重症筋無力症とは?症状や原因、治療方法を知っておこう!

けっして怠けているわけではないのに、運動を続けた後や夕方の疲れが出る時間になると具合が悪くなり業務がおろそかになる・・・どこか痛いわけでもないし、病気でもないはずなのに、なんだか身体に力がはいらない。周りの人からは「努力がたりないんじゃないか」「なまけ病だな」などと言われて辛い・・・

世の中には、「難病」と指定されている、原因もあまりよくわかっておらず、かつ、診断もつきにくく、治療法が確立されていない病気があるのをご存知ですか。現在、厚生省が難病と指定している病気には、パーキンソン病やシェーグレン症候群、サルコイドーシス、筋委縮性側索硬化症をはじめとして306種あります。その中にある難病が、先天性筋無力症重症筋無力症です。

これら難病は、世間であまり知られていないこともあり、本人が病気だと気づきにくいことも多いため、病気と知らされずに周りの理解や協力が得られないものが多いのが現実です。

今回はそんな難病のひとつ、「重症筋無力症」をとりあげてみます。後に挙げる症状に思いあたるふしがある人はどうか一度検査を受けてみてください。そして、周りにこのような症状を持つ人がいるのを見たら、どうぞ声をかけてあげてください。早期発見により早期治療開始出来れば、服薬しながら病気と共存し社会生活を送れる可能性の高い病気なのですから。

重症筋無力症とは

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厚生労働省が指定する特定疾患の1つで、難病とされています。神経が筋に信号を伝える働きに何らかの障害が起こることで、体のいろいろな部分で連続した力を出しづらくなるといった症状が出る病気です。

発症年齢は小児から高齢者までと幅広く、現代では高齢者の発症が増えてきています。2006年の日本全国調査では、患者数は15,100人という調査結果がでています。1980年代からは医学の進歩により様々な治療法も出てきたことにより早期診断による早期治療が可能となったため、筋無力症が原因で死亡してしまうことはほぼ無くなり、的確な治療を受けて、病気と共存しながら社会生活を送る人も沢山います。

しかし、2014年には「重症筋無力症診療ガイドライン2014」が発刊となり、筋無力症の治療の方向性が示されましたのですが、病気事態が未だ分からない部分が多いために、医師や病院施設の治療方法に対する考え方にも大きな違いがある状態です。疑いをもって病院にかかるときには、セカンドオピニオン、サードオピニオンも受けることをおすすめします。

筋無力症と重症筋無力症の症状の違いと現代治療

重症とつくとそのほうが症状が重いと勘違いされがちですが、たいていは同じ病気をさしています。筋無力症(あるいは重症筋無力症)には、症状によっていくつかに分けられ、それぞれに効果的な処置法が異なります。筋無力症は免疫疾患ですので、良くなることはあっても、医学的にいう「完治」は、残念ながらないのが現状です。また、治療に使われる薬の副作用による別の病気や症状も心配されています。

また、重症筋無力症と似た症状の「先天性筋無力症」という病気もあります。こちらは、疾病の原因に遺伝子が関与しているといわれています。このふたつの症状は良く似ていますが、先天性筋無力症には進行性はあまりなく、また高齢になってからの発症はまず見られないのが特徴で、別の病気とされています。先天性筋無力症と重症筋無力症の違いについては、次の考えられる原因のところで詳しく説明します。

考えられる筋無力症の原因

神経と筋をつなぐ部分に障害が生じ、筋力が低下すると言われていますが、いったいどういうことなのか、詳しく見てみましょう。

人が手足を動かすしくみ(神経筋接合部の働き)

人は、脳が何かを考えたときに、体への信号を発します。たとえば、人は意識はしていなくとも、ほこりの多いところでは自然とまばたきをする回数が増えます。

これは、脳が”眼を守ろう”と考えるためです。脳はまばたきをするように命令を出し、その命令は脊髄から神経を伝わってゆき、「神経筋接合部」と言われる体の重要な部位へつたわり、その神経筋接合部から、筋へと信号が伝わることで、まぶたにある筋が動き、まぶたはぱちり、とまばたきするのです。これが、人が手足を動かす仕組みです。

