顎骨壊死とは?症状や治療方法をしっかり理解しよう!

ご老人になると、よくかかる病気に骨粗鬆症(こつそしょうしょう)という病気があるのはご存知だと思います。

骨粗鬆症の症状は、何かをしたり、普通に歩いたりしていても骨がすぐ折れてしまう疾患で、日本では高齢者の患者が毎年増えてきています。

この病気の治療薬として「ビスフォスフォネート」が投薬されますが、よく効く薬なのですが、副作用で顎骨壊死を発症することがあります。

顎骨壊死とは、どのような病気なのでしょう、それを詳しく見ていくことにしましょう。

顎骨壊死とはどんな病気?

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骨粗鬆症の治療薬「ビスフォスフォネート」の副作用で発症する病気を顎骨骨髄炎・顎骨壊死と呼びます。

顎骨壊死は、歯科医師の治療を受けた後に発症率が高いと言われている疾患です。顎骨壊死は、あごの骨が腐ってしまう病気です。

この病気にかかりあごの骨が壊死すると、もともと口の中に存在する細菌に感染され、痛み、膿、腫れなどの症状が現れます。

ビスフォスフォネートの副作用とは?

骨粗鬆症でビスフォスフォネートを服用している人が、歯医者さんに行くことや、どうやったら顎骨骨髄炎や顎骨壊死を発症しないかが注目されています。

高齢者ほど骨粗鬆症に罹りやすく、歯医者に行く確率も高いため、ビスフォスフォネートによる副作用は厄介な問題です。

しかし、ここで紹介する副作用は極めて稀な場合なので、骨粗鬆症でビスフォスフォネートを服用している人が歯科の治療を受ければ、顎骨骨髄炎や顎骨壊死を必ず発症するというものではありません。

もし、ビスフォスフォネートの副作用とわからずに、放っておくと重篤になる場合もありますので、早めの治療が肝心です。

顎骨骨髄炎・顎骨壊死の初期症状とは?

骨粗鬆症でビスフォスフォネートを服用している人で、以下の症状がみられた時には、すぐに病院を受診しましょう。

  • 口腔内の痛み、特に歯を抜い後の痛みがいつまでも取れない時
  • 歯ぐきから白い色、または灰色の骨が露出してきた時
  • 痛みと共に、あごが大きく腫れてきた時
  • 下くちびるが常に痺れたような感じがする時
  • 歯がグラグラになり、ひとりでに抜けた時

放っておくとどんどんひどくなりますから、おかしいと思ったら病院に行きましょう。

顎骨壊死の発症と症状とは?

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ビスホスホネート系薬剤の他にも、ステロイド剤、抗癌剤、癌治療に用いるホルモン剤、などでも顎骨壊死や顎骨骨髄炎が引き起こされることもあります。

ビスホスホネート系薬剤による典型的な顎骨壊死の症状は、歯ぐきの骨が穴が開いたように露出してしまいます。

さらに、口内細菌に感染すると、口腔内の疼痛、あごが腫れる、膿、歯がグラグラになる、下くちびるが常に痺れるなどの症状があらわれます。

顎骨壊死はどういう場合に発症するの?

顎骨壊死は、次のような場合によく発症することが報告されています。

  1. 癌の化学療法とホルモン療法
  2. ステロイドの投与
  3. 歯を抜いたり、歯槽膿漏の治療などの外科的施術
  4. あごに対しての放射線治療

また顎骨壊死は、口腔内の環境が悪いと発症しやすいと言われています。

ですから、ビスホスホネートを服用している人は、歯医者に行って、歯ぐきのチェックと、口腔清掃や歯石の除去をやってもらうようにしましょう。。

その時には、必ずビスホスホネートを服用している旨をお医者さんに相談してください。

予防法について

ビスホスホネート系薬剤を服用した時に発生する病状は、あごの骨の部分だけです。

しかし、発症してしまうと、完全に治すことは無理です。

てすから、顎骨壊死にならないように予防を日頃から行いましょう。

ビスホスホネート系薬剤を服用している人に、顎骨壊死の危険とその予防法を理解してもらい、日常的な定期診断を受けるようにしましょう。

顎骨壊死になった場合の早期発見とは?

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顎骨壊死の早期発見は、顎骨壊死や顎骨骨髄炎を発症する原因のリスク因子に注目することと、初期症状を見逃さないことです。

顎骨壊死の初期症状とは?

顎骨壊死の初期症状としては以下の物があります。

  1. 口腔粘膜の潰瘍がなかなか治らない
  2. 歯肉の修復機能が低下する
  3. 歯茎の炎症と骨の露出が見られる
  4. 発熱
  5. 歯がグラグラしたり、歯周組織の変化が見られる
  6. 義歯性潰瘍、膿瘍や瘻孔形成が見られる
  7. 全身的の倦怠感がある
  8. 下唇が痺れるなどの顎骨の知覚異常
  9. 原因が不明瞭な歯肉の感染

特に特徴的な症状は、歯を抜いた時の疼痛と、歯茎からの骨の露出です。

骨粗鬆症でビスフォスフォネートを服用した場合による顎骨壊死は、何らかの原因で歯茎から骨が露出したときにその症状がはっきりと現れます。

すなわち、歯を抜いたり、口の中の粘膜が傷ついたりして、骨が露出してしまった時にはっきりとした症状が出てきます。

特に、下顎や口蓋に骨の隆起がある時には、粘膜が非常に薄くなっていますので気をつけなければなりません。

リスク因子とは?

