鼻ポリープは手術が必要?治療方法や症状について!

「最近、鼻づまりが続くなぁ」「何だか鼻の中に違和感を感じるのよね…」。そのような症状がある方は「鼻ポリープ」、通称・鼻茸(はなたけ)という病気にかかっているのかもしれません。

あまり聞き慣れない病名だと思いますが、要するに鼻の中におでき(ポリープ)ができる疾患です。目に見えない部分にできるポリープであるため、知らず知らずのうちにかかっている方もいるようです。

ここでは鼻にポリープができる原因や症状、治療法などについてご紹介します。鼻の中にはまれにガンもできます。 あなたの鼻のおできがどのようなものなのか、判断のヒントになる情報もご紹介しますので、ぜひとも最後までご覧下さい。

鼻ポリープ(鼻茸)とは?

鼻おとこ

鼻ポリープとは、慢性副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症(ちくのうしょう)や慢性鼻炎などに付随する良性のできもの(ポリープ)の一種で、鼻の奥にある副鼻腔(ふくびくう)という空間にできます。

春先に多くの人を悩ませる「花粉症」も発生要因になりうるため、長引くようであれば早めに医療機関を受診して、適切な治療を受けることが肝心です。

鼻ポリープは柔らかな白色のできもので、その形状がキノコの傘の部分のようにみえることから、鼻茸とも呼ばれています。えのき茸の頭の部分のような形と言えばわかりやすいでしょうか。大きいものには大人の親指ぐらいのものもあるそうです。

ひとつだけできる場合もあれば、複数できるケースもあります。また、子どもからお年寄りまで、あらゆる世代の方々がかかる可能性のある病気です。

鼻ポリープの症状

頭痛

では、鼻ポリープにはどのような症状があるのでしょうか?風邪と非常によく似た症状がみられますので、自己判断は禁物です。

初期は鼻水・鼻づまり、頭痛や嗅覚障害も

子ども

鼻ポリープは鼻の奥にできるので、はじめのうちは気づかないことがほとんどです。理由は空気の通りが悪くなるほど大きくないからです。

しかし、ある程度の大きさになってくると空気が通りにくくなって鼻づまりが起き、さらに大きくなると鼻腔を塞ぐようになります。多くの人が異常に気づくのは鼻づまりが起こるようになってからです。風邪や鼻炎は治ったのに「なぜ、鼻づまりだけ治らないんだろう?」と鼻の異常を感じるわけです。

鼻ポリープが鼻腔を塞ぐようになると、鼻の中に圧迫感を感じるのはもちろん、頭痛や軽度の難聴や中耳炎などを引き起こす耳管狭窄症(じかんきょうさくしょう)にかかることもあります。

そのほか、鼻の奥の臭いを嗅ぎ取る部分を塞いでしまうため、臭いを感じにくくなったりします。そのため、食事をしてもおいしく感じなくなるケースも少なくありません。また、イビキが大きくなったりすることもあります。

鼻を変形させてしまうことも!

さらにひどくなると鼻ポリープが鼻の穴から見えるようになります。ここまでひどくなると、鼻ポリープが鼻を変形させてしまう可能性も出てきます。

「鼻ポリープは良性のできものだから大丈夫だろう」と思って放っておくと、重大な結果を招きかねません。長引くようでしたら早めに医療機関を受診するのがいいでしょう。

喘息のような「咳」

ぜんそく

「咳」が続く場合にも鼻ポリープを疑ってみる必要があります。詳しいメカニズムは後述しますが、白血球が増え過ぎると体のあちこちに炎症が起こります。その炎症がもとで鼻にはポリープができますし、気道は炎症を起こして咳が続いてしまうというわけです。

この咳はなかなか治らないため、喘息のような症状を引き起こします。大人になってから喘息にかかった人は、炎症による鼻ポリープを発症する方が多いといわれています。

鼻ポリープは鼻水や鼻づまりの症状があり、炎症は咳を引き起こします。そのため、風邪と間違えられるケースも少なくありません。治りにくい場合は内科と耳鼻咽喉科、複数の医療機関を受診するのもいいでしょう。

鼻ポリープができる原因

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実ははっきりとした原因はわかっていません。ただし、関係性が疑われるものがいくつかありますので、それをご紹介します。

慢性鼻炎や蓄膿症による刺激

鼻ポリープを発症している方の多くは、慢性鼻炎や蓄膿症にかかっているケースが多々みられます。そのため、慢性鼻炎や蓄膿症などによる膿のような鼻水が、鼻の粘膜を長期間刺激することで発症するのではないかとみられています。

つまり、刺激を受けた粘膜の血管が腫れてしまい、鼻ポリープに変質するという説です。

蓄膿症については、蓄膿症が臭い!症状や予防方法を知っておこう!を参考にしてください。

白血球による炎症

白血球

ほかにもアレルギーや細菌に対する白血球の作用を原因として指摘する声もあります。

鼻の粘膜が細菌や真菌類などの異物によって刺激されると、白血球の一種である「好酸球」(こうさんきゅう)や「好中球」(こうちゅうきゅう)などがその場所に集まってきます。これらが異物を攻撃、殺菌してくれることで、私たちの体を守ってくれているのです。

しかし、まれに好酸球や好中球が増えすぎてしまうと、私たちの体まで攻撃してしまうことがあります。これにより炎症が起きて、鼻ポリープができてしまうのです。

白血球が多くなる原因についてについては、白血球が多い原因は?症状や病気の可能性についてを参考にしてください。

乳幼児には特に注意!