しかし、この「神経筋接合部」への信号が、きちんと伝わらないと、思うように筋を動かせません。神経筋接合部には、信号を受け取る「受容体」と呼ばれる部分があります。この受容体は普段は守られているものなのです。

それが、何らかの理由で、受容体に対する抗体が自分の体の中で作られてしまう(自己抗体という)ことで、受容体への信号伝達が邪魔されて生じる病気が、「重症筋無力症」なのです。

信号伝達に障害が生まれ、筋肉を繰り返し使用してしまうことで、筋力が低下してしまうことから、筋無力症と呼ばれています。筋肉そのものに原因があったり、力が入らなったりする病気ではなく、神経の伝達障害により、筋肉を過労させてしまい、結果として筋力が低下してしまうという、神経の病気なのです。

重症筋無力症の症状はさまざま

重症筋無力症では、何らかの免疫不全により、伝達する神経がうまく働かなくなり、筋肉に命令がゆかずにある部分の筋力が弱くなってしまうものです。弱くなる箇所は人によって様々で、目の周りやまぶた、口のまわりや肩の周辺、腕や足腰など本当に様々です。

また、症状の程度も人によって違いが大きいため、この症状だったらこの病気でこの治療法、と決められないのがつらいところです。しかし、顕著な症状もありますので、部位ごとに一つ一つ見てゆきたいと思いますが、まずは症状から分けられる、筋無力症の種類からみてみましょう。また、良く似た症状の筋肉の病気もありますので、合わせてご覧ください。

重症筋無力症の種類

神経受容体

症状からみた分別では、大きくわけて、2つあります。全身型と眼筋型です。全身型は全身に症状が出るもの、眼筋型は、中でも眼のまわりだけにしか症状が出ないものをいいます。重症筋無力症を訴えてくる患者さんのおよそ半数は、眼の周りの症状を特に訴えるのですが、そのうち50%~60%の患者さんが、発症2年以内に全身型重症筋無力症に移行するといわれています。

また、重症筋無力症の症状の特徴として、日内変動や易疲労性が見られることがあげられます。

医学的には、発症の経緯と状態や時期にわけ、3つの分類とされています。

早期発症重症筋無力症

50歳未満で発症する重症筋無力症をいい、女性と小児に多いのが特徴です。また、胸腺の過形成を合併している場合が多いため、胸腺の切除手術も同時に必要となることがあります。胸腺過形成については、後述する合併症の項をお読みください。

後期発症重症筋無力症

50歳以上で発症するもので、眼筋型が多いのが特徴です。胸腺には異常が見られないことが多いのも特徴です。

胸腺腫関連重症筋無力症

40歳から60歳代に発症することが多く、重症に進展することも多いものです。筋症状以外の、非運動症状とよばれる症状が出ることも多く、早期に胸腺腫を切除することがのぞましいとされています。

胸腺腫から重症筋無力症になるケースと呼ばれるのがこのケースですが、胸腺腫の患者さんが、自己免疫疾患を持っている場合が多いためで、胸腺腫だから必ず重症筋無力症になる、というわけではありませんが、他の自己免疫疾患からくる病気になる可能性もあるので、早期発見が重要になってきます。

全体通しての症状の特徴(日内変動と日差変動と易疲労性)

日内変動(にちないへんどう)

普段、人は脳内にある体内時計によって、体温や心拍数をはじめ、血圧の値や睡眠のリズムがコントロールされて変動しています。体温は朝が最低で夕方が最高となる、生理的なリズムです。

重症筋無力症も、この日内変動にそって、1日の中でも午前中より午後のほうが、また朝より夕方の方が症状が出やすいとされています。朝は元気なのに、夕方になるといきなりだるくなる、というような具合です。

日差変動(にっさへんどう)

また、日内変動があるとはいっても、その日によって差があり、疲れやすさや症状の度合いが違うのも特徴です。ある日はだるくなく元気だけれど、ある日はひどく疲れているというようなことが起こるわけです。

たまたま、前の日が忙しいなど思い当たる理由がある場合、無理しすぎたからだるいのだと思いこみがちですが、思い当たる点もないのに、なぜか夕方になるとだるい気がする、ときどき物を落としてしまう、といったことがある場合、一度検査を受けてみるのもよいでしょう。

