げっぷが多い原因は?病気の可能性と対策方法を紹介!

人前でのげっぷはマナー違反で失礼だとされているので、げっぷが何度も込み上げてくるようだと困ってしまいますね。人目が気になるというだけでなく、大きなげっぷは異臭もでたり、本人も決して気分の良いものではありません。

げっぷが出るには、原因があります。原因を知ることによって、必要な対策法もみえてきます。どうしたらげっぷの回数を減らせるのか、方法を探っていきましょう。

げっぷはなぜ出るの?

人前でするとマナー違反とみなされ、嫌な顔で見られてしまうのに、なぜげっぷなんて出るの?と単純に思ったこともあるかもしれません。体の反応には、必ず意味があります。げっぷの現象と役割について説明します。

げっぷ

げっぷとは何か

げっぷという言葉は、げっぷをするときの音に由来します。げっぷの現象は、胃の中の空気が口からでてくることによって起こります。

東洋医学では、曖気(あいき)と呼ばれます。胃の中のガスは通常下に向かいますが、胃が弱っているなど下に空気が下りていけないときに、上がってげっぷとして出てきてしまうのです。

げっぷの役割

げっぷは汚くて不快だから不要なもの、と決めつけることはありません。

げっぷは人間が成長する過程で大切な役割を果たしてくれているのです。生まれて間もない赤ちゃんにげっぷをさせるという話を聞いたことがありませんか?赤ちゃんが生まれると、ミルクを飲ませる度にげっぷを出すよう医師や助産師から指導を受けます。赤ちゃんはミルクと一緒に飲んでしまった空気をうまく処理することができないので、げっぷによって口から排出させるのです。

空気が胃に溜まってしまうと息苦しくなり、逆流を起こして大量に吐いてしまうこともあります。げっぷをさせることで、ミルクを飲んで苦しくなったり、吐いたりする症状を予防することができるのです。

体の防御反応

赤ちゃんとちがって、大人は食べ物や飲み物と一緒に空気を体内に取り入れても、体内で処理することができます。ただ、炭酸飲料を飲むとげっぷが出るように、通常処理できる量以上の空気が入ってきたときには食道に空気が逆流してげっぷがでるのです。

こういうときのげっぷは、した後にすっとつかえが取れる感じがあります。上品な行為ではないといわれるげっぷですが、体内の環境を整えるために必要な防御反応なのです。

げっぷが多く出る原因について

炭酸飲料を飲んだわけでもないのに、頻繁にげっぷが出るのはなぜでしょうか。考えられる原因や病気を挙げていきます。

痛み

食べ過ぎによるもの

炭酸飲料や飲み物を飲んだときだけでなく、食べ過ぎでもげっぷは起こりやすくなります。食べ過ぎると、胃の本来のはたらきを邪魔して消化能力が落ちます。食後に出るげっぷや、出ると楽になるげっぷは食べ過ぎによるものが多いです。

酸腐臭がしたり、口の中の後味もわるいげっぷです。食後急に起こるため、なかなか我慢できないげっぷでもあります。食べ過ぎにより伴うほかの症状として、お腹が膨らんだり、胸やけがしたり、下痢やおならなどがあります。

胃の不調

胃の機能が弱まっていると、口から取り入れた余分な空気が下に降りる力が弱まります。

暴飲暴食による胃の乱れや、風邪を引いたことによる胃腸の衰弱、ダイエットや食欲減退で長時間胃にものがない状態でも胃の機能は弱まります。少し食べただけでお腹が張ったり、あまり量を食べられない、気力が出なくて疲れやすい、運動をすると胃の調子が悪くなるといった症状を伴う場合は、胃の不調によるげっぷが考えられます。

胃の不調には、胃潰瘍や食道がん、胃がんなど深刻な病気が潜んでいることもありますので、健康診断を受けていない人は特に、念のため検査をしておきましょう。

空気嚥下症(くうきえんげしょう)

