瞳孔不同の原因とは?症状や治療法、予防法を知ろう!

目の中心部分にある黒目は瞳孔といいますが、その瞳孔の大きさが左右で違うということはありませんか?もし左右の大きさが違う場合は瞳孔不同といわれるものかもしれません。

瞳孔の大きさが異なっていると何かしらの病気が隠れている可能性があります。瞳孔不同についてどのような原因で起きるのか、また隠れている可能性のある病気について書いていきたいと思います。

瞳孔不同とは

女性 瞳孔

瞳孔不同(どうこうふどう)とは左右の瞳孔の大きさが0.5mm以上違う状態のことをいいます。瞳孔不同が見られる人はとても少なく、生まれた時から左右違う場合や年齢を重ねるとともに発症することもあるようです。

瞳孔不同はアニソコリーやアニソコと呼ばれることもあります。瞳孔の差が0.5mm程度であれば生理的瞳孔不同といわれ、自然に治ることもあるようですが左右の差が1mm以上ある場合は何かしらの病気が関係していると判断されます。

瞳孔の仕組み

瞳孔は瞳(ひとみ)とも呼ばれ目の中心部にある黒い部分のことをいいます。

瞳孔は瞳孔の大きさを変化させることで目に入る光の量を調節しています。明るい場所では瞳孔は小さくなり、暗い場所では瞳孔は大きくなります。大きさを変化させる動きは動眼神経という神経が動かしています。通常、瞳孔は左右対称の大きさでありきれいな円形の形をしています。瞳孔の大きさや動きを見ることで神経や脳の異常を発見することができます。

瞳孔の大きさが5mm以上ある場合、散瞳といわれ低血糖、薬物中毒、心肺停止後などの状態の時にみられます。瞳孔が2mm以下の場合、縮瞳といわれ脳ヘルニアの初期、有機リン中毒、瞳孔が1mm以下の場合ピンホールといわれ橋出血、麻薬中毒などの状態の時に見られるようです。

原因

瞳孔不同の原因はいくつか考えられますが、病気や薬物による副作用が関係している可能性があります。主に脳腫瘍、髄膜炎、片頭痛、頭蓋内出血、などが原因として挙げられています。

症状

瞳孔不同自体に痛みなどの症状はありません。鏡などで目を見た時に大きさの違いに気付く程度です。ですが物が重なって見えたり、物がかすんで見えたり、発熱、頭痛などの症状が出ている場合何かしらの病気が原因で症状が出ている可能性があります。

治療法

治療法は瞳孔不同を引き起こしている原因によって異なります。一時的に瞳孔不同が起こったものに関しては治療の必要がなく自然に治ることがほとんどですが、脳腫瘍などの病気が原因の場合は手術が必要になることもあります。

瞳孔不同に関係する病気

男性 頭抱える

瞳孔不同の原因として様々な病気があげられます。その病気についてかいていきたいと思います。

ホルネル症候群

ホルネル症候群とは顔の片方のまぶたが垂れ、瞳孔が縮まってしまうものです。異変が起こった方の顔は発汗が減ります。ホルネル症候群は年齢に関係なく起こり、自然に発症する場合と神経線維が何かしらの理由で分断することによって発症する場合があるようです。

診断方法はホルネル症候群だと思われる方の目に点眼薬を入れ、30分経過を見て瞳孔が広がらなかった場合、そして出ている症状を確認した上でホルネル症候群であると診断されます。また他の病気が関係していないかを調べるために、MRIやCT検査をすることもあります。ホルネル症候群自体の治療法はなく、発症した原因を突き止め、その原因となっているものの治療をします。

アディー瞳孔

アディー瞳孔は瞳孔緊張症ともいわれています。これは眼球内の筋肉が麻痺してしまうもので80%が片目に症状が出ます。瞳孔が開き対光反射がなくなりますが、近くのものを見続けることで瞳孔が縮まっていき散瞳状態に戻ることができます。アディー瞳孔は20~40代に発症し、特に女性に多くみられます。

原因として考えられているのは症候性と特発性で異なりますが、糖尿病、関節リウマチ、片頭痛、腫瘍などが挙げられます。時間が経つにつれ瞳孔が縮まっていくことがほとんどのため治療しないことも多いですが、点眼薬での治療もあります。

脳神経麻痺

脳神経麻痺は眼球の動きを調整している脳神経が麻痺することをいいます。目に関する神経は第3、第4、第6脳神経と呼ばれる神経がありますが、どの神経に異常が起きたかで出る症状は違ってきます。

まず第3脳神経は動眼神経ともいわれており、頭部外傷、糖尿病、脳の病気などによって麻痺が生じます。麻痺が生じると真っ直ぐ見ているつもりでも麻痺している側の目は、外側を向いてしまったり上や下を見たりすることはできなくなってしまいます。

第4脳神経は滑車神経ともいわれており、麻痺の原因として多いのは頭部外傷によるものだといわれています。原因としては少ないですが動脈瘤、多発性硬化症によって起こることもあるそうです。麻痺が生じた場合片方の目だけ、または両目に症状が出ることがあります。症状が出た方の目はうまく動かすことができないため、正常な方の目と物の見え方にズレが生じます。

