レイノー症候群とは?皮膚の色が変わる症状や原因、治療方法って?

日常生活の中で冷え性に悩んでいる方も少なくないと思われます。家事や外出する際に冷え性になりがちという声もちらほら聞いたりします。そんな時、どうして冷え性になるのだろうかと疑問に感じたりしませんか?

もしかしたら季節がらとか思っている方も中にはいるのではないでしょうか?実はあなたのその冷え性油断は禁物かもしれません。今回は冷え性と深く関わっているレイノー症候群について紹介させて頂きます。

恐らく聞きなれない方が多い病気かと思われますので、少しでもこの病気のことを理解して頂けたらなと思います。

レイノー症候群って一体何なの?

全身の血管

レイノー症候群は何らかの病気で生じたレイノー現象のことを指します。多くの方はレイノー病というと聞いたことがあるという方もいると思われます。レイノー現象やレイノー病と少々比較して次に行きたいと思います。左右非対称の血行障害が見られます。

レイノー現象って所で何?

レイノー現象は寒さや緊張状態から手足の動脈が痙攣し、手指の色が変色する現象を指します。

レイノー病って何?

女性特有の原因不明のレイノー現象を指します。予後は良好で緊急処置をすることはないです。両手足の指の血行障害が特徴的です。

つまり

レイノー症候群は原因となる病気があって、症状が左右非対称に表れる。それに対して、レイノー病は原因となる病気が分からなく、症状が左右対称と対照的なのが大きいな判断基準になります。

レイノー症候群の原因って一体何なの?

脳卒中

レイノー症候群を引き起こす原因として、全身性エリテマトーデスや強皮症といった膠原病、閉塞性動脈硬化症やビュルガー病といった血流障害を起こす病気、胸郭出口症候群などの神経を圧迫する病気、多発性硬化症や脳卒中に手根管症候群といった神経に関わる病気など多岐に渡ってあります。

いずれも循環や感覚といったものに関わってくるものが多いのが共通点とも言えます。つまり、レイノー症候群には元凶となる病気が潜んでいて、それに対する治療を考えていくという流れになります。なので、症状をしっかり見て、診断を正確に行い、原因となる病気を見つけていくことが治療への近道と言えるのではないでしょうか?

また、全身性エリテマトーデスや胸郭出口症候群、手根管症候群は女性に多いことからレイノー症候群も総じて女性に多いと考えられます。ここはレイノー病と共通していると感じた方も多いのではないでしょうか?こういった部分が冷え性というものは女性に多いというイメージを多くの方に持たせていると言っても過言ではないと思われます。

ここでは全身性エリテマトーデスなどいくつかの病気について補足説明させて頂きます。

全身性エリテマトーデス

全身性エリテマトーデスは女性に好発する膠原病のひとつです。難病指定されている病気のひとつです。寛解と再発を繰り返して多彩な症状が現れます。

紫外線やホルモンといったことが関わってきます。随分前のテレビ番組では紫外線が原因で全身性エリテマトーデスを発症した一例を特集していたこともあります。症状として、発熱や易疲労感、全身の倦怠感、関節痛や筋肉痛、高血圧に浮腫、そしてレイノー現象が見られます。

強皮症

強皮症は皮膚が硬くなる変化を代表的な症状とする病気です。膠原病のひとつで皮膚や内臓が硬くなるのが見られます。血管に炎症や変性が見られ、血液の循環にも関わってくるので、レイノー症候群に関わってくるのです。

閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症は血管の動脈硬化により、狭窄や閉塞を起こし、循環障害を起こす病気です。

症状として、冷感や痺れといった感覚、痛み、間欠性跛行、潰瘍や壊疽といったものが見られます。冷感や痺れなどはレイノー現象で見られます。場合によっては切断といったこともありうる怖い病気なのです。

胸郭出口症候群

胸郭出口症候群は鎖骨などに付いてる筋肉が神経や血管を圧迫する病気です。

神経障害や血流障害から来る腕の痛みや痺れ、チアノーゼ様になったりします。自覚症状からこの病気があるかを診断することができます。

レイノー症候群になるとどんな症状が現れるの?

痛み

レイノー症候群が起きると、一体どんな症状が表れるのか疑問に感じた方も多いと思われます。ここでは、レイノー症候群の症状について説明していきます。

といっても症状自体はレイノー現象なので、レイノー病と症状はほぼ同様と思って頂いても大丈夫です。レイノー現象とはどんな症状なのかについて説明していくことになります。

前述でも説明したように症状が左右対称に表れるかどうかという部分が違ってくるというのは見ていかなければなりません。レイノー症候群を引き起こす病気は症状がほとんど共通しているので、原因となる病気込みで見ていくというのが重要なのかもしれません。

皮膚の変色

寒冷刺激にさらされ、最初は皮膚が蒼白になります。10~15分くらいになると紫色か赤色になり、元に戻ります。この辺りはチアノーゼと見極める必要があるのです。

チアノーゼは心不全などで見られます。静脈の血流が障害され、皮膚や粘膜が紫色調となります。この辺りは何の病気を発症しているのかといった部分を診ていくことが重要です。

異常感覚

冷感や痺れ、痛みといった異常感覚が見られます。中でも冷感はレイノー現象の中でも代表的な症状とも言えます。

症状がひどくなると

レイノー現象がひどくなると、皮膚潰瘍や壊疽を起こしたりします。

どこに症状が起きやすいの?