食事とは関係なく頻繁に出てしまうげっぷの原因は、空気嚥下症という病気によることが多々あります。通常の呼吸では、空気は気道に流れて肺に送られます。しかし、空気嚥下症の人は吸った空気が食道へ送られるのです。空気を飲み込んでしまう症状を、空気嚥下症または呑気症(どんきしょう)といいます。

空気嚥下症の人はげっぷが多いだけでなく、胃にも負担をかけています。お腹が空気で膨らんでいたり、周辺の臓器が圧迫されて息苦しさを覚えることもあります。げっぷと一緒に胃液が逆流して気分が悪くなったりもします。空気嚥下症は、主にストレスなど心理的要因によって発症します。

胃や食道の逆流症

げっぷと共に胸やけや胃もたれ、食べ物がつかえている感じがしたり、苦い液や酸っぱいものが込み上げてくる感じがあれば、逆流性食道炎などの可能性があります。

胃の手術をしていたり、胃酸過多、アルコールの飲みすぎ、たばこやストレスなど原因はさまざまです。特に横になると逆流が起きやすく、げっぷで夜中に目を覚ましてしまうこともあります。

胃酸過多症(いさんかたしょう)

胃液から塩酸が過剰に分泌される胃酸過多症の人も、げっぷが多くみられます。自覚症状にはげっぷのほかに、食後1~3時間の間に胃の圧迫感や緊張感、胸やけなどを伴います。

胃酸過多症の原因は食事による負担と精神的負担、そして生活習慣の乱れによる体力低下などによる胃の興奮状態です。ストレスから食事内容まで、胃の負担を軽くすることが第一の対策です。

1回の食事量を減らし回数を増やすこと、食後の休憩、睡眠姿勢の改善やコーヒーや香辛料といった刺激物の制限が症状改善の効果をもたらします。

妊娠によるもの

妊娠4ヶ月頃までの初期症状と、妊娠中期から後期にかけての症状の一つに、げっぷがあります。

初期はまだ胎動もなく、妊娠だと気づいていない人も多いので、胃の不調によるものだと思い込んで薬を飲まないように注意が必要です。げっぷと共に胃もたれや胸やけがすることもあります。

妊娠中期以降のげっぷは、赤ちゃんが大きくなってきて子宮で胃が圧迫されることによって起こります。逆流性食道炎と同じ状態とみてよいでしょう。

げっぷの回数を減らすための方法

所かまわずげっぷが出てしまうようなら、本人も段々あきらめて無頓着になっていきます。すると、病気のサインを見逃してしまったり、周囲に不快な思いをさせて平気な人と見られて、嫌われたり避けられることにもなりかねません。

とはいえ、げっぷは生理現象なので、気合いだけで止める方法はないのです。我慢しても、すでに気道には移せないので、やがておならとして出ることになります。げっぷが多く出る現在の状態を改善する方法を知っておきましょう。

野菜2

食事と無関係のげっぷや他の症状があるケース

食事と関係なくげっぷが多く出たり、胃の痛みやのどのつかえ、腹痛などと伴うげっぷには、深刻な消化管の病気が潜んでいる可能性も否定できません。上腹部分には、胃、十二指腸、胆のう、すい臓、肝臓など、さまざまな臓器が集まっています。これらの臓器の疾患の症状としてげっぷが出ている場合もあります。

症状だけで、素人が病気を正確に突き止めることは到底できません。病院にかかり、いつから、どのようなときに、1日にどのくらいの頻度でげっぷがでるのかを医師に伝えましょう。付随する症状があれば、詳しく説明してください。

脂肪を控えて和食中心の食生活に

頻繁なげっぷで悩む若い人の間に急速に広まっているのが、胃酸過多症です。食生活の欧米化が背景にあるともいわれています。脂肪分を多く取ると、胃酸の分泌が活発になるのです。洋食店の料理や市販のコンビニ弁当などには、日本の一般的な家庭料理よりも多くの油や脂肪分が含まれています。