易疲労性

易疲労性(えき ひろうせい)とは、通常より疲れやすい体質のことをいいます。簡単にいうと、「疲れやすさ」のことです。パーキンソン病などの場合も、この易疲労性が現れます。

その他の病気が原因で易疲労性になってしまうこともありますが、重症筋無力症の場合は筋力が低下するため、筋肉そのものが疲れやすくなってしまうものです。

眼筋型重症筋無力症

重症筋無力症の中でも、眼の周りだけに症状があらわれるものをさします。

目の周りの筋肉に影響が出ている場合

  • 眼球を動かす筋肉の力が弱まり、物が二重に見える
  • 斜視が残っている
  • 瞼が重くたれる(眼下下垂)
  • まぶたが落ちて、開けにくくなる

全身型重症筋無力症

眼の周りだけでなく、全身のいたるところに症状が出るものをいいます。

部位別の主な症状

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部分的に顕著に影響がでていない場合

  • 朝は元気なのに、夕方になるとだるくなる
  • 疲れがとれにくく、慢性疲労のような感じがする
  • 筋肉を酷使するような運動をしてもいないのに、物をおとすことが多くなった、つまずいたりしやすくなった
  • まぶたが垂れ下がってきた
  • 口のまわりがだらしない感じにさがってきた
  • 笑っているつもりなのに、怒っているの?と聞かれた

など、年齢のせい、忙しすぎたせい、と見逃しがちな症状でもあります。これらが顕著になってくると、下記のような症状に進展します。部分別に見てみましょう。

口のまわりや喉に影響が出ている場合(球症状)

  • あごの力が弱くなり、話しづらい(構音障害)
  • あごの力が弱くなり、食べ物を噛むことが難しい
  • 口腔内の筋肉が弱まり、嚥下(物を飲み込むこと)が難しい(嚥下障害)
  • 舌が動きにくく、ろれつが回らない
  • 喉の動きが悪く、ものを飲み込むのが辛い
  • 咽喉の動きが悪くなり、むせてしまう

呼吸器に関わる筋力が低下している場合(呼吸症状)

  • 日常生活で息苦しさを感じる
  • 呼吸困難に陥る
  • ひどい場合、呼吸不全になり、人口呼吸器管理が必要になる(クリーゼ)

顔の筋力が低下する場合(球症状)

  • 顔半分、あるいは一部分(頬など)が垂れ下がってくる
  • 口の周りの症状(球症状)などと一緒に顕れることもある
  • 笑顔をつくろうとしてもうまくいかない

手足に影響が出てくる場合(四肢筋力低下)

  • 手の筋力が弱るため、物を落としやすくなる
  • 物をうまくつかめなくなる
  • 腕をあげているのがつらい
  • 足を上げる動作がしづらく、階段など休み休みでないと登れない

よく似た症状の別の病気

先天性筋無力症

症状はほとんど、重症筋無力症と同じですが、こちらは原因が遺伝的なもののため、幼いころから青年期ぐらいまでに発症するのが普通です。重症筋無力症と同じように、神経筋接合部の分子に、先天的な欠損があったり、機能異常があったりするため、筋力低下や易疲労性が出てしまいます。

  • 神経筋接合部の受容体そのものが欠損する「終板アセチルコリン受容体欠損症」
  • アセチルコリン受容体の受け止める入口が開く時間が異常に長くなる「スローチャンネル症候群」
  • 逆に異常に時間が短くなる「ファーストチャンネル症候群」
  • また別のチャンネルの開口がうまくゆかない「ナトリウムチャンネル筋無力症」
  • アセチルコリン分解酵素が欠損している「終板アセチルコリンエステラーゼ欠損症」
  • 神経終末のアセルチコリンを再合成する酵素が欠損してしまう「発作性無呼吸を伴う先天性筋無力症」

に分類されています。

このどれもが、先天的な分子配列の異常などからくるため、多くの場合は生まれてすぐに泣く力が弱かったり、お乳を吸う力が弱かったりという症状があらわれたり、重度の場合は呼吸困難のために人工呼吸器が必要なほど筋力低下がみられる場合もあります。

