コーヒーと血圧の関係について!効果的な飲み方って知ってる?

世界中で多くの人に愛されているコーヒー。一説では嗜好飲料の中で最も多くの国で飲まれているのだとか。日本でも目覚めの一杯や休憩時間、食後の一服などににコーヒーを愛飲している人も多いのではないでしょうか。

健康にも良いと言われるコーヒーですが豊富にカフェインを含んでおり、そのカフェインが高血圧を引き起こすとも言われています。

その意外な関係性について説明したいと思います。

コーヒーと血圧の関係

血圧

コーヒーに含まれるカフェインが心臓に作用し、血管を収縮させ高血圧に繋がると言われています。

ですがこれまで数多くの研究が行われており、その中には「血圧には影響しない」と言う結果や「むしろ血圧を下げる」といった発表もあるそうです。

そもそも高血圧の原因とは

高血圧

高血圧は国内に3000万人以上いるといわれ、いわゆる国民病の一つとなっています。高血圧の基本的な仕組みとして、動脈を流れる血液の流れが悪くなると血管の隅々まで血液を流すためにポンプである心臓が圧力を上げなければいけません。その結果、高血圧の症状が現れてくるというわけです。

脳卒中や心筋梗塞の原因にも挙げられる、決して軽く見てはいけない症状です。日頃から意識し高血圧の予防に努めましょう。

高血圧の基準

  • 最大血圧  135~140mmHg以上
  • 最小血圧  90mmHg以上

どちらかの値が基準を超えている場合高血圧となります。

高血圧の主な原因

  • 塩分の過剰摂取
  • 肥満
  • アルコールの大量摂取
  • タバコを多く吸っている
  • 運動が足りない

などが主な原因として挙げられます。日常生活に密接している内容ばかりですね。言い返せば生活習慣を見直すことで高血圧の予防に繋がると言う事です。

高血圧については、高血圧の症状とは?めまいやしびれに注意!治療法も紹介!を参考にしてください。

コーヒーは血圧を下げる?

coffee2

これまでの定説では高血圧に繋がると言われていたコーヒーですが、アメリカでの研究では血圧を下げると言った結果が発表されています。

また血圧が上がってもその数値は僅かなもので、数時間で元に戻る事が分かっています。しかもこの変化は普段コーヒーを飲まない人による結果であって、常飲(一日に四杯以上)している人は飲んでも血圧の上昇がみられない事も判明しているようです。

つまりコーヒーによる血圧上昇は一時的であり、人によっては耐性のようなものができていると言えます。

血圧を下げる要因

意外にも血圧を下げると発表されたコーヒーですが、その要因はどう言ったものなのでしょうか。

カフェイン以外の成分による作用

コーヒーに含まれるクロロゲン酸などの「ポリフェノール」が動脈硬化を抑制し血圧を下げる効果があると言われています。紅茶や緑茶にもポリフェノールが含まれていますが、含有量はそれらの2倍程度で赤ワインと同等のトップクラスだそうです。

またフラボノイドという成分も含まれており、これが血管を弛緩させ血圧を低下させている可能性があるとも言われています。

カフェインによる利尿作用

血液の中の水分が増えると血液の全体量が増え血圧が上昇します。カフェインを摂取する事で腎臓に作用しナトリウム(塩分)の排出を促進し尿量を増加させます。このナトリウムには水分を引き込む性質があり、排出されると結果的に血液中の過剰な水分が減少し血圧低下に繋がります。

高血圧治療に利尿薬が使われるのもこの為です。

コーヒーの香り成分「ピラジン」の効果

コーヒーの香り成分の一つであるピラジンには血液内の血小板凝縮を抑え、血液をサラサラにする効果があります。

またコーヒーの香りによりリラックス状態になり、脳波にアルファ波が生じます。すると副交感神経が活性化され、血圧を下げる可能性があると言われています。

その他コーヒーを飲む事による健康効果

血圧を下げる以外にも様々な健康効果が期待されるのもコーヒーの特徴です。

脳、筋肉の活性化

眠気覚ましの為にコーヒー(カフェイン)を飲むと言う人も多いのではないでしょうか。これはカフェインが「アデノシン」の結合による精神鎮静を防ぐ事で、その結果神経を興奮させ脳の活性化を促す事によるものです。

またこの際、脳からアドレナリンが分泌され脳や筋肉が興奮状態となり、運動能力が高まるというわけです。運動する際、筋肉は脂肪酸を燃やしエネルギーを作り出します。カフェインには血液中の脂肪酸数値を上昇させる効果がありますので、特に持久力の必要なスポーツには強い味方となるでしょう。

ただし効果には耐性がついてしまうようで、個人差もありますが多量に常飲している人などは効果が薄れてしまう事もあるようです。

美肌効果

血圧を低下させる効果を持つクロロゲン酸は美肌効果をも持っています。これはクロロゲン酸による抗酸化作用によりシミの発生率が減少する事によるものです。

更にコーヒーの抗酸化物質はとても豊富で、果物や野菜のそれはコーヒーには遠く及びません。コーヒーの方が吸収率が高いのもポイントです。最近ではアンチエイジングの効果も期待されていますね。