自宅で丁寧に料理をすることで、意識的に脂肪分を減らすことができます。料理をするのが面倒という人は、外食でも和定食を頼んだり、コンビニではバナナやヨーグルトといった、体にやさしくビタミンやミネラルを含んだ食品を選ぶようにしましょう。コンビニでサラダを買うときは、ノンオイルドレッシングを選んでください。

朝食を食べること

夕食を食べてから入浴し、睡眠をとると、朝食までに9~12時間程度は空くことになります。さらに朝食をとらずに昼食の時間を迎えてしまうと、体は飢餓状態です。

ここでいきなり大量の食事が入ってくると、胃は停止していた状態から突然フル稼働しなければならず、大きな負担がかかります。胃は消化活動に専念するため、通常は処理できる空気が逆流してげっぷとして出やすくなります。また、暴飲暴食を繰り返すことで胃の不調にもつながります。

朝食の代わりにコーヒーを飲むという人がよくいますが、これも胃に負担をかける行為です。ただでさえコーヒーはカフェインを含み、体にとっては刺激物です。空っぽの胃に突然刺激物を流し込むと、胃は悲鳴をあげています。目覚めの飲みものとしておすすめは、常温のお水です。寝ている間に失った水分を補い、胃に目覚めたことをやさしく伝えます。そして、朝食を消化できるよう胃が準備を始めてくれます。

ゆっくり食べて一気飲みはしない

げっぷの回数を減らすためには、空気を飲み込まないようにゆっくりと食事をすることが有効です。急いで流し込むように食べると、空気が食べ物と一緒に食道に飲み込まれやすくなります。

また、飲み物を飲んでげっぷが毎回出てしまう人は、休まず一気に飲んでいることが多いです。女性はゆっくりと飲む傾向にありますが、スポーツ経験がある人などはペットボトルなども一気に半分くらいまで飲み干してしまうことがあります。これはげっぷが出やすい飲み方です。げっぷを出したくない接待などでは、空気を含んでいる炭酸飲料やビールは避けて別の飲みものにするか、少量ずつ口に含むようにするとげっぷが出にくくなります。

ストレスをため込まない

食事と関係なく頻繁にげっぷが出てしまう空気嚥下症は、体質的な人もいますが、ストレスから起こる人も多いのです。緊張感や不安感など精神状態が良くないと、唾を飲み込む回数が自然と多くなりますが、生唾を飲むと空気も一緒に飲み込みやすいのです。

抗不安剤などの服用をすすめる人もいますが、副作用も気になります。カウンセリングを受けたり、信頼できる家族や近しい友人に心の悩みを打ち明けると、自覚はなくても心の負担が軽くなります。オフィスワークだったり、専業主婦で室内にいる時間が長い人は、太陽を浴びる時間が少なくなっていませんか。日射量が少ない国では、うつ病になる人が多いことが知られています。

積極的に太陽の光を浴びて、何も考えずに好きなことをして、リラックスする時間をつくることをおすすめします。

まとめ

食事などと一緒に食道に飲み込んだ空気が、胃に入り、胃の中の圧力が高まって上に押し戻されて出るのが「げっぷ」です。

飲食後のげっぷは、バランスの取れた食事をゆっくりと食べることで緩和されます。食事と関係なく頻繁にげっぷがでるときは、胃炎や胃潰瘍、胃がんといった胃の病気によるものだったり、他の臓器の異常による可能性があります。放置すると悪化する病気も多いので、医師の診察をなるべく早く受けるようにしてください。

また、ストレスや緊張感といった精神的な要素によってげっぷが出ることも多いです。自分でも気づかないうちにストレスをため込んでいる人もいます。毎日太陽の光を浴び、規則正しい生活を送って、先のことを不安に思ったり過去を後悔する時間をなくしましょう。今を楽しむことが、心の健康維持の秘訣です。

  
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