鼻づまり

気をつけてほしいのは乳幼児への対応です。

特に「抗鼻孔(こうびこう)ポリープ」は、子どもに多くみられる特殊な鼻ポリープです。主に、上あごの骨の中にある副鼻腔の最大の空洞、上顎洞(じょうがくどう)にできたポリープが大きくなって、喉の奥の抗鼻孔という場所に出てくるものです。鼻や喉、耳は空洞でつながっていますから、このようなことが起きるのです。

このポリープは大きくなると喉を塞いでしまう可能性があるため、手術で取り除かなくてはなりません。

乳幼児は風邪にかかりやすい上に鼻の穴が小さく、鼻づまりを起こしやすいものです。鼻の粘膜が鼻汁により刺激をうけやすいと言えるでしょう。小さなお子さんがいらっしゃるご家庭は、こまめに鼻水の吸引をするなどして特に注意してあげて下さいね。

悪性腫瘍と鼻ポリープの違い

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最も気になるのが、鼻の中のできものが悪性腫瘍、つまりガンであるのかないのかでしょう。ここではガンと鼻ポリープの違いについてみてみます。

ガンならゴツゴツした形が多い

まれなケースですが、鼻の中にもガンができることがあります。これは皮膚ガンの一種で、「悪性黒色腫」(あくせいこくしょくしゅ)と呼ばれます。

悪性黒色腫は、ほくろや肌の色素をつくる細胞がガン化したものですが、鼻の中にできるものはそれほど黒くありません。

鼻ポリープとの違いはその見た目にあります。鼻ポリープはキノコのように白っぽくて柔らかいのが特徴ですが、ガンは赤黒くてごつごつした形をしていることが多いのです。鼻ポリープはえのき茸の傘のようであり、ガンはさながら火山の溶岩が固まった岩のような形をしているのです。

ただ、長期化する場合や大きくなる場合は念のため、早めに医療機関を受診して下さい。検査には視診のほか、副鼻腔のエックス線検査やCTスキャン、組織の一部採取などがあります。万が一のことがあるため、自己判断は禁物です。

鼻ポリープの治療法について

手術

鼻ポリープの治療法には、薬によるものと手術によるものがあります。最近は患者さんの体への負担を軽減する医療機器も登場していますから、医師と相談して治療法を決めるといいでしょう。

抗生物質やステロイドを使用

初期における一般的な治療法は、抗生物質を服用したり、強力な抗炎症作用を持つステロイド(副腎皮質ホルモン)の塗り薬を使います。これで多くの鼻ポリープは小さくなります。

アレルギー性鼻炎を発症してる場合は、アレルギー治療薬としてよく使われる抗ヒスタミン薬を服用します。

最新機器を使えば手術は10〜15分

しかし、症状が進行している場合や、1カ月程度の長期にわたり薬の効果が現れない場合は、切除することになります。手術と言っても大げさなものではありません。局所麻酔をして体への負担を最小限に抑えたものです。そのため日帰りも可能です。

鼻ポリープがひとつの場合は、鼻の穴から先端が輪の形をした針金を入れて、それを鼻ポリープに締め付けて切除、取り除きます。複数の鼻ポリープができている場合は内視鏡を使うほか、「マイクロデブリッター」という最新機器を使うケースもあります。

この機器は、切除した組織や傷口から出てくる血液を自動的に吸引するため、医師が患部をクリアにみながら施術を続けることができます。また、カッター部分が高速回転するため、従来より手術時間を10~15分に短縮することができるというメリットもあります。

手術後の流れについて

手術後に止血をしても鼻の粘膜は弱いため、出血することも珍しくありません。そのため傷口を炭酸ガスレーザーで焼いて、血が出ないようにします。

それでも出血する可能性がある場合は、術後数日間は抗生剤を塗ったガーゼを鼻の中に詰めるほか、抗生剤と消炎鎮痛剤を服用します。1カ月程度で傷口は完治するようです。

【切除しても再発することも】

鼻の穴

ただ、一度切除しても再発するケースもあります。はっきりとした発生原因はわかっていないものの、鼻ポリープは蓄膿症や慢性鼻炎との関係があるのは間違いないようです。

そのためこれらの病気を根治しないと、鼻ポリープも再発してしまう可能性があるのです。鼻ポリープの再発を回避するためには、蓄膿症や慢性鼻炎の治療が近道と言えます。

まとめ

鼻かむ

どうですか?「鼻ポリープ」とはどのような病気なのか、ご理解いただけましたでしょうか。

「良性」のポリープであるため、あまり重大な病気と考えない向きもあるようです。しかし、放っておくと、肥大化してさまざまな悪影響を体に及ぼすため軽視するのは禁物です。ガンの可能性もありますので、黒っぽい鼻血が出る場合や形がゴツゴツしている場合は特に注意してください。

初期段階で自分で気づくことは難しいため、鼻水や鼻づまり、せきが続いた場合は早めに医療機関を受診した方が安心ですね。

今回の情報がみなさんの鼻のコンディション向上に役立てば幸いです。この機会に大切な嗅覚を司る鼻をいたわってみてはいかがでしょうか。

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