どこに症状が起きやすいのか疑問に感じる人も多いと思われます。レイノー現象は中央の3本の指に起きやすいと言われています。稀に親指に起きたりします。

他にも

レイノー症候群の方を見ていく際は原因となる病気の特有の症状も見ていかないといけません。

レイノー症候群の診断ってどのようにして行われるのか

検査

レイノー症候群を診断していく際、レイノー現象を引き起こしている病気に関する検査を行っていくことになります。レイノー症候群が初期症状として現れるためです。初診では血液検査で分からないことがあるため、経過観察を行う必要があります。

レイノー症候群の診断には以下の事を行っていきます。

寒冷刺激

冷却刺激で蒼白発作を引き起こすことで容易に診断することができます。レイノー症候群の代表的な症状の皮膚の変色を見ることができるからです。

サーモグラフィ

体温の変化で診断します。

毛細管顕微鏡検査

毛細血管のゆがみや拡張を見ていくことになります。毛細血管は生活習慣や体調により変化していきます。食生活や運動、睡眠、ストレスといった部分も関係してくるので、毛細管顕微鏡検査は必須とも言えます。

閉塞性動脈硬化症などの循環に関わってくる病気がある場合は尚更必要となります。

血液検査

血液検査で原因となる病気の有無を把握します。抗核抗体やリウマチ因子、抗セントロメア抗体などを見ていくことになります。それらを見て、全身性エリテマトーデス、強皮症などを疑い、治療を考えていきます。

ただ、初期の段階では分からないことがあるというのがあるので、基本的にはその他の検査と組み合わせて原因は一体何なのかというのを見つけていくことが診断の流れになると思われます。

整形外科的なテスト

胸郭出口症候群かどうかを判定する場合、MorelyテストやAdsonテスト、Wrightテスト、Edenテストといった検査を行います。その際、痛みや脈拍が弱くなると陽性です。

手根管症候群は親指から薬指の痺れの有無や手の掌の筋肉が痩せているかといった所を見ていくのがポイントです。

つまり

レイノー症候群の診断で原因となる病気を発見し、予後予測を行い、治療方針を決定していくことになると思われます。

血液検査だけ、寒冷刺激だけでは原因は一体何なのかというのが分からないことも十分あり得るので複数の検査を組み合わせて行い、原因を突き止め、早期発見と早期治療に務めていくことになります。

レイノー症候群の治療について

薬

レイノー症候群の治療は原因となる病気の治療が基本となります。

レイノー症候群が見られた場合

原因となる病気の専門の診療科に受診する必要があります。特に膠原病の有無は重要となってきます。

薬物療法

レイノー症候群の基本的な治療法となります。血管拡張剤を用います。他にも鎮痛剤や抗生物質を用いて症状の改善を図っていきます。カルシウムチャネル拮抗薬などが血管拡張剤に当たります。

交感神経ブロック

交感神経ブロックを行うことにより、痛みの緩和を行います。その結果、血流の改善や筋肉の痙攣といった症状の改善に繋げます。重症例の場合に行うことになります。

リラクゼーション法

寒冷の回避、禁煙、ストレスを緩和していくために行います。カウンセリングなどを行い、患者のリラクゼーションを図っていきます。しかし、利便性のため、薬物治療の方が行われているのが現状です。

レイノー症候群の予防法として

レイノー症候群の予防として、冷たい水を使わない事、手足の防寒対策を行う事、疲労やストレスをため過ぎない、禁煙や寝不足などの生活習慣を改善することで冷えや血流の対策を行っていくことが重要となってきます。

治療時の禁忌として一体何があるの?

β遮断薬やクロニジン、表角製剤は血管攣縮を引き起こし、レイノー症候群を誘発・悪化の可能性があるので、これらの薬物を投与するのは禁忌となります。

まとめ

今回、レイノー症候群について紹介していきました。チアノーゼやレイノー病と類似していますが、実は細かなとこが違っていると感じた方も多いのではないかなと思います。

また、レイノー症候群を見ていく際はその背後にある原因を突き止め、治療を行っていくことが重要になってきます。皆さんの身の回りで冷え性に悩んでる人の中にひょっとしたらと思ったら一度病院で診てもらうことをおすすめします。何事も早期発見と早期治療が大切です。

  
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