第6脳神経は外転神経ともいわれており、頭部外傷、動脈瘤、多発性硬化症の他にも髄膜炎、寄生虫感染症、耳や目の感染症の合併症など様々な病気によって麻痺が引き起こされます。症状が出た方の目は、真っ直ぐみようとしても内側へいってしまったり外側に向けることができなくなってしまいます。原因によっては顔が痺れたり視力が低下したりなどの症状が出ることもあります。

これらの治療法は麻痺が生じている原因によって異なりますが、CT検査やMRI検査をし腫瘍の有無を確認したりします。原因を突き止め適切な治療をすることで麻痺はなくなります。麻痺が出ているのに原因がわからないといったものは、治療をしていなくても自然に麻痺が消えることもあるそうです。

虹彩炎

虹彩炎(こうさいえん)は虹彩と呼ばれる瞳孔の周りにある色のついた部分が炎症を起こしてしまうものです。

虹彩は外部からの光の強さに応じて瞳孔の動きを調節し、目に取り入れる光の量を変化させています。原因としてウイルス感染、外傷、アレルギー、糖尿病、結核や自己免疫性疾患など様々な病気があげられます。虹彩炎になると光がとてもまぶしく感じたり充血、視力が下がるといった症状が出たり、目を開けることができないくらいの痛みに襲われることもあるようです。

治療法は主に点眼薬での治療になります。症状によっては薬を服用したり、点滴をする場合もあります。原因となっている病気が判明している場合はその治療をすることも重要です。可能性としては低いですが、症状が悪化してしまうと短い期間で視力が低下して見えなくなってしまうといったことになる場合もあります。また、治療をしても再発してしまったり治りにくいといったこともあるようです。

脳腫瘍

脳腫瘍(のうしゅよう)とは脳の組織に悪い細胞が増え、頭蓋骨の中に腫瘍ができてしまう病気です。カラダなどに症状が出始めた時には腫瘍が大きくなってきていることがほとんどで、腫瘍が脳を圧迫することで何かしらの症状が出ています。

症状として頭痛、吐き気、失神、視神経を圧迫することで視力の低下、聴覚障害などがみられます。脳腫瘍は遺伝子の変異が関係していると考えられており、家族など身近な人に脳腫瘍になったことがある人がいる場合、発症する確率が高いとされています。また喫煙やストレス、放射線、高タンパクな食事などを過剰に摂取することによって腫瘍の悪化を進めてしまっているともいわれています。

まずCTやMRI検査をして腫瘍の確認をし、その大きさや種類によって治療方法、進め方を決めます。治療法は手術、放射線療法、薬物療法などがありますが手術で腫瘍を摘出する方法が主に行われているようです。手術などの治療をした後も定期的に検査を行い、状態をみることが必要となります。脳腫瘍が進行し末期状態になってしまうと完治することは非常に難しいとされています。

詳しくは、脳腫瘍の初期症状について!吐き気や頭痛に要注意!を読んでおきましょう。

頭蓋内出血

頭蓋内出血(ずがいないしゅっけつ)は頭蓋骨内で出血が起こることをいいます。

出血が起こる原因のほとんどは頭に強い衝撃を受けることで血管が破れてしまうことです。頭への衝撃がなくても出血する場合もあります。以前から脳の血管に動脈瘤があると血圧が上がることによりその血管が破れてしまうことがあるのです。出血した場所により種類が分けられ、硬膜外出血、硬膜下出血、くも膜下出血、脳内出血などがあります。

出血をしてからどんどんと症状は悪化していきます。数分の間に現れる時もあれば数時間経過してから現れることもあります。治療が遅れると後遺症が残ってしまったり命に関わるため早期の治療が重要になります。治療法はCTやMRI検査をし脳の状態を確認します。出血の量が少ない場合は手術などは行わずに様子を見ることもあります。血腫がある場合にはすぐに手術によって取り除きます。

瞳孔不同の予防方法

瞳孔不同を予防する方法は具体的にはありませんが、上記に挙げた病気にならないようにリスクを低くすることはできると思います。

食事の改善

野菜 サラダ

食事生活はとても重要で、偏った食事ばかりしていると病気になるリスクも高くなっていきます。バランスの良い食事を心掛けることで病気になるリスクも軽減することができます。

定期的な健診

検査

定期的にカラダの健診をすることで病気など早期発見することができます。特に症状があらわれていなくても1年に1度は健診を受けることが良いでしょう。

まとめ

男の子 手メガネ

瞳孔不同は痛みを伴わない為発見が遅れてしまうことが多いです。鏡を見ることで瞳孔の大きさが確認できるため、大きさに違いがあったり少し違和感がある場合はすぐに病院を受診しましょう。

問題がない場合もありますが、病気が隠れていることもあるため早期発見、早期治療が大切なのです。また瞳孔不同には脳に関する病気が多くみられます。頭痛などの症状があるならば検査を受けてみてはいかがでしょうか。

  
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