一度症状が出ても、いっとき軽くなることもあり、幼少期にはいって改めて持続的に筋力低下がみられたり、または運動をくりかえすにつれて筋力が弱くなってしまう、筋無力症状が現れることもあります。この筋無力症状による筋力低下の場合、日内変動はあまり明らかには出ず、日ごとに違う日差変動のほうがはっきり見られることが多いようです。

上記の筋無力症の中のスローチャンネル症候群については、出生時には分からず、成人してから発症する場合も多くあります。

これら先天性筋無力症は、遺伝性もありますが、重症筋無力症には遺伝性がないのも大きな違いです。

ランバートイートン症候群

重症筋無力症とおなじく、神経筋接合部での障害が原因の病気です。重症筋無力症の場合、命令の受け側である受容体に対して体の中に抗体を作り出してしまい、受容体がうまく働かなくなる病気ですが、このランバートイートン症候群は、神経から筋への伝達されるべき物質そのものの量が減ってしまうことで、命令がきちんと伝わらず、うまく力が入りにくくなる、という違いがあります。

肺がんと合併して起こることも知られており、症状のほとんどは手足に多く現れます。重症筋無力症に多い眼や喉に出る眼下下垂や嚥下障害は、この病気ではほとんど見られません。四肢については運動を続けることで徐々に力が弱くなってゆくところが重症筋無力症とそっくりなのですが、この病気では、運動を繰り返すとその後徐々に筋力が強くなってゆく傾向が見られます。

重症筋無力症との大きな違いは、重症筋無力症にはない、自律神経の障害があることです。口が乾きやすい、便秘になる、排尿障害がおきるなどの自律神経症状がみられることが特徴です。

筋委縮性側索硬化症(ALS)

よく似た症状があらわれます。やはり筋力低下が起き、重症筋無力症とおなじような喉の症状が出るのですが、大きな違いは、日内変動や日差変動、そして易疲労性が全くみられないことです。

開眼失行

眼を開けようとおもってもあけられなくなってしまう病気です。重症筋無力症にみられる眼瞼下垂との区別が難しいのですが、重症筋無力症では1日のうちに症状が変動し、眼を開ける動作も無理やり開けようとする必要はない場合が多いのですが、この病気の場合は、眼をあけようとするときに、額の筋肉に力を入れ、眉毛から上げて力をいれないと、眼をあけることができなくなります。

また、日内変動はないため、開けやすくなる時間がある、ということがないのが区別するポイントです。

眼瞼痙攣

まぶたに力がはいってしまい、眼を強く、ぎゅっと閉じた状態になってしまう症状です。こちらも日内変動がないため、重症筋無力症の眼瞼下垂とは区別がつきます。

しかし、開眼失行とは、やや区別がつきにくいことがあります。開眼失行の場合は眉毛が上がりますが、こちらは眼を強く閉じている状態になるので、眉毛は下がっているのが、区別のポイントです。

ちょっとでも疑わしいときは

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重症筋無力症は、日内変動、日差変動があるため、病気であることに気づきにくいものです。あやしいなと思ったら、まず検査を受けてみることをおすすめします。現在、血液検査はとても有効な診断手段となっています。

神経の病気ですから、神経内科への相談をおすすめします。また、冒頭に述べたように医師によって治療法の見解に差がある状態ですから、セカンド・サードオピニオンを求めることもおすすめします。

また、問診も病気を特定するのに重要な役割をしめしますから、できれば日記やスケジュール帳などに、何時から何時、まぶたが下がってきてTVがみにくかった、などとメモを残しておき、医師に相談するときにもってゆくとよいでしょう。重症筋無力症の場合は日内変動や日差変動が特徴となりますので、その日ごと、またその日の午前・午後、あるいは時間ごとに、とても元気◎ 元気○ だるい△など記号をつけておくとよいかもしれません。

日常見落としがちなチェックポイントは、最後のまとめのところに記してありますのでご覧ください。

合併症の危険性

重症筋無力症は、神経伝達がうまくゆかない病気だと述べました。受容体という命令を受け取る部分に、対抗する抗体が自分の体の中で作られてしまい、受容体の邪魔をしてしまうのです。

