80%が再発するのです。だんだん、再発の間隔が狭くなっていき、症状が出る範囲が全身に及びます。

痛風の原因物質は尿酸です。尿酸自体は誰でも持っていますが、条件によっては体内に溶けられない量の尿酸が蓄積しナトリウムと塩が結晶化します。それでできた尿酸塩が足指の関節の内面に沈着していきます。痛風発作というのは、尿酸塩に対して身体の防御機構である白血球は反応し、攻撃する時に発症するのです。

痛風の患者には、基礎疾患として高尿酸血症が挙げられます。血中の尿酸値が7.0mg/dlになったら要注意と考えて間違いありません。尿酸値コントロールの指導を受けましょう。

詳しくは、痛風の症状の前触れって?再発が起きる前に対処しよう!を読んでおきましょう。

まとめ

足の指をケガすると、災害地においては生存率に関わります。逆に足の指さえ両足が無事なら、かかとや足底部を損傷しても歩を進めることができます。震災予防で、枕元に履物をそろえましょう、という指導があるのはそういう理由です。完全な健康体であっても、足の指が痛いと逃げきれません。非日常的な場合だけでなく、日常生活において靴を履いて歩けないというのは社会での活動不可を意味します。いつでも迅速に街を闊歩できるよう、万全を期したいものです。

  
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