二日酔いの緩和

二日酔いの症状である頭痛は、アセトアルデビドが血管を拡張する事が原因だと言われています。この拡張した血管をカフェインが収縮させ、更に利尿作用によってアセトアルデビドを追い出します。こうする事で血液の循環をスムーズにし症状の緩和に繋がります。

また肝機能を良い状態に保ちアルコールの分解にも力を発揮します。この肝臓への働きは他にもあり、一日に一杯以上のコーヒーを飲む人は肝硬変の発症リスクを20%低下させる事がとある研究により判明しています。お酒が好きな人の強い味方となってくれるでしょう。

コーヒーの正しい飲み方

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効果的なコーヒーな飲み方をご紹介します。

飲む時間帯

目覚めの一杯よりも朝食後が有効です。

人間の身体は8時~9時頃にコチゾールという成分により覚醒のピークを迎えます。その時にコーヒーを飲んでも大きな効果を期待できないので、目覚ましにはコチゾールが減少する9時30分~11時30分頃がちょうど良いタイミングとなります。

できるだけブラックで

慣れていない人にはブラックコーヒーは飲みにくいかもしれません。ですが砂糖を入れてしまうと、折角のカフェインの効果が妨害されてしまうと言われています。

初めの内は苦労するかもしれませんが、徐々に砂糖の量を減らしていきましょう。ブラックでコーヒー本来の味を楽しめるようになれば一石二鳥ですね。

一日の摂取目安

カフェインには毒性があり過剰摂取するのは好ましくありません。成人の方で「一日四杯(コーヒカップ(約150ml))」までなら健康に良いとされています(ただし妊婦の方は一、二杯が適量)。

くれぐれも飲みすぎには注意しましょう。

飲みすぎによるデメリット

コーヒーが健康に良いとされる中でも、飲みすぎると身体に悪影響がでる事もあります。その代表的な症状を紹介します。

カフェイン依存症に

カフェインを摂取すると脳内に快楽物質であるドーパミンが分泌されます。これにより身体がカフェインを求め、依存症となりコーヒーの飲みすぎに繋がってしまいます。

身体にとってカフェインは刺激物です。その刺激が過大になると身体や精神に症状が現れる可能性があります。代表的な症状がこちらです。

  • 身体への症状 動悸、胃痛など
  • 精神への症状 不安や焦り、不眠など

貧血

コーヒーの過剰摂取による症状で有名なものが貧血です。これは体内の鉄分がコーヒーに含まれるタンニンと化合し、吸収されず流出してしまう事によるものです。特に女性の方で生理中の場合は症状が悪化する危険性がありますので要注意です。

カルシウムの流出

カフェインの作用によりカルシウムの吸収を妨げられ、利尿作用により尿と一緒に排出されてしまいます。これが原因で長期的には骨粗しょう症を引き起こす事もあるとも言われています。

肥満につながる

血液をサラサラにし血圧の低下に繋がる効果がある「クロロゲン酸」ですが、過剰摂取により脂肪を溜め込む性質を持っています。

・流産、胎児への障害のリスクを高める

妊娠中の方がコーヒーを飲む際は特に注意が必要です。

カフェインは胎児へと繋がる胎盤をそのまま通過します。その結果、妊娠中に一日一杯のコーヒーを飲むだけでも胎児へ小児白血病、成長障害のリスクが高まるそうです。また胎児はカフェインを分解・排出する酵素を持たないため代謝物が脳内に蓄積する事もわかっています。

胃荒れの原因に

コーヒーには消化液の分泌を促進し、消化を助ける働きがあります。ですがこの効果が大きすぎると胃酸が胃の粘膜を刺激し胃荒れや胃痛を引き起こしてしまいます。

空腹時など胃に何も入っていない時には特に注意しましょう。

口臭

コーヒーに含まれるクロロゲン酸などが舌に付着すると、口の中を酸性にし唾液の分泌が抑えられます。唾液には口臭を抑える働きがありますので、結果として口臭の原因となるというわけです。これを防ぐにはコーヒーを飲んだ後に水などを飲み、舌に付着した成分を洗い流す事が一番簡単な方法でしょう。

この時軽くウガイをするようなイメージで、舌を動かしたり口の内側に擦りつけたりするとより効果的です。

まとめ

これまで紹介したようにコーヒーを血圧を下げる効果があるといわれています。ですが研究結果はマチマチであり、その効果も個人差が大きいと言えるでしょう。その事を踏まえポイントを簡潔にまとめました。

  • コーヒーを飲むと血圧が上がるがその症状は一時的である。(数時間程度)
  • 長期的には血圧を下げる効果が見込まれる。
  • コーヒーには様々な健康効果が期待できる半面、デメリットもあり飲み方には注意が必要である。
  • 一日に摂取する目安は四杯程度。ただし妊婦の方は一、二杯まで。

最後に

多くの健康効果が期待されるコーヒーですが、決して薬ではありません。あくまで食品、嗜好品の一つです。高血圧の疑いがある場合は、病院で適正な診断と治療が必要となります。日頃の生活習慣を見直し健康な身体を手に入れましょう。

  
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