ビスホスホネート系薬剤を長期間服用を続けている患者で発症しやすいことがわかっています。顎骨壊死は下顎に発生する率が高く、上顎に発症する場合は稀です。

歯科処置歯科処置の中でも、歯を抜いた時、歯の周りの外科処置をした時、歯根端切除術をした時、インプラント埋入手術した時などに顎骨壊死が発生したというケースが多くなっています。

ビスホスホネート系薬剤を投与している人に、歯を抜くなどの歯科的施術行う時は、3ヶ月ほど薬の服用をやめることにより、顎骨壊死にかかりにくくなります。

あごへの放射線治療や癌の化学療法によるリスク因子とは?

癌の化学療法を受けたことがある人に顎骨壊死が発症するケースも多く、抗癌剤の種類に関係なく発生する率が高くなります。

ステロイド剤も、顎骨壊死を引き起こす原因になることもあります。

また顎骨壊死の患者の約6割が糖尿病患者なので、糖尿病もリスク因子の一つに数えられます。

顎骨壊死の副作用について

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ビスホスホネート系薬剤の服用を始めてから顎骨壊死で骨が露出するようになるまでの期間は、1~4年以上、12~77ヶ月、10~59ヶ月、6~66ヶ月、10~70ヶ月などと千差万別です。

歯医者で歯を抜くなどの施術を行った場合、顎骨壊死で骨が露出するようになるまでの期間は、およそ7ヶ月ぐらいとされています。

副作用の特徴とは?

2003年になり、日本においてはビスホスホネートの服用による顎骨壊死の発症例が見られるようになりました。

顎骨壊死の代表的な特徴は、骨の露出と痛みです。また、歯を抜いた場所から骨が露出し、そこから顎骨壊死が始まることが多いと言われています。

その他、歯がグラグラになったり、下くちびるが常に痺れたような感じがしたり、倦怠感などがあります。

ただ、例外的に全く症状がでない場合もあります。

顎骨壊死の二次的症状とは?

顎骨壊死を発症してから、二次的に瘻孔や膿瘍ができていることもあります。

その他にも、骨髄炎と同様の二次的症状が現れます。

その他の顎骨壊死の発症とは?

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ビスフォスフォネートが原因の顎骨壊死以外にも、この病気を発症する時があります。

それを、これから見ていきましょう。

放射線性骨壊死

あごの部分に60~70GyのX線撮影をした場合、放射線性骨壊死を引き起こすこともあります。

放射線性骨壊死も大変治癒が困難な病気ですが、下顎骨の区域切除や高圧酸素療法が治療法として効果的です。

また、ビスフォスフォネートを服用した場合による顎骨壊死には高圧酸素療法が効かず、さらに外科的な施術は病状を拡大させる場合があり、注意が必要です。

義歯性潰瘍

よくある症例として、外傷性潰瘍と義歯性潰瘍はよく見られる病気です。

外傷性潰瘍の場合は、原因を取り除くことで早期の治癒も可能です。

顎骨壊死の予防方法と治療方法は?

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ビスフォスフォネートを服用した場合による顎骨壊死は、十分な治療法がありませんので、それぞれの石の現場の経験対応している状態です。

治療の方法としては、まずビスホスホネート系薬剤の服用をやめること、長期間の抗菌剤の投与などがありますが、完全に治すことが不可能な病気です。

高圧酸素療法や外科的治療がどのぐらい効果があるか、現在はまだわかっていません。ですから、顎骨壊死においては、それを予防することが最も重要になります。

ビスフォスフォネートを服用した場合による顎骨壊死を予防するには、歯科医と医師の協力が必要になります。

ビスホスホネート系薬剤を飲み始める前の予防とは?

ビスホスホネート系薬剤を飲み始める前には、必ず歯医者を受診し、歯の治療は全て終わらせておかなければなりません。

また、ビスホスホネート系薬剤を飲み始める時期は、歯を抜いた後の傷が完全に治ってからにしましょう。歯周疾患のケアも大切なことですが、歯を効率的に磨く指導などをしてください。

入れ歯をしている人は、義歯性潰瘍があるかどうかを注意して見て、歯の調整を行いましょう。

ビスホスホネート系薬剤を飲み始めた後の予防とは?

ビスホスホネート系薬剤を飲み始めた後も、飲み始める前の予防と同じように、歯医者に行き定期検診を受けましょう。

歯医者で検査を受ける場合には、骨が歯茎から露出していないかどうか、またエックス線写真で骨の状態がどうなっているのかをよく観察します。

もし、顎骨壊死の疑いがある時には、ビスホスホネート系薬剤の服用を続けるかどうかを考えなければなりません。

グラグラしている歯は固定して、できる限りそのままの状態を保つようにしてください。

どうしても抜かなくてはならない歯がある場合には、ビスホスホネート系薬剤を処方している医師と相談して、服用を一時的に中断するか、あるいは継続するかを慎重に判断しなければなりません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

骨粗鬆症の治療薬「ビスフォスフォネート」の副作用で発症する顎骨壊死は、大変治療が困難な病気です。

顎骨壊死は、あごの骨が部分的に死滅し、骨が腐ってしまい、もともと口の中に存在する細菌に感染され、痛み、膿、腫れなどの症状が現れます。

その他にも、歯がグラグラになったり、下くちびるが常に痺れたような感じがしたり、倦怠感などがあります。

完全に治癒することは不可能なので、骨粗鬆症にならないための予防法が最も大事になります。

骨粗鬆症の予防法は、歯科医師、またはビスフォスフォネートを処方する医師と良く相談しましょう。

  
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