これら、受容体の邪魔をする自己抗体(自分の体の中でつくられる抗体)は、アセチルコリン受容体抗体と、筋特異的受容体型チロシンキナーゼ抗体 という二つの抗体が特定されており、現在ではさらにLDL受容体関連たんぱく質4抗体などが報告されてきています。

この受容体抗体の数値から、他の病気がわかることもあります。また、他の病気でこれらの抗体が多い場合は、重症筋無力症の発症に備える必要もあるということです。

胸腺腫(きょうせんしゅ)

重症筋無力症の中で、アセチルコリン受容体抗体が原因とされるものの多くが、胸腺(きょうせん)にリンパ球の成分が入り、大きくなってしまう(胸腺過形成)や、胸腺腫にかかっていることがあります。このうち、胸腺腫(癌)にかかっている場合は、前述したとおり、早期に腫瘍をとりのぞくことが必要となります。しかし、胸腺腫をとったからといって、重症筋無力症の予防になるわけではありません。

ただ、胸腺腫の患者さんの多くはアセチルコリン受容体の数値が高く、胸腺腫がアセチルコリン容体抗体を作り出しているかもしれない、という説もあるので、胸腺腫にかかったことがある場合には、重症筋無力症の症状にも気をつけてみたほうがよいでしょう。

胸腺過形成

胸腺にリンパ球の成分がはいりこみ、大きくなってしまいます。以前は、この病気と重症筋無力症との関係が深いと考えられ、胸腺の増大した部分を切除することが望ましいとされてきました。

しかし、胸腺腫と違い、胸腺過形成の場合はこれを摘出したところで、重症筋無力症の予防にはならないため、高年齢の場合はとくに、摘出手術をしない治療方針が増えています。

主な治療方法

ステロイド

症状の段階により多少の違いがありますが、主に抗体の働きを抑えるためにステロイド剤や免疫抑制剤の服用が治療の中心となります。大量に服用せずに病状をコントロールできれば、健常者とかわらず生活をすることができることもあります。

しかし、ステロイド剤などの副作用などもありますので、医師と相談し、常に状態を報告し、病気とうまくつきあいながら、生活する必要があります。現在の生活の中で、どこを妥協し、どう暮らしてゆくかなど、医師への詳しい説明も大切になってきます。これから妊娠を望む人であれば、それに関する相談も必要となるでしょう。

まとめ

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はじめにも書きましたが、難病とは、まだ治療法が確立していない、原因もはっきりとわかっていない、そして完治の難しい病気です。けれども、長年不治の病とされてきた癌が治る病気となったように、医学の進歩は日進月歩ですから、これからも様々な治療法が生まれてくることでしょう。わたしも難病をかかえているので、日々のコントロールは大変ですが、服薬をつづけながら、健常者とあまりかわらない日常生活を送っています。

とても大変なことですが、難病をつきあってゆくには、精神的な柔軟さとタフさも必要となってくるでしょう。まずは病気を重症化させないために、「早く気付くこと」そして「適切な処置と生活を送ること」が重要になると思います。また、周りの人の協力や理解が得られない苦しい部分もありますよね。酷い場合には、知識不足の医師から、「運動不足だ」と片付けられた10代の重症筋無力症の患者さんもいるのです。とても悲しい話です。

それらに打ち勝つためにもまず、その病気について自分が良く知り、理解することが大切です。また、親しい人に説明をして、理解を得る、協力してもらうという、自分の周りの生活環境を整えることも必要となってくるでしょう。それでは最後に、日常生活で気づきにくい、チェックポイントをあげておきますね。

おかしいな?と思ったら(日常のチェックポイント)

  • 傘をもつ、歯磨きをするなどの日常動作で腕をあげているとだるくなってしまう
  • 走っていると足がだるくなり動かなくなる
  • 続けて階段をのぼることができなくなった
  • 歌をうたっていると鼻声になってしまう
  • 飲み物を一気に飲もうとしたとき、むせたり鼻にはいってしまうことが多い
  • 午後になると黒板の文字や道路のラインが二重に見える

早期発見、早期治療開始で重症化を防ぎましょう。難病については、セカンドオピニオン、サードオピニオンを受けることを強くおすすめします。

  
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